My Audio Life (趣味のオーディオ)

真空管オーディオを中心に、私のオーディオチューンアップについて書いています。最近はPCオーディオにも取り組んでいます。

6DJ8系真空管の聴き比べ。(6922/ECC88/E88CC)

2021-10-17 13:59:19 | 真空管いろいろ

真空管差動ラインアンプがひとまず完成したので、ここに使用している6DJ8系の真空管を簡単に聴き比べてみました。

多くは有りませんが、写真の真空管を所有しています。

以前(随分と前)にも紹介したのですが再度。

左から。

・EH6922(エレクトロ・ハーモニックス=通称エレハモ)

 現行生産品(Made in Russian)です。特に特徴も無く中庸的な音です。ちょっと甘めで良い感じ。

 私が最初に出会った真空管です。現行品なら、これかJJ/Teslaでしょう。

次からはヴィンテージ品になります。

・Amperex ECC88 (Bugle Boy)

 日本では「笛吹童子」とも呼ばれています。おそらく管壁の印刷からその様に呼ばれているのでしょう。Made in Holland

 音質も確かに高域が煌びやかで特徴的です。春風の様に吹き抜けます。これ、誰かがその様に表現していました。低域もしっかりと出ています。気持ち良い音です。

・Telefunken(ダイヤマーク付き) ECC88

 優等生です!。低域~高域までフラットです。しっかりとした音です。

 甘さとか厭らしさは有りません。それ故、面白く無い音かも。リファレンスとして使っています。

・Tesla(金足) E88CC

 Vp(max)がECC88/6DJ8の130Vに対してE88CCは220Vと高いです。ECC88の高信頼性管。

 繊細で緻密な音です。音の色付けは有りません。これも優等生です。

・SEIMENS(金足) E88CC

 柱に製造ロットの刻印が有るので正真正銘の本物です。

 Telefunkenと並んで最高峰と言われていますが、私が持っている球はエミ減なのか?それ程でも有りません。

・National 6922(Mullard)

 Made in USA。Mullardの製造設備を買い取って製造したとの事。

 欧州系の音ですね。しっとりとした感じです。高域が綺麗です。中域が物足りないです。

・Mullard 7614/CV2493

 Made in Great Britain。軍用のCVナンバーが付いています。

 金足、ディンプル付きのディスクゲッターです。

 欧州系の色気、暖かみの有る音です。

 

結果、プラシーボが多分にあると思いますが、以前に感じたのとほぼ同じ結果となりました。

6DJ8に関しては、現行生産品EH製でも充分な様な気がします。

 

最後に一言。

真空管の足(ピン)は、綺麗にしてから使いましょう。

特にヴィンテージ品は酸化して黒ずんだ物が多いので、本来の音が出ないです。

汚れが酷いと、場合によっては、ボソボソ・ノイズや雑音が出ます。ヒーターが不灯になる事も。

ピンの掃除には、これが良さそうです。

掃除した後は、無水エタノールで綺麗に仕上げましょう。

 

 

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レコード針先端のダイヤモンドチップが欠損した!

2021-10-14 13:02:24 | レコードプレーヤー

久々にレコードを聴いていたら、1曲目の終わり辺りで急に「ザラザラ」と異音が出始めたので、一度ピックアップを戻し、針の先端を掃除してから再度再生してみましたが、やはり「ザラザラ」と異音を発し、よく聴くと隣の溝も同時に再生している様にも聴こえる。

これはいけない!と針を予備の物に交換し再生したところ異常なし。

そして先ほどの針の先端を観察してみると、この通り。

拡大写真 ↓

何と、先端のダイヤモンドチップが無くなってクレーター(白く写っている所)が出来ています。

 

こちらは、正常な状態の針先。綺麗ですね。

 

比較すると一目瞭然です。

こんな事ってあるのですね。

そう言えば、今日は聴き始めから「何だか歪っぽい音がするなぁ。」と思っていました。

こういう事だったのですね。

どの位使い倒したのだろう。。。新しい交換針を手配しなくては、、、。

 

実は、これからプリアンプのEQアンプ部の改良を計画しているので、取り敢えずは現状の音を確認しておこうと思った矢先の出来事です。

我が家のEQアンプの回路構成は、名機と誉れ高いMarantz #7型ですが、現状の回路図を眺めていたら、見直しが必要なところが見つかりました。

 

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真空管差動ラインアンプの見直し。~定電流素子~

2021-10-03 13:14:48 | 真空管プリアンプ

差動ラインアンプが完成して2、3日聴きましたが、従来とは違う音で、聴いていて疲れます。音楽に引き込まれません。

歪っぽくて高域がザラザラで全体に薄っぺらい音。不自然さを感じます。現状では満足出来ません。

石アンプに逆戻りしたような感じです。と言うか石アンプよりも悪いかも?。これでは真空管の意味がありません。

且つ、ボリュームを絞った状態でもホワイトノイズ(高域のサァーと言う音)が大きい。

 

この原因は何かと考えました。

前回やり残した事、それは定電流回路。ここを疑いました。

この回路にIC「LM334Z」を使用したのですが、これを虎の子のFET「2SK43(SONY)」Idss=8mA選別品に交換してみました。

やっぱり此処でした! これが犯人でした!。

ホワイトノイズは皆無になりました。

そして音質は、今迄聴き馴れた落ち着いた音になりました。艶やかで潤いが有り濃厚です。円やかで聴いていて疲れません。

一旦悩みは解決しましたので、負荷線を描きながらB電源電圧の再調整を行いました。

 

良い感じですね~、ダイアナ・クラールのボーカルがセンターから静かにフワッと浮き上がってきます。音楽に引き込まれ、いつまでも聴いて居たくなる音です。

 

「LM334Z」のアプリケーションを見るとオーディオ用では無いですね。

ぺるけさんがわざわざ2SK30Aを3パラにしている理由も、電流値を稼ぐためだけではなく、インピーダンスを下げて音質的にも考慮しているのではと思えてきました。但しノイズは3倍?

