しるしのないカレンダー

定年退職した自由人のBLOGです。庶民の目線であんなこと、こんなこと、きままに思ったことを書いてみたい。

口蹄疫の恐怖

2010年05月20日 | Weblog
宮崎県川南町で発生した口蹄疫の被害は甚大だ。
ウイルス性の家畜法定伝染病で伝染力が強い。空気感染するため陸上で65キロ、海上で250キロ以上ウイルスが移動した例がある。

感染すると発熱、元気消滅、多量のよだれが見られ、舌や口中、ヒズメの付け根付近の柔らかい部位に水泡が出来、それが破裂して傷口となる。節食や歩行が阻害され体力の低下、乳収量の減少から死に至る。成畜では致死率は数パーセントだが幼畜の場合50%に達する場合もある。牛、豚、羊、ヤギ、水牛、ラクダ、トナカイなどが感染する。

人間に感染することはないが「酪農従事者、畜産酪農従事者、獣医師、ウイルス取り扱い技術者はウイルスのメカニカル保菌者となり動物への口蹄疫流行の感染源となる」とされ米国では入国制限の要因となる。

家畜伝染防疫指針に基き発生農場から半径5~30キロの範囲内での
生体の搬出を制限、交通遮断、擬似患畜の全頭殺処分、埋却および消毒処置を行い、蔓延を防止する。

感染被害の例を調べた。
1908年ドイツでは5年間で370万頭殺処分
1967年英国44万2千頭
2001年英国700万頭の牛と羊
1997年台湾380万頭の豚が殺処分被害額69億ドル。
この感染により台湾の豚肉産業は壊滅崩壊している。

米国映画「アウトブレイク」を思い出します。ダスティン.ホフマン主演の映画ですが空気感染の恐怖を描いた映画です。
最後に抗体を開発できて人類が救われる映画ですが「口蹄疫」にはまだウイルスに勝つ抗体を持つワクチンは開発されていない。
日本の被害を食い止めないと日本の畜産業も壊滅する恐れがある。

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