二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡という楽器の面白さ。

2010-05-24 09:29:58 | ■工房便り 総合 
昨日、雨にも関わらず、沢山の、御来客。

大変ありがたいことです。

この。三週間、というか3営業日で、述べ30台くらいの、人様の作った二胡見てきた。

全て音が違うのに、驚いた。

作っている立場から言うと、ホントに微妙に違う。

私の知人の中には、沢山の楽器製作者がいる。

バイオリン、ギター、三味線、三線、篠笛。

中には、オリジナルの打楽器作っている人もいる。

勿論ハンドメイドだから、い1台1台それぞれ、毎回違う鳴りと音色ができるそうだ。

多分、私はどこかで錯覚していたのかもしれないが、

中国製の二胡、沢山作っているということで、殆ど同じ音色なのではないか、

と、頭の中に出来上がっていたのかもしれない。

自分で、作るものは、人にも、みんな違う音なのですよと、説明していたにも関わらず、

中国製は、きっと、皆殆ど同じ音がすると、錯覚していた。

これは、反省。

量産であろうと、1品作りであろうと、

レベルの差こそあれ、同じものが一つもない。

ましてや、二胡の場合、楽器自体に、固定された部分が少ない。

千斤も、糸で縛ってあるだけだったり(最近は固定千斤も沢山あるが)

駒の高さも、大きさも違う。

ましてや、胴の大きさや、竿の長さも違う。

良く此処まで違うのが有ると、感心する。

と言いつつ、自分自身、二胡作る時に、胴の大きさや、材料に合わせて、竿の長さや

太さ微妙に削り込んでいるの、人ごとのように、忘れている。

二胡は、他の楽器のように、材料そのものの種類が、決まっているわけではない。

ギターや三線三味線などは、いくつか違う種類の木を使う。

がしかし、ある程度は、限られる。

それはら歴史の長さからいって、適正な材料と言うのが、決まって来ているからなのだろう。

二胡に使う材料の種類、自分で知っている限り数えてみた。

インドローズ(紫檀)を始め、中にはオークなども含め、

何と私が見ただけで30種類を超えている。(中には知らない木も有った)

音色が、木の種類で決まるとしたら、これらを組み合わせらとしたら。

それこそ、兆、を超えてしまうのかもしれない(計算できないのでごめんなさい)

その上、先ほどの、固定部分の少ない作りだから、調整一つで、音が変わる。

千斤の巻き数が、1回変わっても、高さが1ミリ変わっても、鳴りも音色も変わってしまう。

が、しかし。

昨日弾かせていただいた二胡は、つい2月に、同じ方から見せていただいた元とは思えないほど、鳴りも良くなっていた。

正直、最初見せていただいた時には、アレっ、何でこの皮なのに鳴らないの、という感じだった楽器。

しかし昨日弾かせていただいた時には、同じ楽器とは思えないほど雑音も無く、良い音色だった。

勿論、その方の調整は、素晴らしく良かった。ほぼプロ並み。

というより、その方の、二胡に対する思い入れ(愛情)が、見事に実っていた。

というのは、皮が相当引き込まれている感じに、触った時に伝わった。

皮触ってみると解るが、弾き込みが十分された皮と、まだ新しく、引き込まれていない皮では、何と言うか、温かみが違う。

これは、単なる感だけでしかないかもしれないが、

確かに温かみが出てくる。

生の皮でできているせいか、ホントに二胡は、育っていく。

その方の二胡に対する愛情を十分感じたし、

自分自身、技術という物のを超える、物があると、教えられた。

(まだまだ、青二才)反省。

一番の調整は、千斤でもなく駒でもなく、弾き込み。

言いかえれば、御自分の二胡、如何に大切に弾きこむということではないのか、

雑音でさえ消えてしまうのが、弾き込み。

音色が良くなるのも、弾き込み。

勿論、良い音楽作るのも弾き込みでしかない。

確かに、それでも、補えない欠陥というのは、天然のもので出来上がっている、二胡には、

メンテナンスをきちっとするのが、絶対必要なもの。

でも、それほど根本的な、張り替えなければならない状態や、破損などと言う極端なこと
(悲しいことに、それは、度々あるが)以外無ければ。、

一番の調整は、弾きこむことだと、ツクヅク、思った。

西野和宏





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4 Comments

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Unknown (Jimmy)
2010-05-24 15:37:58
昨日もお邪魔させていただきありがとうございました。お話を伺っているとつくづく自分の知識が薄っぺらいものかが分かり、情けなさでいっぱいになります。
帰りはご挨拶ができなくて大変失礼致しました。お話中だったので、、と言い訳です。

さて、恐縮ですがこの場をお借りして駒作りさんへ伝言させてください。

ーーー伝言ーーー
以下、昨日お話した駒の材料です。駒作りさんのご都合が良ければ二週間後に持参いたします。(私のおもちゃ工具と作成技術では歯が立ちませんので。。。)

・スポッテッドガム;ブラジル近辺のハードウッドです。ベンチなんかに使われているらしいです。
・パープルハート;「ジャックと豆の木」の木です。
・ジャトバ;別名ボルネオチーク。インドネシアあたりに生息しているジャックと豆の木系です。
あとは合成木材2種
・再生木材;木粉とPPの合成材
・REKWOOD;木粉とPEの合成材。木粉60%でツゲです。ちと柔らかめかも。。

西野さんからは一笑にふされるような気もしますが、トライして戴けると大変ありがたく。
吉とでるか凶とでるか。。。宜しくお願い致します。
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jimmyさん了解しました。 (nishino)
2010-05-24 17:17:48
昨日は、楽しかったですか?

色々知識ひけらかすようなことになって、申し訳ありません。
お客様に説明するのに、どうしても必要なことでしたので。
時間できたらゆっくり二胡談義しましょう。
あの調子でいくとなかなかできそうも有りませんが。

次回お待ちしております。
返信する
Jimmyさん了解です(^^) (駒作り)
2010-05-24 21:37:29
昨日は、ご来店ありがとうございました。

伝言たしかに承りました。色々な材で試してみましょうね。『ジャックと豆の木』の木っていうだけで、なんだか面白そうだと思いました(笑
こちらも、お話が聴けて楽しかったです。
また勉強させてください。

では、また。
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いいですね、こういうの (nishino)
2010-05-24 21:44:17
まだまだ、ちゃんと定着していない、我らが愛する二胡。

みんなで協力して、より楽しい、二胡の”場”

作りましょう。
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