先週の6月30日(土)に、岡山のEDさん宅を訪問しました。
今までのお礼に行かなくてはと思いながら、約1年越しに訪問することが出来ました。
当方は、私とオーディオ仲間1名。
当日は、生憎の雨でしたが、鳥取からナビを頼りに一般道で約4時間。
到着後、お礼と挨拶を済ませ、さっそくオーディオ・ルームへ。
10畳の洋室でオーディオ用に天井、床、壁に補強等が施してあるとの事。
簡単ですが、当日のシステム、組み合わせと試聴音源(ソース)を紹介し、感想を書かせて頂きます。
写真は殆ど撮らなかったので、文章だけになってしまい読み苦しいかも知れません。
<KT150 PP MONOx2 & ATC(38cm 3way)>
ATCの巨漢スピーカー75kg SCM150?、そして見るから重そうな38cmのコーン。
そりゃ、充分なドライブをするには、それなりのパワーのあるアンプが必要でしょう。
EDさんも苦労されたとの事。
私は、ATCの小型スピーカーを台湾のオーディオフェアで聴いた事が有りますが、余り良い印象は残っていません。
しかし、KT150 PPでドライブしたこの大口径ATCは、良く鳴っていました。
地を這うような低音、中音~高域まで良く出ていました。
想像以上にトランジェントも良かったです。
定位もバッチリ決まっていました。
★持ち込んだソース毎での印象:
①The Look Of Love/Diana Krall
定番CDですが、この中から3曲目"I Remember You"を選曲。私はxrcd24版を持ち込みました。
この曲の冒頭でトライアングル?の高音が3回入るのですが、2回まではセンター、3回目は右から出ます。
この音が歪むことなく綺麗に出るか?分離は良いか?音の大きさは自然か?などを確認しています。
主に高音の評価に使ってます。CDP、DAC、PCオーディオの評価にも使えます。
分解能が悪かったりジッターが乗っていると、この音が埋もれてしまいます。
REVOX B226のマルチビットDAC(TDA1541)では、稀に消える事があります。マルチビットの辛いところです。
聴いた結果は、響きを持って綺麗に鳴っていました。
ボーカルの像が少し大きいかな?と思いましたが、後で自分のシステムで聴いても同じでした。
実は、このCDの前にEDさんが同アルバム「Love Scenes」を再生され、オーディオ・テスト様なCDだと言われてましたが、それはレコーディング・エンジニアが、グラミー賞も獲得しているアル・シュミットだからです。この人とプロデューサーのトミー・リピューマのコンビのアルバムは、音質、内容共に優れています。
②Lara Fabian
11曲目"ADAGIO"を選曲。
低音とボーカルの評価をしています。冒頭の低音と、特に後半部の歌唱の盛り上がりです。
歌唱力では、セリーヌ・ディオンの上を行くと思います。
これにも感動しました。鳥肌ものでした。
③Ultimate/Toni Braxton
10曲目"Un Breake My Heart"を選曲。
色々な人にカバーされてる有名な曲ですが、こちらが本家。
ビルボードで11週連続1位になった曲です。
こちらも後半の盛り上がりが聴きどころです。
ホイットニー・ヒューストンばりの絞りだすソウルフルな声、抜群の歌唱力です。
ハスキーボイスを歪まずに(中間処のTake back that sad word goodbyeの歌詞)再生できるか、
細かい息使いまでセクシーに鳴らせるか、またバック演奏の広がりを評価しています。
目の前で歌ってくれている様で感動しました。声もとてもセクシーでした。こちらも鳥肌もの。
④Between the sheets/Fourplay
こちらのアルバムから1曲目"Chant"を選曲。オーディオ評価で定番です。
現在は24ビット・リマスター版が販売されていますが、私が持ち込んだものはオリジナルの輸入盤です。
冒頭のハービー・メイソンの叩く太鼓のアタック感と余韻(=皮の撓る音)、エレキ・ベースの重み、ギター、ピアノを評価しています。
冒頭の太鼓の音は、皮を叩く音(振動)がリアルでした。
ベースは太く重心が低く、腹に響きました。スタジオでベースを弾いた時の感覚が蘇りました。
