しるしのないカレンダー

定年退職した自由人のBLOGです。庶民の目線であんなこと、こんなこと、きままに思ったことを書いてみたい。

予算不足で文化財流出?

2010年10月18日 | Weblog
考古学で日本最大の学会「日本考古学協会」が16日臨時総会を開き、所蔵する専門書約5万6千冊を英国の研究所に一括寄贈するという案を出したら反対多数で否決された
寄贈理由は保管費用が大きいから寄贈先を公募したところ、国内機関からは皆無で英.セントベリー日本芸術研究所が名乗り出たという。

年100万円に上る保管費用が負担となったものだが学術的に貴重な資料が数多い。
海外流出は「広く世界で利用されるべき」との意見もあるが「将来への活用を期して国内で保管すべき」との反対意見が勝った。

どこの分野でも生じている問題では?と思った。
どこの大学でも立派な図書館はある。されど収容規模は驚くほど狭隘だ。
殆んどの研究者は大学でなく自宅の書庫で蔵書を管理している。
退官後寄贈しようと思っても狭隘さを理由に拒否される。
かくして貴重と思える研究資料は遺族と共に中古本業界へ、海外流出の源となる。

日本の大学研究に限らず文化財保存に関する資金は僅かなものだ。
国の予算もどんどん削減されている。
人材育成.国の文化醸成、保護の財政的基盤が危うい。
仕分けが錦の御旗となっては困ることもある。

予算をつける「国家戦略」が必要である。歴代の国家戦略担当はどんな仕事をしてきたのか。初代の仕事ぶりを見るにつけてもこの男の現在の仕事ぶりは予想がつく。

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