二胡工房 光舜堂

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二胡の雑音の研究、弾きこんでから1

2014-07-16 10:27:48 | ■工房便り 総合 
二胡の調整をする時にまずは、木軸のがたつきやうるみ具合あるいは硬すぎるものなどを見ます。

がたつきのある物はまず中のチョークを拭き取り、木軸についているチョークも拭き取ります。

棹の穴の内部でチョークが固まっているために、がたつきがある物は、約30%位あります。

チョークは、中の油分によって固まります、要するに油絵の具などが、固まるのと同じです。

木軸と棹の木軸を受ける穴は工程上違う人が作りますから、かなり甘いつくりになっています。

それをとにかく、木軸が抜けないようにするために、中国ではチョークを詰め込みます。

これで多少の、がたつきは収まりますが、所詮、粉ですから、木軸を動かしている間に、棹の穴の外部に近い方は抜けてしまい、真ん中あたりだけ残ります。

そうすると、木軸は上下に動かしてみると動きます。

調整する時はチョークを抜いてから、木軸を穴に合わせて削り込みます。

そうすると殆どの物は、ぴったり治まります。

次にヴァイオリンなどの木軸を綺麗に動かすためのコンポジションを木軸に塗ると、きれいに木軸は周り、微調整器もいらないくらいになります。

コンポジションの量が多いと緩くなりすぎ、緩くなり過ぎて止まらないこともあります。

この時には、松脂の粉を木軸にふりかけ、硬さを調整します。

松脂が多ければ硬くなりますし、コンポジションが多ければ緩くなるのです。

この組み合わせで適度な木軸の動き具合を調整します。

これはヴァイオリンなどでも、常識ですし、松脂は三味線などでも使っています。

チョークは製作の甘さをごまかすためのものでしかありません。

ピッタリ削れば綺麗に収まるのです。

何故木軸が一番最初に調整でやらなければならないかと言いますと、弦そのものがきれいに振動してくれるようにです。

弦そのものがしっかり止まっていないとすれば、楽器を弾いた時に調弦も狂ってしまうからです。

また、経年変化して何年かたった二胡の木軸は木そのものが丸くなくなり、楕円形になってしまいます。

その上棹の穴の方も、ゆがみます。

ですから、木軸は止まっているのに、調弦が狂ってくるようなことが出てきます。

丸い穴に対して楕円ですと、当たっているところが2か所きりありません。

摩擦が少なく弦が緩みやすくなりますし、ある方向、たとえば上下あるいは左右だけはしっかりと止まっているのに、それ以外の場所はがたつくなどと言うのは、ゆっくりと緩みます。

ですから、調弦が狂うのです。

相当力の強い人が木軸を止めれば多少は止まりますが、がたつきは止まりません。

いずれにせよ、木軸ががたついていると調弦が狂いやすくなるのと、解放弦の時に金属音的な雑音がします。

まずしっかり止める物は止めて、台も後ろのねじが締まっているかどうか確認して、それが調整の最初です。

それでも出て来る雑音が本当の雑音です。



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