二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡への疑問、皮の張り替え。

2012-08-10 08:00:00 | ■工房便り 総合 
皮張り替え、という検索キーワードもかなり多いですね。

動物の皮を張った楽器は必ず何時かわ皮を張り替えなければなりません。

これは、宿命ですね。本来ならば、日本に二胡が入って来て、古い人で20年ぐらいですね。

そろそろ皮の張り替えの時期に来ている人も多いと思います。

また、女子十二楽房の頃に二胡を始めた人も、楽器によってはそろそろかもしれません。

二胡の場合経年変化による、皮の張り替えと言うのも有りますが、皮の歪みや、たるみで皮を張り変えざるを得ない二胡も多いのです。

意外と多く私の見る限り、3分の一は、この二胡は皮張り替えたら良くなるのにというかんじです。

また、皮にオイルを塗った為に、皮が緩んでしまい、皮を張り替えなければならないという場合も最近は出て来ました。

もともと、シッカリ貼っていなかったというのも、かなりあります。

それらを入れると今日本に在る二胡の半分くらいが、良い皮の状態では無いのではないかという気すらしてしまいます。(ちょっとオーバーですが)でもそれに近いというのはあります。

それから、皮を張り替える時に、音色は変わりますかと言う御質問も多いのです。

ある意味音は変わります、ある意味音色は変わりません。

木が育った分の音色と言うのは、皮を張り替えたばかりの時には今までと少し違うかなと言うのはありますが、

半年ぐらい弾きこめば、音色は元に戻りますが、シッカリと張った場合、今まで慣れてきた、緩い皮の鳴りとは変わります。

張り替えて良くなってはいますが慣れてきた鳴りとは違うと、思われる方も多いのです。

ほんとならば、皮の張り替えぐらいは、地方の方も運送していただいて直すことも可能なのです。

しかし、この一点、今まだ元の二胡の音と変わってしまうということが納得できない方も多く、やはりお顔突き合わせてその辺のことをちゃんと納得していただいた上で、皮を張り替えた方が良いという気がします。

皆さんウチの胡と言うくらい大事にしていても、ホントの鳴りを楽しんでいる人ばかりではありません。

多少歪んだ皮でも、その音色に愛着を持っておられますから、幾らちゃんと鳴るようになったとしても、違和感を持つ方もいらっしゃいます。

ちゃんと鳴る楽器に接してこなかったからとも言えます。

それから、皆さんは忘れているかもしれませんが、最初の頃はかなり硬い音がしていたはずなのですが、皮を張り替えようという時には、良くなっているかどうかは別にして、そこそこ柔らかい音人って来て、その音に慣れています。

ですから久しぶりに新しい皮の硬い音に出会うと、「これは、ウチの胡ではない」と思われる方もいます。弾きこめば元に戻りますよと言ったとしても、頭では分かっていても、何か釈然としないようなのです。

ですから、私の皮の張り方はちゃんとはれていると言うことが全国にまで伝わるか、或いはこの辺の二胡が最初は違って聞こえるということを納得していただいた方にのみ皮を張り替えることにしています。

このあたりの、メンテナンスが必要だということは、早く、バイオリン並みに皆さんが常識として持って欲しいものです。

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