リー・リトナーのギターは艶やか、ボブ・ジェームスのヤマハ・エレピの音も余韻を持って良く響いていました。
⑤NIGHTBIRD/Eva Cassidy
こちらもオーディオ評価で頻出の定番ですね。
4曲目の"Fields of Gold"を選曲。オリジナルは"Sting"です。
もうこちらは、ボーカルそのものの評価ですね。
エバ・キャシディのクリアーで芯と張りの有る歌声、ライブ感、会場の反響等を確認してます。
こちらも目の前の中央で唄われてゾクッとしました。
EDさんが、「Eva CassidyのCD持っているけど、音があまり良くない」と言われてましたが、こちらは良いです。
同内容で"Live at Blues Alley"のCDがあるそうですが、それに比べて音質がかなり改善されているそうです。
★★ まとめ ★★
私の好みは、目の前で演奏している様な躍動感のある生きた音を再現し、音楽そのものを楽しめる音です。
あまりにも繊細で神経質な音は、無機質で作られた様になり私の好みでは有りませんが、今回、①~⑤のどれを聴いても、素晴らしかったです。良い音を聴かせて頂きました。
やはり球の音は突き刺さる事なく、いつ聴いても癒される音ですね。勿論、パーツ選び、回路構成も多分に寄与していると思いますが。
<アナログ:Micro BL-99V & SPU>
訪問時、今日は低音が出ないと言われてましたが、聴き始めると充分出ていました。
マイクロのバキューム・ターンテーブルは現物を初めて見ましたが、反りの有るレコードには良さそうです。
SPUからは力強い音が出ていました。
<VT62 MONOx2 & ATC(38cm 3way)></span>
今回の目的のひとつであるトリタン球に興味を持って聴かせて頂いたのですが、KT150を聴いた後だったので、パワー負けしたのか?、スカスカの音に聴こえてしまいました(言い過ぎかも知れません、失礼)。
VT62パラシングルでは、ATCのドライブは苦しいかも知れません。私のL26の様なJBLの軽いコーンなら良いかも知れません。
一時期はトリタン球キットの購入も考えていましたが、一旦見合わせる事にしました。
参考になり、また散財しなくて助かりました。
やっぱり、オーディオは自分の耳で聴いてみる事が一番ですね。百聞は一聴に如かず?ですね。
<PCオーディオ>
Raspberry(ラズパイ) + ES9038 + XDDC
私が持ち込んだ「ES9018 DAC + XMOS」と比較しましたが、ES9038の方が解像度が高い、音数が多い様に感じました。
EDさんが、「DACそのものよりもライントランスとVishay抵抗の影響が大きいのでは?」と説明されていましたが、確かにそうかも知れません。
私のfoobar2000 Up sampling 44.1kHz→192kHzも健闘していたと思います(笑)。
他の方が実行されたUp samplingは、音が良くなかったとの事でしたので、帰宅後、再テストしてみましたが、Up sampling時の音質は、PCの能力により差が出るのかも知れません。
EDさん使用のプレーヤー・ソフトは、何だったのでしょうか? 聞いたかも知れませんが忘れてしまいました。
<AC供給電源>
巨大なアイソレーション・トランスの使用されておられました。参考になりました。
私も検討したいと思います。
<その他>
仲間が持ち込んだLUX KMQ60 50CA10をその場での点検して頂き有難うございました。
問題の個所が簡単に見つかり、修理が出来て良かったです。
また、所有されている真空管やカップリング・コンデンサの紹介、そしてその音質傾向についても貴重な話を聞かせて頂き有難う御座いました。同感のところもありましたが、今後の参考にさせて頂きます。
内容盛り沢山で、13時から18時頃までの長居になってしまいました。
EDさん、忙しい中、充実した時間を過ごさせて頂き、有難うございました。色々と勉強になりました。
これからも、よろしくお願いします。
この度の大雨は、岡山も大変だったそうですが、各地で被害にあわれた方々に、心よりお見舞い申し上げます。