二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

競作! 協作! 響作!

2024-09-18 08:54:04 | ■工房便り 総合 

右が天然の蛇皮、左が養殖の蛇皮です。
右は私が作っています。左はネオちゃんが作っています。
初めてですね!
二人で一台一台お客様の蛇皮の張替えをするのは。
何時かは一人でやらなければいけないのですが、ついにネオちゃんにもお客様の蛇皮の張替えを任せることにしました。
たぶんお客さまは比較的親しい方なので納得してくれると思います。
一番最初に私が蛇皮を張った時には、全く何もわからず。
最初のころはそれほど良い皮では無かったのですが、とにかく張って張りまくって、ダメにした数数十枚。
ある時、知人の華僑の方から、「蛇皮を探しているのだって?」
2か月後に何枚かのすでに二胡の大きさに切り分けた皮を譲ってもらいました。
それで早速張ってみて、これなら良いかと、中国や楽器店さんに持っていったのです。
店主のショウホウさんが弾いてみて、「これ、売ってください!」
と15万円を渡されてしまったのです。
「次から出来上がったら販売しましょう。日本人が二胡を作ったと毎年見せに来てくれる方がいるけれど、これなら十分中国製の物と比べられるよ」
転機というものはあるものですね。
それから1年ショウホウさんが亡くなって、それでは自分でお店持とうかと始めたのが光舜堂です。
ほぉさんに助けられ、孟さんに気に入られ、ご来店の多くのお客様たちに助けられ、何とか15年。
ほぉさんが入院したその年に工房へアルバイトで来たネオちゃんが、もうすぐ4年たちます。
今では弓つくりの大戦力。日本人の演奏家の方と話し合って注文に応じて手毛を選び強化して、たわめて毛を選び整え一本の弓をつくる様になっています。
今二胡は売れない時代になってきています。
メインの団塊の世代がもうかなりのお歳になってきたこともあり、コロナで縮小された、教室がなかなか元に戻らず、その上、お前日本人みくっびってるんじゃないかという、バカ高い非常識な金額で二胡を販売している店も出てきたりもしていましたが、それもそろそろ限界になってきていますね。
このままでは、あと5年したら二胡の愛好家は半減するでしょうね。
楽器がこれほどバカ高くなって若い人たちにはとても手を出せる金額ではなくなっていますから。
それででしょうか?このところ毎月3台4台と皮の張替えが増えています。
胴を作る木自体は数百年もつはずなのです、ボンドや膠がはがれたら直せばよいだけです。
皮は寿命があります。
15,6年から20年勿論使い方によってhもっともつのかもしれませんが、いずれにせよ生の皮ですからいつかはダメになります。
たぶん、光舜堂は二胡の蛇皮を張れる国内唯一の工房です。
ですから、他の二胡屋さんからもやり替え依頼が来たりしています。

勿論、沖縄の三線を作る工房でも張ることはできます。現に非常に安くやっているところもあるようですが、三線に使う皮の残りを使っているためかどうか?また張り方が違うのでキンキンになってしまうのです。
私に三線や三味線の皮が張れないのと一緒でしょうね。餅は餅屋に!
それはともかく、ネオちゃんにもそろそろ蛇皮張替えを本格的に教えなければと一緒に張り始めたのです。
まあ、あと何枚だめにするのか?
でも私よりはましでしょう。
光舜堂の跡継ぎとして、弓つくり、毛替え、世界に広がる松脂作り、そしてそしてこの蛇皮張り。
二胡の調整はもう少し時間かかるでしょうね。何しろこれが一番難しいのです。
そして、これはもう始まっています。今年の春にクロサワ楽器店さんから頼まれたコントラバス用。チェロ用そしてヴァイオリン用のテールピース作りです。
これらは皆、紫檀黒檀で作られています。硬い木ですね。
これなら二胡屋はもしかしたらヴァイオリンつくりの人より慣れています。
殆どのヴァイオリン作りの人は輸入品を使っていますから。
そんなこんなを今教えています。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ


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