私のストックから見つけた適当な球と言うのは、「ECC99」です。
この球は、スロバキアのJJ Electronicsが開発したオリジナル品です。
通常品と金足品が見つかりました。金足のほうは下が黒ずんでいるので少し使い込んでます。
12BH7Aの直線性を改良した物ですが、最大定格、内部抵抗も優れています。
それぞれの定格を比較してみました。
見ての通り、定格的にはECC99が圧倒的に優れています。音質は感覚的なので別の話。
これを出力段に使ってミニワッターのパワーアンプを組むことも出来ます。実際の作例も有ります。
特に私が目を付けた項目のひとつは内部抵抗。
ECC99の内部抵抗はECC82を双極パラ接続で使うよりも低く、12BH7Aと比較しても半分以下です。
もうひとつは最大許容プレート損失と電流です。
これで電圧と電流をたっぷりと流してやれば、6C33Cを強力にドライブ出来そうです。
他にも違いは有りますが、それは使う時に注意すれば良い事です。
Ep-Ip特性もグラフを見れば判りますが、直線性に優れています。
ヒーター電流が多く、電源トランス容量が少し心配になりましたが、片極使用では問題なさそうです。
入力容量もパラでは2倍になってしまいますが、片極使用なので初段SRPPの低出力インピーダンスを生かし高域特性を良く出来そうです。
私が引いたロードラインと動作点がこちらです。
電源電圧392V(電流増加で400Vから若干低下)とプレート負荷抵抗18kΩはそのまま。
カソード抵抗を15kΩから12kΩに変更。この時カソード電圧は98V。
前回の初段SRPP設定変更で動作点は87Vになりましたので、ドライブ段のグリッドに繋がる電圧は93V(=87+3+3V)。バイアス電圧は93-98V=-5Vとなります。
動作点でのプレート電圧146V、電流8mAで良い感じです。
今回、抵抗1本の変更で偶々上手く出来ました。
音質は、かなりクリアーでスッキリしたキレの良い音になりました。
低域から高域まで良く伸びてます。
ECC99の片極だけの使用は、コールド・スワップで組んでいますので、寿命が来れば、左右で球交換すれば、使っていなかった対極片側を使い始める事が出来ます。また、管内の温度上昇も少ないので寿命も延びそうです。この使い方も先生から教わりました。
12BH7Aの球も持っているので使ってみたいのですが、12BH7Aを使うときは、動作点をもう少し右側にずらし直線性の良い所で使いたいですね。
次回に続く。回路図と変更点のまとめです。