二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

音色はどこから??

2022-06-06 11:44:50 | ■工房便り 総合 
梅雨ですね。
本当は今日から新工房建て始める予定だったのですが、初日から雨ですね。
しかし、どうやら、7月の初めには母屋も上がり、7月の後半には、仕事場の移動も始められそうです。
ご来客の受け付けられるのはどうやら、お盆明けの様な気がします。
と言いながら、、、
このところ、皮の張替えのご依頼が増えてきてはいます。
一台は、長年使ってきてはいるのだけれど、どうもこの楽器の音色が好きになれない?皮を張り替えれば音色が変わるのか、、、、、というお問合せです。
皮を張り替えても音色は変わりません。
二胡の音色は木の種類によって決まります。
ですから、紫檀があり黒檀がありなのでしょう。
勿論紫檀紫檀と言っても様々種類があります。
販売するときにこれは紫檀ですからと言われて、どうもご自身が思っている紫檀とは音色が違うなと思っても、「弾き込めば変わって来ます」と言われて数年弾き込んでも、思った音色にならない、などという話はたくさん聞きます。
紫檀と言っても沢山あるのです。

日本で言う本紫檀。これは多分皆さんが木だけを見ても、中国で言う小葉紫檀(インド紫檀)と殆ど分からないくらいに似ています。

左が本紫檀、真ん中が小葉紫檀の一番甘い音色の出る部分、多少響きは小さめです。右が小葉紫檀でも音の強く出るところ音色は変わらないです。

しかし音色はかなり違います。小葉紫檀のまったりとした甘い音色というのはでてきません。むしろ少し乾いた感じの音色になります。
紫檀と言っても手違い紫檀などは、さらに違います、寧ろ強さのある鳴り響く明るい音です。
中にはホンジュラスローズなども紫檀として販売されています。ローズウッドですから紫檀系には違いないのですが。
また、ブラジリアンローズなども紫檀として販売されていました。これは良いですね。音色も明るく少し甘みがありなおかつくっきりとした輪郭を感じさせる、とても良く響く楽器になります。
これらの樹種にいくら皮を張り替えても、音色は変わらないのです。
さんざん試してみたのです。
多少とも同じ樹種で音色が変わるというのは、駒の種類を変える事でしょう、ほんとに多少ですが少し音色が変わったかなという感じにはなります。
皮を張り替えてよいことは、響きが良くなる、そして健全に鳴るようになることです。
楽器の機能として、全音が良く響くようにはできます。
それと、音のふくよかさというの変えることはできます。
重厚感のある低音なども作り出すことができますが、音色そのものは変わりません。
もし皆さんが音色を変えたいということでしたら。楽器の木の種類を変える以外に無いのです。
紫檀の甘い音色が欲しいということで、いわゆる小葉紫檀をお求めになる方も多くいらっしゃいます。
今、販売されている小葉紫檀もうすでに100万円超えているものがほとんどでしょう。
しかし100万円を超えているからと言って、それが本当の小葉紫檀とは限らない、ましてや皆さんの望むような音色とも限らないのです。
それが楽器つくりの難しいところではあります。
木の部分によっても音色が変わるからです。
ましてや希少価値ということで今とんでもなく値上がりしている小葉紫檀より、以前に皆さんが買われた小葉紫檀の方が良い部分を使ってあったりもします。それこそそういう楽器は皮を張り替えさえすれば相当優秀な楽器に鳴るはずです。
横暴がお盆明けには再開されますのでその頃には皆さんの楽器をもって、ご自身の楽器がどんな木なのか確かめに来てください。


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