大学校の前期授業で担当していた樹木学実習、後期に担当する樹木学・・・読んで字のごとく樹木すなわち木本のお勉強です。私は造園系の人間なので純粋に樹木学や植物学を先行した人とは部分的に違いがありますがその辺はご容赦を戴いて・・・
さて、木本は一般的には「木質組織が十分に発達し、茎が長年にわたって成長を続ける多年生植物」、そして草本は「木質組織が発達せず、草質の茎を持ち地上部が1年で枯れる植物」とされています。
ところが今回紹介するキンポウゲ科センニンソウ属のセンニンソウ(↑)やボタンヅル(↓)、そして同じつる植物のヘクソカズラなどは地上部の茎の一部が木質化して肥大成長をして長年生きるので半低木などと言う呼び方をされています。(これが一つ目の紛らわしい部分です。でも私の中では草本なのですが・・・)
次にボタンヅルとセンニンソウの紛らわしいのは、同じつる植物で花もちょっと見は似ていて「どっちがどっちだっけ?」となってしまいます。花はともに8~9月に咲いて白色、正確には花弁は発達せず白い花弁に見えるのは萼片で、4枚あって十字形に開きます。萼片よりも花糸が同じ長さか萼片より長いのがボタンヅル(↓)・・・
萼片(中央の花のように5・6枚のこともあります)よりも花糸が短いのがセンニンソウ(↓)・・・
そして葉はボタンヅルは一回3出複葉で小葉には不揃いの鋸歯がある(この葉がボタンの葉に似ているからボタンヅルの名がついています。)のですが・・・
センニンソウの葉は一回3出複葉または5~7枚の羽状複葉で基本的に全縁・・・
花が終わればすぐに種子ができ始め花柱には白い長い毛があって、これが残って風に乗って種が飛ばされていくのです。この毛を仙人の白いひげに見立ててセンニンソウの名がついたとか・・・?
1909話目です。何時もご支援ありがとうございます。の文字またはバナーをポチッと一押しお願います。
![]() |
自然観察ハンドブック (フィールドガイドシリーズ) |
クリエーター情報なし | |
平凡社 |