二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

2月16日日曜日は二胡の日。修理の日。

2020-02-16 12:18:00 | ■工房便り 総合 
皆様には大変ご不便をおかけいたしておりますが、

毎週土日は二胡の修理と、調整など、

あと、弓毛の張替えなども、ポチポチというわけにもいかず、

なかなかに充実した二胡の日です。

今回書きたかったのはお預かりの二胡の中に、



分かりにくいかもしれませんが、

弦が皮に当たってしまっています。

外弦は完全に、内弦は皮に、触れるか触れないか、

これが結構曲者で、内弦の高音域で雑音になります。

どうせなら、



これ昔の二胡の弦の取り付け方です。

このようにしっかりと乗ってくれていれば、まだ雑音にはなりにくいのです。

ただしこれは絹弦です。

今の二胡の弦はスチールです。

皮より強いですから、皮に直接乗せるおt、皮がいずれは切れてしまいます。

こうなる理由は、



台に彫ってある溝が深すぎるのです。

ですから弦を装着すると、皮に当たります。

これを、


このように溝の上部を埋めることで、弦を浮かせて、皮に当たらないようにします。

このように、弦が皮に当たっている楽器というのは、最近の楽器に多いのです。

今から10年ぐらい前には、このように深い溝を張ったるメーカーというのはありませんでした。

むしろ全く溝など掘っていなかったものがほとんどでした。

然しこの深い溝。相当大きな、というより、最近日本の各地に広がって販売している大きなメーカーの物なのです。

ところがこのメーカーの物でも高級品には、このような深い溝がありません。

高級院には、無いのですが、中級品以下の物、20万円台くらいの物には依然として残っているようです。

別に問題はないと、思っておられる方も多いかもしれませんが、

これ、弾き込んで皮が緩くなってくると、影響が出てきます。振動が大きく鳴りますから。

昔の二胡の様に、フェルトでも当てた置けばと思う方もいらっしゃるかもしれませんね、

やってみてください。音がどのように変わるか、確かめるのも大切だと思います。

そこまで細かいこと言わなくてもと思う方も多いかもしれませんが、

本当に楽器の良い音を引き出そうとするならば、直してみたほうが良いと思います

調整費用のうちに入るくらいな、費用で済みますから。

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