手持ちのKT88系真空管の聴き比べがひと通り終了したので、簡潔にまとめをしたいと思います。
今回比較した球は、
・GEC KT88(オリジナル、ヴィンテージ品)
・Gold Lion KT88(Reissue、復刻品)
・TUNG SOL 6550(Reissue、復刻品)
・SED 6550C(Svetlana Winged-C)
の4種です。
<外観>
並べて撮影してみました。
左から、GEC KT88、Gold Lion KT88、SED 6550C、TUNG SOL 6550 になります。
GECとGold Lionは、ガラスの形がよく似ていてます。大容積です。
SEDだけは、ストレートガラスです。GT管タイプ。
TUNG SOLは、ダルマ型で、他に比べ小容積です。
プレートの形状もそれぞれ違います。
GECは特徴的な形で窓穴が有りません。
SEDはプレートが2枚有ります。
マイカ板は、SEDのみ2枚、他は3枚です。
ゲッターは、SEDがトップのみ、他はトップとサイドです。
<音質>
順位付けするなら、やはりGECがNo.1ですね。
低域から高域までよく出ています。それに中域に張りが有って艶とコクが有ります。独特の年代を感じます。しかし勿体なくて長い時間は使いたく無いです。
次にはSED(Svetlana)の6550Cです。
GECほど張り・艶・コクは有りませんが、雄大でスケール感があって良いです。
クラシック、ジャズ、ロック、現代のポップまでどんなジャンルでも良く表現します。
聴いていて気分爽快です。ずっと聴いて居たくなります。私の常用管です。
Gold Lion(復刻)も良いです。帯域が広く無難にこなします。現代風の音です。
TUNG SOL(復刻)は音楽を選ぶようです。少し篭り気味で小編成のジャズ等に向きます。
詳しくは、それぞれの聴き比べに書いています。
<その他>
今回の比較した後でふと思ったのですが、KT88と6550を同じ回路で比較して良かったものかと。
そもそも電圧設定等を変更する必要があったのでは?と思い、改めて其々のデータシートを比較してみた。
ひとつは、スクリーン・グリッド電圧(Vg2)。
UL接続の場合、KT88は600Vmax.に対して、6550(Tung Sol)は500Vmax. 、6550C(SED)は400Vmax.(UL時か記載なし)となっている。
で現状はと言うと、トランスのUL端子から100Ωを介してSG2に接続しているので、480V程度となっている。
お気に入りの6550Cを使った時が心配ですが、SV6550CのDatasheetには、"is designed to be a direct replacement for any 6550"と書いてあるので信じる事にしよう。
また、コントロール・グリッドの抵抗に関して、
固定バイアスの場合、KT88の100kΩMax.に対して、6550(Tung Sol)は50kΩmax.、6550C(SED)は記載無しとなっている。
で現状はと言うと、180kΩ位となっている。ここはあまり小さくするとドライブ段の負荷が重くなるのと、現状は暴走などの異常は無いので、あまり下げたくないですが、取り敢えず100kΩ位に下げてみるかな?