二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

皮について、再び。(お客様からのご質問)

2010-09-30 10:36:31 | ■工房便り 総合 
あるお客様から、質問がありましたので、

その方からの了承を得て、ここに回答を書かせていただきます。

定規を、皮の上に立てて乗せ、皮の歪みがあるかどうか見るとき、

駒は、つけておいてよいのか?

これは、良い質問です。

基本的には駒をつけておいてください。

と言いますのは、駒の圧力が、歪んだ、皮を更にゆがめている場合もありうるからです。

通常、張ったばかりの皮は、余程薄くない限り、駒を置いて弦を張った状態で、

それほど目に見えるほどは沈みませんし、

光を透かした時に、向こうが見える程度には、沈みます。

しかし、弾きこんでいくと、皮は緩みますから、

多少は沈みます。

その時には、部分的な歪みではなく、

駒に向かって、全体に沈んだ形になることが多いです。


その1の方に書いた、部分的な歪みの場合、

定規をおいて調べる時には、角度を変えたり、場所を変えてみてください。

その時に平らなら問題はありません。

その2の全体に、緩んだ場合、

これは、弾きこむと緩んできますので、駒を乗せておくと全体に沈みます。

駒に向かって、下がっていくといってよいと思います。

これは異常なことではありません、弾きこみによる経年変化です。

但し、皮の厚みや、弾きこんだ数などにもよって、程度は変わります。

この時に、むしろ良く鳴っている場合は、問題がありません。

ですからゆるんだといっても悪い状態ではないことも多いのです。

購入してから1,2年弾きこんで、

音が良くなるならそれは、良い緩みでしょう。

弾きこんでいったときに、雑音がひどくなったり、

高音が出にくくなったり、全体に鳴りが悪くなったりした時に、

皮の、部分的な歪み、或いは、緩みすぎかもしれないということを、考えてみても良いと思います。

あくまでも、音、鳴りが中心です。

雑音や、鳴りの悪さが、駒や千斤の交換、等でも調整しきれないという場合、

この皮の歪みと言うのを考えてみて下さい。

お客様のK様、良い御指摘いただきありがとうございました。

西野和宏



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4 Comments

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良かったです (nishino)
2010-10-01 20:44:49
ka-moさん

こちらも色々書いていきます、

コメント楽しみにしています。

宜しくお願いします。
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なるほど… (k(ka-mo))
2010-10-01 11:21:58
質問者であったKこと、ka-moです。

早速のご回答を有難うございます。

私の症状は駒装着時、駒に向けてほんの少しですが隙間が開いていて、駒外している時は隙間なしです。
たちまち異常無しと言う事で安心しました。

この胡の音はまだ固い音質なので、これは愛情持って弾き込んでゆかなければ解決できないものですよね。
頑張ります!

また二胡は同じ胡でも弾く人によって音色が変わってくる、各自の個性がよくわかる不思議な楽器…。
私も自分の音色というものを見つけて、自分のものに出来るよう精進致します。

これからも二胡Life、楽しんでいきます!

追伸:コメントが繁栄されなくて、コメント遅くなってすみません。

教えて頂いたようにしましたら出来ました。
有難うございます!!
御迷惑、お掛けしました。

返信する
通常 (nishino)
2010-10-01 08:04:37
平らにします。
6角に組んで、最後にサンダー掛けます

もし、そうでないのがあったら、それこそ

不良品でしょうね、

私みたいなドジが、世の中にはいますから、

忘れることもあるかもしれません、

一度、曲面にしてみたことあるのですが

何の違いもありませんでした。

まあ当然ですね。

凸凹はまずいですね。
返信する
変な疑問が… (Jimmy)
2010-09-30 21:36:52
やってみました。やってみて思ったのですが、、、
胴の皮を張る口の面って平らなんでしょうか。

つまり、口にインクでもつけて判を押してみると綺麗に6角なり八角になるもんでしょか。

部分的に擦れたり、切れたりしないものでしょうか。
もしそれがあるとそたらどのような影響があるのでしょうかね。

な~んて思ってしまいました。ワタクシのような素人だと絶対に綺麗な6角形の判が押せるような胴は作れないのですね。業者に頼んでかなりの精度で板を切ってもらっても、張り合わせるとなかなか上手くいかないもんなんですけど…

皮の話題を読んでいて胴の精度に思いをはせるワタクシでございます。
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