昨日は町内の役員会議を開く予定だった。資料も準備を終え、防災訓練用に準備したリヤカーのお披露目を考え組立を終えていた。
会議開始2時間前にカーちゃんから連絡が入る。「町内の さんの家の前に門パイが出ている」と。朝夕のわんこの散歩コースでなかったので気がつかなかった。
門パイに書かれた内容を見入ると今夜が通夜式である。あと2時間もなかった。町内の掲示板にお知らせを出す余裕もない。
通夜式会場に出かけ、遺族に会う。お悔やみと通夜式で出す「長内旗掲揚の諾否」「事の次第をお聞きした」
帰宅して、香典の用意、本日の会議会場のキャンセル。
礼服の準備とあわただしかった。町内会の役員宅にの出向き、会議の延期を伝えた。
門パイを出した家は数年前から入退院を繰り返していた方の家だった。肺がんが全身に転移して末期で見つかった方だった。
2年前からご本人から病状報告頂いていた。放射線治療で頭髪が抜け落ち、いつも頭部を隠していた。マスクと帽子で目しかわからない。それでも在宅時はゴミ出しでお会いしていた。
小生を見かけるといつも話しかけてくれていた。息子が結婚したこと。とても喜んでいた。20年も前に夫を亡くし、保険金も入らず苦労したらしい。
それでも子供を立派に育て上げた。立派な通夜式だった。
親族は極端に少なかった。子供の勤める会社の同僚の出席が目立った。町内の参列者。多くが役員、隣組だった。通夜振舞の席を増やす事態だった。
喪主の闘病状態の報告。死期を悟っても家族に笑顔を見せ明るく振舞い最後まで闘病に全力で戦ったと報告があった。
安らかな顔だった。やせてはいたが、とても良い仏に見えた。「波阿弥陀仏」「合掌」
全力で77歳の生涯を生き抜いた人生だった。