アナログの音は密度が濃い~。
今回のカセットデッキの改造を終えて、カセットテープに収められた音を聴いて、そう思った。
そもそも、このカセットデッキを修理した目的は、その昔に録り溜めた貴重な音源を再生するためで、新たに市販のミュージックテープを買うつもりなどは無かった。
しかし、その魅力にハマると、やはり気持ちを抑えきれず、中古のミュージックテープを買ってしまった。
それにしても、ナントの心地良い音!中低域に厚みがあります。
バラードを聴くと暖かみがあって哀愁のある音。ロックを聴くと迫力のある音。
ヒスノイズは仕方ないが、音楽が始まると殆ど気にならない。とにかく聴いていて楽しいし、疲れないのが良い。
現代の音って、何だろうなと思ってしまう。少し聴いたらすぐに飽きてしまう。
まぁ、これが近年のアーティストやヒット曲が長続きしない要因のひとつかも知れないですね。
デジタルは手軽、便利で良いけど、深みや面白みがないですね。それに長時間聴いていると疲れてしまい、ずっと聴いていたいと思わないのは、私だけでしょうか?
何と言っても、レコーディングの原点はテープへの録音ですからね。
デジタルが登場する以前はマスター音源もテープでしたから。
レコードも結局はマスターテープからラッカー盤へのカッティングと言う作業が入りますからね。
テープであれば「Master Tape to Tape」です。イコライジングは入りますが。
カセットテープにこれだけの情報が収められていたとは驚きです。
デジタルの音を聴いた後にこのアナログの音を聴くと、なんとも「ほっこり」しますね。ノスタルジーを感じます。
心が癒され落ち着きます。安定感があります。「ホッと」します。
さて、今回購入したミュージックテープです。ロックばかりです。
左上から。
◎LED ZEPPELIN Ⅱ (US 1977年版)
レコードと曲順が違う。テープへの収録時間をA面とB面で合わせるため?。
これがまさしく若い時にリアルタイムで聴いた音です。やっと当時の音に出会えました。
何度聴いたことか。
◎LED ZEPPELIN Ⅳ (US 1977版)
音が厚い、熱い!!! これだ! 私の45年前の記憶にある音。あの初めて聴いた時の衝撃が蘇った。
現代のデジタルの音と聴き比べると、デジタルの音は、なんとも薄っぺらい。
特にボンゾのドラムの重さが違います。ジョン・ポール・ジョーンズのベースも地を這うように重いです。
これを聴いてからデジタルのリマスター盤を聴くと音がスカスカです。
◎DEEPEST PURPLE / DEEP PURPLE (US 1980年版)
Abbey Road StudioでMasterしたものです。LPでは片面30分に収める技術を使ったそうです。
少し残念な事に、経年変化でカセットテープケースが歪んでいるのか?早送り、巻き戻しで重くなる所があります。
でも、音は厚みがあって雰囲気たっぷりです。
珍しい曲やアレンジの違うバージョンが収められています。
「Speed King」ではジョンロードのオルガンソロから始まります。レコードとはまた違う。
LP(UKオリジナル盤)ではリッチー・ブラックモアのジャムの後にジョンロードのハモンドオルガンソロ。
国内盤ではいきなり始まる。
これらミュージックテープはレコードとはまた違う音質です。違う感覚で楽しめます。
レコードは音抜けが良くて気持ちが良いのですが、テープは音に厚みが有りって密度も濃いです。音がギッシリと詰まっている感じです。 油絵と水彩画の違い?
やっぱりハードロックはアナログに限りますね。岩の様に固くて厚い音が迫ってきます。力強く重厚でエネルギーを感じます。
そりゃ、デジタルはSNも良いし、音は繊細だし、左右の分離だって良いのですが、よそゆきの上品な音。対してアナログは周波数レンジが狭く、SNも悪く、繊細さにも欠けますが、しかし音楽全体のエネルギー感が違います。やっぱロックはこうでなきゃ。汗が飛んできそうです。
特に小音量で聴いた時に、その違いが顕著です。
デジタルを小音量で聴くと何だかチャラチャラ鳴っています。アナログは小音量でもエネルギーを感じます。ここが大きな違いでしょう。
もっと、他のテープも欲しくなりましたが、市場が小さすぎて、これと思うようなものが出てこない。
見つけた時に買わなきゃ、カセットテープは絶滅危惧種です。財布には優しいけど。
まあ、買い手もコアなマニアしか居ないでしょうけど。
さあ、カセットデッキ弄りやカセットテープもここまで!
約1か月半遊ぶ事が出来ました。良い勉強になりました。そろそろ抜け出さなくては。。。