二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

閑話休題、すうさんのコメントにお答えして。

2012-01-07 09:20:50 | ■工房便り 総合 
二胡の弱点。

楽器として、二胡には弱いところが有ります。

やってはいけないと言うほどではなくても、その環境においたら、まずいでしょう、と言うことです。

一番は、夏の日の車の中。

4月を過ぎると、10月ぐらいまでは、駐車中の車の中の室温は、50度以上にもなります。

真夏は、80度になると言います。

木も、蛇皮も生ですから、これは、やってはいけない事ですね。

木は乾きますし(木の乾燥と言うのは、30度以上の温度だと、どんどん進みます)

皮も乾きますし、熱に弱いです。

次に、冬場10度を切ったところに放置するのは、まずいでしょう。

皮が、かさかさに乾きますし、皮だけが縮みます。

木はそれほど縮みません。

結果として、室温に戻した時には、皮は多少なりとも緩みます。

ただ寒いところと言う程度なら、後で多少た高いところへ置いておく、とか、

後ろから息を吹き込むとか、懐に入れて温めるとかすれば、それほどの悪影響でも無いと思いますが、

流石に零下はまずいでしょう。

生ですから、水分を含んでいます。

水分が凍れば、フリーズドライと言うことになりませんかね。

これはやってはいけない事になりますね。

冬場に、蛇皮が、かさかさになるのは、人と同じですが、人は潤いを保つ、尿素系のクリームなどで保湿すれば気持ち良いですが、

蛇皮は、尿素系に当たると、緩くなります、柔らかくなります。

繊維が柔らかくなるのです。

ちなみに割箸を、アンモニアをつけたり、尿素系の物に漬けたりすると、割りばしはくにゃくにゃに曲がり、紐のように結ぶことさえ可能です。(これは極端ですが)

勿論、オイルなどもってのほかですね。

オイル塗っても良いと言う人が居たら、ご自分の二胡にやってみてもらって下さい。

その結果で判断すればよいのではないですか。

勿論オイルにしても、色々な物が有ります。

揮発性の良いスクワランや、乾きにくい、ポピーオイルなど、でもどんな成分が入っているかは、市販品では解りませんね。

私の見てきた限り、何人の人が、この脂の塗りすぎ、(あくまでも塗りすぎです)で皮を痛めてきた事か。

多少なら良いのですが、多少だと、皮に変化が見られず、ついやり過ぎてしまうのだと思います。

オイルは、直ぐには、皮にしみ込みませんから。

後は、水気禁止ですね。

水気に当たると、ニカワの接着力が落ちます。

これは他のどんな楽器も同じことが言えます。

暑いのも寒いのも、水気も、駄目でしょう。

ほんとに、二胡は箱入り娘なのです。

大事にしてやって下さい。

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3 Comments

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うちのあるクラスでは (すう)
2012-01-07 16:01:52
シアバターを塗るのがはやったときがあり、べったりと塗っていました。あやうく私の二胡にも塗られそうになりましたが、丁寧にお断りしました。
照りがよくなるからと胴や竿にも塗ってましたね。「北京ダックじゃあるまいし」と思って見てました。
ほんとは、「そんなの塗っちゃだめだよ。」と言うべきなのでしょうが、本人達はご満悦なので、嫌われるのもなんなので、つい黙ってました。

二胡の真のメンテナンスへの道のりはまだまだ通そうです。
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スクワラン (nishino)
2012-01-07 11:52:45
私もオイルを塗る実験でなんとか良いかなと言うのは、スクワランだけでしたね、

高いですね。

乾きが早いのでまあ良いかもしれませんが、

菜種油塗った人もいます、これは乾きません。

それと、良くやり過ぎてしまうのです。

ですから私は反対します。

適量と言うのは、スクワランでさえ、布に含ませて、何か他の物に一回塗って、それを拭き取った布ぐらいで、ホントに薄く、
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皮の乾燥 (すう)
2012-01-07 10:19:10
わたしも疑わしいと思い「精製スクワラン」というのを購入して、手になじませてから皮に均一に軽く塗りました。
その日は触らずに乾かしておきました。
翌日、弾いてみたところ、少し音が大きく、ビリビリ音が減りました。
弾かないときは、シープスキンで皮面を保護してシルクスカーフを被せています。
あとは、弾きこみですかね?

いろいろ御教示いただきありがとうございます。

追記
精製スクワランは、アマゾンでチューンメーカーズというところに20ml、1,050円で買えます。高いですが、そんなに使うものではないのでいいかと思います。
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