9月初めの頃には白い小さな花をたくさん付けていたヌルデ(名前の由来は白色の樹脂をウルシと同じように器具の塗料として使ったから「塗る手」、別名のフシノキは虫えい(虫こぶ)の五倍子(フシ)ができるから付いたものです。)ですが、9月下旬には小さな実が目立ち始めました。
ヌルデはウルシ科ウルシ属(ヌルデはかぶれることはあまりありません。)の落葉小高木で当ブログでは「冬芽」や「虫えい(虫こぶ)」での登場が多いのですが、今回は開花から結実までを追ってみました。ヌルデは雌雄異株で雄花の花弁(5枚)は反り返り、おしべの葯は花弁よりも高く突き出ています。
雄株の下は雄蕊の付いた花が落花して真っ白になっています。
雌花の花弁は反り返らず中央に花柱が見えます。
果実は核果で偏球形で、結実当初は赤味を帯びていますが・・・
大きくなるにしたがって平凡な緑色に、成熟すると黄赤色になって、酸味と塩味が混じった味のする白い物質(リンゴ酸カルシウム)を分泌します。
この実を塩麩子(えんぶし)と呼び、生薬として下痢や咳に用いられたのだそうです。
ほかに、ハゼと同じように果実は蝋の原料としても使われていたそうですが、今では細工材や五倍子、塩麩子としてもほとんど使われなくなってしまいました。
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