第5弾は、いよいよ皆さんが好んで良く使い、関心のある12AX7(ECC83/CV4004)です。
BrimarのCV4004も数日前に入手したので、これも含めてレビューします。
今のところ、私の持っている球は、7種類。 今の所と書いたのは、この球でMclntosh MC275の音がコロコロ変わるから、これからまだ増える予定だからだ。
左から、
①Raytheon製(Baldwin)12AX7A、②Tung-sol製12AX7、③松下製12AX7、④Brimar製CV492、⑤Mullard製CV4004、⑥Telefunken製ECC83、⑦Brimar製CV4004。
①Raytheon製12AX7A
有名なBaldwinのオルガンに使われていたもので、BlackPlateである。一部の人の間では、これが音が良いとの説である。このBaldwinの真空管は他にもオークションとかで見かける。
音の印象:
音自体はクリアーで硬めの音でキラキラとした音がする。どちらかと言うと高域寄り。
硬めの音を求める人には良いであろう。私には長時間聴いていると疲れる。
②Tung-sol製12AX7
ロシア製で、Tung-solのre-issue品である。金メッキ足である。管の径が他の管よりも少し大きい。
音の印象:
まあ、言うなれば普通の音。良くも無く、悪くも無い。特徴が特に無い。少し面白みに欠けるかな。
決して悪い球ではない。
③松下製12AX7
日本が世界に誇る国産真空管である。なんでも、当時、あのNHKの放送設備に使われていたそうである。秋葉原のアンチーク・オーディオで購入。
音の印象:
繊細で上品な音である。流石、日本製だけあって優等生って感じ。US管に見られる様なダイナミックさや、空間表現にはちょっと欠ける。
④Brimar製CV492
結構古い球である。いわゆるヴィンテージ管。KB/FBの印刷がある。
BlackPlateでSquareGetter。
音の印象:
コクはあるが、繊細さに欠けるといった感じ。でも、ロックのギターとかを聴くには良い。
臨場感は良い。
⑤Mullard製CV4004
ある店主の進めで、12AX7なら、これが一番でしょうと言われ購入。Boxplate。
結構値が張った。一本で1万円オーバー。
音の印象:
繊細で甘めのやっぱりムラードなサウンド。帯域は低域から高域まで延びているが、ボーカルが少し後ろに引っ込む。全体の臨場感は良い。
エージングには、かなりの時間が掛かった。
⑥Telefunken製ECC83
底にダイヤマーク入りの本物。これも一本で1万円オーバー。
リブプレート。
音の印象:
テレフンケンらしく、低域~中域~高域まで、文句の付けようもなく、フラットである。多分、周波数特性を測ってもフラットだろうなと思わせる。優等生である。空間表現も良い。
⑦Brimar製CV4004
BrimarのMilitary仕様である。
写真を見てもらえば判るが、Brimarのロゴが皆さんが見慣れたものとは違う。これはBrimarの中でも、特別仕様品だそうだ。なんでも、このBrimarを聴かなきゃ、12AX7を語った事になれないとか。
数日前にカナダから取り寄せた。これも一本1万円オーバー。
リブプレートでテレフンケンと良く似ているが、上側のマイカが2枚重ねになっている。
マイカの大きめな丸穴もBrimarの特徴である。特別に写真を載せておきます。
音の印象:
繊細で空間表現も良い。すごくコクがあってソフトである。ソフトであっても、音像がぼやける事はない。帯域も充分に広い。丁度、MullardとTerefunkenの間の音である。
ケーキに例えると、テレフンケンがバタークリームなら、こちらは生クリーム。またウイスキーに例えるなら8年ものと15年ものの違いの様だ。
長時間聞いていても、耳障りな感じが全くしない。
今、この球で聴いているが、エージングが進むともっとよくなるであろう。期待している。
NOSの為か、なかなか調子が出ない。中域が物足りない。。
もう暫く、プリアンプの使っていないフォノイコアンプ部分でバーインする事にした。
その間は、テレフンケンで楽しむ。