昨日、上野村の解禁でKOJI君の下手で釣っていた人と少し雑談をさせていただきました。その方が「冷水病防止のため、釣れたアユは小さくても持ち帰ります。また、消毒剤を携行しウェーダーなどに吹き付けています。」と言っていました。
以前、アユ関係の仕事をしていて冷水病防止を啓発してきましたが、このように釣り人に浸透してきているのが本当に嬉しくなりました。そこで、再度冷水病について、また、その防除法について書いてみます。
【冷水病】
①アユの冷水病は稚魚・成魚にかかわらず発生し、発生温度も16℃~20℃が中心となっていて5℃ではほとんど増殖せず25℃以上では活動停止してしまいます。5℃近辺で発生するマス類の冷水病とは違うため、温水病と言うのが正確かも・・・。
②冷水病はフラボバクテリウム・サイクロフィラムを原因とする細菌性の感染症で、条件性病原体、つまり水温の乱高下、濁水、縄張り争いなど魚にストレスが貯まると発病します。
③薬剤による治療では再発しやすく完治が困難で、現在のところ細菌の進入防止が最も有効な対処法となっています。
④症状は、筋肉・ひれ付け根・あごの出血や潰瘍、体側の穴あき、えらの貧血(退色)が見られますが典型的な症状が出ないこともあります。
第一次の感染源は何らかの原因で発病したアユと考えられますが、釣り人が持ち込むオトリアユや釣り具からの感染も十分に考えられます。このため、釣り人の皆さん次のことを守るように心がけてください。
【釣り人ができる冷水病対策】
①他の河川で釣ったアユをオトリとして持ち込まないで下さい。(冷水病に罹っている川のアユを持ち込み、冷水病をまん延させる恐れがあります)
②釣ったアユを飼ってオトリとして使用しないようにしましょう。(アユを飼ってオトリとして使う事は冷水病に罹りやすく、その川の冷水病菌の濃度を高め感染率を上げることになります)
③オトリは保菌検査をした健全なアユを購入して使用しましょう。(無菌の健全なアユをオトリとして使う事が冷水病のまん延を防ぎ、長く釣りを楽しめます)
④釣ったアユが小さい・奇形、死んで鮮度が落ちたなどの理由で、川に戻さないようにしましょう。(冷水病は弱ったアユやストレスを受けたアユが発生しやすくなります。釣ったアユは全て持ち帰りましょう)
⑤使ったオトリを弱ったから、養殖じゃ要らないからと言って放流するのは止めましょう。(オトリとして使われ、疲れたアユはストレスだらけで、冷水病が発生しやすくなります)
⑥死んでいたアユを見つけたら川から出しましょう。冷水病かなと思ったら漁協に連絡しましょう。(死んでいるアユを放置する事は、冷水病に罹っていた場合、川の冷水病菌の濃度を高め感染率を上げることになります)
⑦ウェーダーや船、オトリカンなど釣具を消毒しましょう。酒屋などで食品用のスプレー式消毒アルコールを売っています。(冷水病がまん延している川で使った釣具は菌が付着している恐れがあります。天日干しや薬剤で消毒しましょう)
釣り人の皆さん、よろしくお願いします。
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