最近は、その昔70年代によく聴いた女性ポップボーカルを懐かしんで、しばしば聴いている。
その日の仕事が終わった夜に家でゆったりとウイスキーのグラスを傾けながら、自分でチューンしたシステムで、その年代の歌姫の声を聴くと、たまらなく癒される。うっとりと聞き惚れてしまう。
最近の打ち込み系の音楽とは違う。私は、どうも、打ち込み系の音が好きになれない。
70年代、80年代の音楽は、それぞれ個性があり、アレンジも良くて、音楽、歌声にも味がある。
では、お気に入りを紹介いきましょう。なお、順番は、お気に入りの順になっています。
まず、今の一番のお気に入り。
①Linda Ronstadt(リンダ・ロンシュタット)
スタイルよし、美貌、色艶のある声で、3大美女ボーカルとも言われる。
澄んだ声、だけども色気のある声が良い。歌唱力抜群。
私は、初期の頃のカントリーっぽいのが好きだ。
彼女のバックバンドのドン・ヘンリーとグレン・フライ、バーニー・レドン、ランディ・マイズナーが後に、イーグルスとして独立したのは、ご存知の通りである。
私が所有しているアルバム。
・Hasten Down The Wind(風にさらわれた恋) 1976年作品
こちらは、リマスターされていて音も良い。元々のレコーディング状態が良いのでしょう。腕利きエンジニア。
リンダの透き通った声、それでいて色気がある。まだカントリー色が強くてよい。
情感たっぷりに歌い上げている。収められている楽曲ひとつひとつが素晴らしいです。
12曲中の3曲をカーラ・ボノフが提供。彼女の才能が光ります。カーラ・ボノフは後で取り上げます。
恐らくリンダ・ロンシュタットの最高傑作ではないでしょうか?
ジャケットの雰囲気、胸ボチッも良い。出来れば、LPレコードで欲しいところだ。
グラミー賞最優秀女性ポップ部門を獲得したアルバムです。
・Cry Like a Rainstorm, Howl Like the Wind 1989年作品
これは、ちょっと新しくなって、7年ぶりにポップ路線に戻ってのアルバム。
オーケストラをバックにスケールが大きくなった彼女の歌声が聞ける。
アーロン・ネヴィルとのデュエットもゴージャスである。貫禄を感じさせる。
このアルバムでもカーラ・ボノフの曲を3曲採用している。
「トラブル・アゲイン」など聞き覚えのある曲が沢山入っている。
やっぱり、企画もののスタンダードを歌ったアルバムより、この様なポップアルバムが好みである。
・For Sentimental Reasons 1986年作品
フランク・シナトラのバックなどでも知られるネルソン・リドルとコラボしてジャズのスタンダードナンバーばかり歌った企画ものアルバム。
他人のレビューでは、音が良いと書いてあるが、さほどでも無いと思う。
リンダの歌声はいいのだけど、リンダにジャズは今一つ似合わない、得意じゃないと私は思う。やらされたっぽい。
・Hummin to Myself 2004年作品
リンダも、すでに58歳、還暦が近い。と言うことは、今はとっくに還暦を越している。どうしているのだろう?。
でも、このアルバムジャケットの美しさといい、声の張りといい、年齢を感じさせない若々しさがある。
内容的には、やっぱりリンダのジャズは、私は好きになれない。なんか、彼女の本質と路線が違っているような気がする。
昔のカントリー調はもう歌ってくれないのかな?
・Very Best of Linda Rostadt 2002年作品
これは、言わずと知れたベスト版。
良い曲ばかり入っている。でも、初期の頃がちょっと少ないような気もする。
23曲も入っているので、入門用には良い。
だだ、カーラ・ボノフの曲が入っていないのが残念。
リンダ・ロンシュタットは、他にも、もっと良い曲が沢山あるので、「風にさらわれた恋」を一緒に買うのがお勧め。
②Karla Bonoff(カーラ・ボノフ)
リンダ・ロンシュタットなどにも楽曲を提供している。
聞き比べると、リンダ・ロンシュタットは、確かに歌が上手いが、本家本元のカーラ・ボノフの方がしっとり味わいがあって、奥深く、少し暗めである。
これが、「悲しみの水辺」に代表される様な物悲しい曲には、嵌っている。夜、聴いているだけで、悲しくなり、涙が出そうである。
なんで、こんなに悲しく歌えるのであろう。 でも、聴き入ってしまう。
・ささやく夜 (1979年作品)
これが彼女のソロ セカンド作かつ代表作である。
「涙に染めて」「ささやく夜」「悲しみの水辺」など、名曲・代表曲が収録されている。
彼女は、発表アルバムが少ないので、私はベストアルバムを買い、このアルバムは所有していない。
でも、機会があれば購入したい。
・オール・マイ・ライフ・ベスト (2005年作品)
アルバムタイトルどおり、彼女のキャリアを集体したベストアルバムである。
彼女自身の選曲とコメントをつけた自叙伝的なアルバム。
英語の苦手な人は、日本版を買うべし。また、日本版には2曲プラス。
「トラブル・アゲイン」も聴ける。 JDサウザー、グレンフライらも参加。
選曲の殆どが、デビューアルバム、セカンドアルバムからとなっている。
発表アルバムが少ないので、もっともだが、名曲ぞろいである。この2枚のアルバムに凝縮されていたのだろう。
このアルバム、何回聴いても飽きない。夜更けに一人でグラスを左手に聞きたくなる。
切ない曲は、ほんとにしみじみとくる。お勧め。
③Rita Coolidge(リタ・クーリッジ)
この人も、上の二人とよく似た感じの曲を歌っているが、とても綺麗で美しい歌声。
1971年デビュー。
ボズ・スキャッグスの「We are all alone」なども歌っている。AOR系かな。ライ・クーダーなどもアルバム参加。
本国よりも日本で人気があった。
・あなたしか見えない~クレイテスト・ヒット~(2001年)
ベスト・アルバムで彼女のヒット作が詰まっている。
兎に角、カバー曲が多い。
どの曲もあっさりと、癖なく、さらり歌っており、印象に残りにくいことが、本国であまりヒットしなかった原因か?
とりあえず、このベストアルバムがあれば良いと思う。
④Bette Midler(ベット・ミドラー)
ジャケットの見た目は、変だけど(失礼)、歌唱力抜群、とにかく歌、表現力が上手い。
流石、グラミー賞受賞4回!!! 大物である。
このベストアルバムで、殆どの代表曲、名曲が聴ける。
「From a distance」「The rose」「In my life」などを網羅しており、名曲ぞろいである。お買い得。
このアルバムも良く聴いている。
近頃の女性ポップシンガー、この様にしっとりと味わいを持って歌える人はいないでしょう。
兎に角、最近の歌は、皆同じに聞こえて、すぐ飽きてしまう。1回聴けば、もう沢山。歳のせいかな?!