私が使用した『2SK43』は2SK30Aや2SK170よりもボディがひと回り大きく、ランクにも依りますが1本でIdss10mA位も可能です。写真右側の上下。

 

真空管回路には、ディスクリート素子ならまだしも、集積回路は避けた方が良さそうです。

今回、良い勉強になりました。諦めず探求した甲斐がありました。

FETは真空管に近い音だと、どこかで読んだ事もあります。他の型番の物に替えても音が変化しそうです。

機会があれば試してみたいのですが、良質のFET自体が市場で枯渇状態です。中国製の偽物も有るそうですし。。。

 

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真空管差動プリアンプ(ラインアンプ)が完成。

2021-10-02 16:15:37 | 真空管プリアンプ

数か月前から製作を計画していた6DJ8系を使った真空管差動プリアンプがやっと完成しました。

検討したのは、いつ頃だったかな~? 遡ってみると7月の終わりでした。パーツ屋さんがコロナの影響で暫く休業されていたため手つかず状態でしたが、漸く部品が揃い、2週間くらい前から作業開始。

シンプルな回路だけに自分好みの聴ける音が出る様になるまで何度か試行錯誤し、漸く投稿が出来る状態になりました。

 

作業自体は、現状の12AU7直結、カソフォロ回路から、今回の差動回路に改造です。

レイアウト検討や配線、作業を進める中での回路の見直し等で結構時間が掛かってしまいました。

 

回路構成自体は、ぺるけさんの回路そのままです。

回路で苦労したのは、6DJ8の『ヒーター電圧』と、差動の『マイナス電源』をどこから取ってくるか?でした。

まず『ヒーター電圧』については「12AU7は12V」「6DJ8は6V」ですね。

閃けば簡単な事でした。左右chのヒーターを直列に繋げば良いだけの事でした。

次に『マイナス電源』

色々と悩んだんですが、現アンプの電源部を見渡すと、電源トランスにヒーター用6.3Vが1回路余っていました。これはB電源の整流回路を「球からダイオードに変更」した時に余った回路。

この回路を使ってブリッジ整流でマイナス7.4V(-7.4V)を作りました。

 

回路のポイントを幾つか。

1) 定電流回路には「LM334Z」を使用しました。

この素子は、Max.10mAなのでRSETを調整して9.5~9.7mAに設定しました。

2) V+電源

ここの平滑コンデンサは、出力信号ループが入り込み、実際の信号が通るため、このコンデンサの質により音質に影響が出てくる様です。左右Chでも独立させています。

念のため、V-電源も左右府独立させましたが、ここは定電流回路があるので必要無いかも。

3) NF量の調整

6DJ8の負荷が軽くも重くもならない様にゲイン調整。

 

出来上がって音を聴いてみると、何の味付けも無いストレートな音です。まるで半導体の様な真面目な音です。ボーカルが魅力的では有りません。色気が有りません。球の良さが出ていません。音楽を愉しく聴くことが出来ません。

これは私の好みでは有りません。どうした物かな~? と悩みました。

定電流回路が半導体LM334Zだから?

そもそもこれが差動アンプの音?

  差動と言っても平衡回路から不平衡で信号を取り出している。

元の回路に戻そうかなとも思いました。

 

それで私なりに試した事が以下。

V+電源の電解コンデンサを交換』 

何となく、音の通り道になっているV+電源のコンデンサが音質に効いてそう(勝手な想像)。

と言うか、この電解コンはすでに10年以上経過しているので、劣化してるのかも知れません。

元はBMI(US製の33uF/450V(ビンテージ品黒)、これをF&T(Germany)の47uF/500Vに交換

フィルムコンをパラに抱かせてみましたが、中域~高域が不自然になってしまい駄目です。

これは恐らくその帯域だけESRが下がるためでしょう。

将来的には、他の電解コンも試して見たい。

 

②『抵抗タイプの変更』

手持ちで近似値のある抵抗をDALE RN60D(金皮)からA&B(カーボン)に交換。

 

結果、結構良くなりました。効果が有りました。

良い感じの音になりました。ジャズボーカルも元よりは魅力的に歌う様になりました。

 

更に、出力のカップリングコンデンサをSPRAGUE VitaminQ(PIO)からWestcap CPV09A(PIO)に交換。

コレ!良いですね。良い感じになりました。

絞り押し出す様な音になりました。ちょっとダンプが効いている感じの音。

 

この差動回路で感じた事は、構成がシンプルなだけに、部品の個性、音質差が出易いかも知れません。

 

今のプリアンプのラインアンプ部の様子です。

(表側)


 

(裏側) 

配線にも拘ったつもりです。

真空管の空きソケットを利用してマイナス電源の配線をしています

 

6DJ8系には、6922、ECC88、プレート耐圧の高いE88CCなど数種類が有ります。

私もブランド違いなど何種類か持っていますので、今後、取り換えて音の違いを楽しんでみたいと思います。

写真では分かりませんが、現在乗せている球は『テレフンケンのダイヤマーク付き』です。

リファレンス球として音質調整に使いました。

 

(2021.10.2 追記)

この回路は見直しが必要で、現在改版検討中です。後日更新します。

 

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