二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

胴割れを起こした二胡はきちんと治せば元に戻ります。

2018-09-11 12:59:09 | ■工房便り 総合 
というよりむしろ良い響きになります。

胴が割れて、雑音の響きが混ざっていたのを直したのですから。

すこし前ですが、「この楽器胴が割れて、先生に直してもらったのですが、まだなんだか響きが悪くて」

という楽器をお持ちになった方がいらっしゃいました。

一応その先生が直したというところを見ますと、まあ、きれいにくっついていました。

というより綺麗に見えたのです。

そこでお預かりして、目の前で、銅のあちこちを叩いてみたら、

カスタネット音、木と木がぶつかる音がします。

そこで思い切って花窓も外しまして、というより壊して(もちろん許可を得て)

ボンドでしっかりついていたので、外れなかったのですが、、、

それから再度、銅の中に手をいれて押し開いてみると、

ぱっかりわれまして、割れた部分を見るとボンドが詰め込んであっただけなのです。

要するに以前のボンドのカスを取り払っておらず、そのままボンドを付けただけですから、

きちんと接着できていなかったのです。

更に他の場所はと、軽くハンマーでたたいてみたら、あと2ケ所

割れました。

これはボンドが劣化したのではなく、ボンドが劣化するほど長く使っていたものではないです。

アフリカ紫檀(実は花梨)は、最近になって使い始めた二胡材ですから乾燥が悪く、

木が動いたのでしょう。

胴が割れた時には、一ケ所だけではないと疑ったほうが良いのです。

以前、あるプロの方の二胡預かりまして、銅が割れているのを修理しました。

その後、それを人工皮にはりかえました。

其れで弾いてみると、なんだかまだビビり音がするのです。

「あれ1胴は直したはずなのに、叩いてカスタネット音も確かめたのに」

張り替えたものを再度あちこちたたいてみると、直したところと違うところに亀裂がありました。

考えてみたら、人工皮を張るのに、60キログラム前後の力をかけて、人工皮を引っ張りますから、

その時に他の部分に亀裂が入ったのでしょうね。

目に見えない亀裂もあるのです。

先日、お客様が持ってこられた頭取れの楽器も、床に置いておいて、ころっと倒れただけだといいます。

たぶんこれももう木が動いて、ボンドの力で止めておくギリギリのところに来ていたのでしょう。

いずれにせよ、胴割れはきちんと以前のボンドを取り払って、

3方からしっかりとクランプで締め上げないと、接着できません。

良く先生方がやるのは瞬間接着剤などで手で押さえるくらいで見た目に直した形にすることも多いのです。

接着面をきれいにして、あったyくする落ちうのをしないで直しても直したことにならないのと、

もしそうやっていたとしても、一か所割れた胴は他にも亀裂があると考えたほうが良いと思います。

なけれエバラッキーです。

また、胴割れをきちんと治しさえすれば、二胡は元の音に戻りますし、

悪くなるなどという事はあり得ません。

これは治らないから、ほかの二胡を買ったら?というのは、、、、、、

とにかく、アフリカ紫檀は気を付けてください。


Comment    この記事についてブログを書く
« デンペン | TOP | とても!反省はしているんです。 »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | ■工房便り 総合