昨年の11月の現地の音響展で、2台目の真空管アンプを購入しました。
7月にKT88を購入したので、今度はちょっと音色の違う球のアンプを買おうと思い、ちょっと珍しい球のものがあったので購入した。
本来、300Bが欲しかったのですが、良さそうなものが無かったので、300Bにちょっと近い音色と言われて、値段も手頃だったので、これにした。
球の構成は、
出力管 6AS7 (6N5PT 曙光 使用) x 4本
プリ管 ECC88 (6N1 使用) x 2本
12AX7 (6N2 使用) x 2本
で、出力 25W x 2 である。
300Bを持ってないので、比較はできないが、家で聴いてみたら、KT88とはちょっと違い、非常にクリアーで高音がどこまでも伸びる感じである。
球は、すべて中国管。 道理で手頃な値段のわけだ。 日本円で10万円程度。
この改造を試みた。
<真空管の交換>
・出力管
①スベトラーナの6H13Cに交換
音がさらにクリアーになって、硬くなった。 高音が耳につく。 歪っぽさも感じられる。 1本だけ、青光現象も見られた。
②RCA製 6AS7 1972年製
現地の古い真空管ばかり扱っている店で買った。2,500円/本。
以前見たときは珍しいAmperex製があったが、そのときは売れてしまっていたので、仕方なくこれを購入。
店主曰く、Amperex製がちょっと良いとか。
NOSでpairでないため、双極管の特性が揃ってないし、管ごとの特性もばらばら。
このアンプは、パラレルプッシュプルとなっているので、どうしても、バイアス電流が揃わない。双極の片方を60mAにすると、もう片方は10mAになると言った始末。
そこで、シングルプッシュプルで使うように配線を変更した。これで、それぞれのバイアス電流を何とか60mA程度で使うようにした。
この管は、元々バイアスを深くして使うようなので、こんなもんだろう。
音は、スベトラーナより、艶もあって良い。中域も良く出るようになった。高音のクリアーさは今までどおり。
<プリ管の交換>
①Baldwin(Sylivania製) 12AX7
オークションで購入。 伝統的なオルガンに使われていたそうだ。音がクリヤーだけど、ちょっとざらつき感がある。
②TUNG-SOL 12AX7 新品
特に特徴がない。普通の音。
③松下製 12AX7 新品
秋葉原に安価で大量に出ていたので購入。 NHKで使われていた様だ。 音が繊細で優等生。安心して聴ける。 現在使用中。
④ECC88
CDプレーヤー用で持っていたものを使用。
色々変えてみたが、やっぱりTelefunkenが一番。
しかし、Telefunken テレフンケンは、CDプレーヤーで使用中なので、こちらは、National製(ムラード設備で生産)を使用中。
<カップリングコンデンサの交換>
・Odio cap (UK)に交換した。
やっぱり、カップリングコンデンサは音質に影響する。非常にしっかりした厚い音になる。
<電解コンデンサの交換>
・電解コンデンサをすべて日ケミ製に交換した。容量upも図る。 音が繊細になった。
<電源の変更>
ちょっと、セパレーション、音の広がりが足りない様な気がしたので、C電源を左右でブリッジ回路も別々にして分離した。
B電源は、上の写真にある様に、元々別々。
確かに、左右の分離が良くなって、音に広がりが出た。
<帰還回路にC追加>
高音がちょっと、歪っぽくて耳障りだったので、帰還回路に、100pFを追加。
オシロでの波形観測でも、パルスの立ち上がりのリンギングが抑えられた。
音も聴きやすくなった。 周波数特性も20Khzまでフラット。
今は、この状態で聴きながらエージング中です。
KT88とは、また音の趣が違って、良いです。