世間では相変わらず80年代シティ・ポップが注目されています。
女性アーティストで特に取り上げられるのは「杏里」や「松原ミキ」ですが、この人「中原めいこ」を忘れてはなりません。 シンガー・ソングライターです。
80年代ポップスのコンピレーション・アルバムに収められる事は稀ですが、当時、ポスト荒井由実、女性版山下達郎とも言われてた様です。
「中原めいこ」と言えば、84年のカネボウCMソング「君たちキウイ・パパイヤ・マンゴーだね。」を思い浮かべる人が多いと思いますが、他にも良い曲が沢山有ります。
シンガー、ソングライターとして、才能に優れた存在だと思います。楽曲もアップテンポな曲からバラードまで、アルバムを通して聴いていても飽きさせません。音使い、転調も心地ち良いです。
ラテン、ファンク、AOR、ブラックコンテンポラリー、シンセポップなど様々なジャンルを取り入れていてバラエティに富み、今の時代に聴いても全く違和感なく通用すると思います。
当時では時代を先取りし過ぎて、大衆が受け入れるには時期尚早だったのかも知れませんね。
彼女のデビューは82年ですから、同期としては、中森明菜、小泉今日子、松本伊代、早見優などと言ったのちの大物アイドルが勢ぞろいです。
因みに杏里のデビューは78年「オリビアを聴きながら」で、本格的なヒットは82年花王CM曲「思いっきりアメリカン」ですから、これは偶然ではないでしょう。
中原めいこが今迄に発表したオリジナルアルバムは、全10枚。
なかでも私のお薦めは、「2時までのシンデレラ-FRIDAY MAGIC-」と「MOODS(ムーズ)」。
「2時までのシンデレラ-FRIDAY MAGIC-」での特にお薦めの曲は、タイトル曲の「FRIDAY MAGIC」と「FANTASY」続く「ジゴロ」です。どちらも特にベースとドラムがカッコ良い!アレンジの良さが光っています。もちろん中原めいこのボーカルも最高!
生楽器が中心で、ホーン・アレンジはスペクトラムの新田一郎、シンセ・アレンジは椎名和夫、全体アレンジは新川博。ダンサブルで気持ちの良い楽曲が多いです。このキレキレでタイトなドラムが気持ち良い!ドラムは青山純?、ギターは鈴木茂?松原正樹? とにかく全曲カッコ良いです。
録音は音響ハウス(ONKIO HAUS)となっています。
ジャケットの感じも良いですね。部屋に飾りたくなります。
次に「MOODS」。
こちらは、最初にカセットテープを購入。
オークションで500円以下。カセットテープは、送料が安くて良いですね。
しかも「DOLBY HX PRO」録音なので、音質も良い。
実は、このテープを使って前回投稿のカセットデッキ調整を行いました。
アルバム全曲、捨て曲なく大変気に入ったので、音質比較の目的もありレコードを買いました。
帯付きは価格高いので、帯び無しで購入。盤質は最高でした。
「MOODS」アルバムの中で特にお薦めの曲は、「極楽鳥のテーマ 」「Number1」「ロ・ロ・ロ・ロシアン・ルーレット」です。
先程とは違い打ち込み系が多く現代的な音作りとなっていますが、それがまたカッコ良い!
録音は、こちらも「ONKIO HAUS」ですが、ミックスはN.Y.、マスタリングはL.A.の「CAPITAL RECORDS」となっています。確かに、LP盤面のランアウトに”MASTERD BY CAPITOL"の刻印があり、エンジニアの"wally"のサインが入っています。音質はかなり良いです。
曲は変化に富んでいて、飽きる事無く気分高揚のまま最後まで聴き通せます。
中原めいこさんの作曲は職人的ですね。小林信吾さんのアレンジの良さも光っています。
私は、今では杏里や松原みきよりも気に入って、繰り返し聴いています。
80年代シティ・ポップが流行っている今、「中原めいこ」さんをもっと取り上げても良いかと思います。
ベスト盤で聴くよりも、個々のタイトル・アルバムで聴いた方が曲構成がよく考えられています。
この辺りも、中原めいこさんのセンスの良さなのでしょう。