やはりプリアンプが必要なので、今のプリアンプのラインアンプ部を回路構成から再検討し改造してみようと思う。
前の投稿で書いた様に、ラインアンプを通さないでパワーアンプ直結にすると音がスッキリするので、このラインアンプは改良の余地がありそう。
現行E80F + 12AU7(ECC802S)では、定常的なホワイトノイズも気になります。
このノイズの原因は初段のE80Fの所為かと疑っています。
それに、この球自体、私には使い方が難しくて上手く動作出来ているか?気になっている。
ネットや本を調べても、使用例がほとんど無い。
現回路路図は以下です。
※ヒーターバイアスを40V程度掛けています。
そこで、初段E80Fをやめて、単純な12AU7 1本でラインアンプを構成してみた。
構成は、前段直結のカソード出力回路です。出力から初段グリッドへ軽くNFBを掛けています。
実際に製作した回路図が以下です。
使用した球は、なんちゃってテレフンケン(ダイヤマーク無し)のECC82ですが、このラインアンプを通して聴いてみると、真空管らしく芳醇では有るのですが、音像がぼやけて締まりがない音です。音に切れがありません。
これは私の好みでは有りません。直熱3極管シングルパワーアンプの音に馴れた所為か余計にその様に感じます。
球を「TESLA E802CC」に交換してみましたが、やはりスッキリしない音。もっさりとした音です。
次に、邪道ですが「ECC81/12AT7」に交換してみた。
元気は出ましたがゲインが高すぎて煩い。少し発振気味に聴こえる。
そこで、これで駄目なら諦めようと、虎の子の「MULLARD(ムラード) CV4003 BOX PLATE」に交換。
これは良かった!!! 今迄の音は何だったのか?と思わせる。
音に艶が有り低域から高域からまで良く伸びている。適度に締まりも有り分解能も良い。
やっぱり、良い物は、良い音を奏でます。
この球、今では「1万円/本」くらいするのですね。勿体な。。。
製造ロットナンバーもエッチングされているので、正真正銘の本物でしょう。
しかし、この「MULLARD(ムラード) CV4003 BOX PLATE」は、マニア間では評価が高いのですが、私は今まで「Mclntosh 275」などに使ってみましたが、音が柔らかくなりすぎて良いと思った事は有りませんでした。
しかし今回の回路ではそんな事は感じません。やっぱり回路次第、使い方次第なのでしょうか。
この回路は、球の個性がそのまま音質に現れる様です。
真空管は、同じ特性のものなら何でも良いと言う訳ではなく、由緒正しい素性の良い物を使わないといけないという事を実感しました。
この状態で暫く聴き込んだ後、次はECC88(6DJ8)で差動を組んでみようと思う。
構成は、ぺるけさんの差動ラインアンプです。
差動アンプの音の良さは過去にも経験済ですが、このぺるけ方式は一度実験してみたかった回路です。
すでに回路図は出来上がっているのですが、いざ部品手配をしようと思ったら、いつもネット注文しているパーツ屋が、「従業員にコロナ感染者が出たので、急遽お盆までお休み」となってしまった。都内の感染者が急増していて、こんな所にも影響が。
別のパーツ屋さんに注文しても良いのですが、注文先をあまり拡げたくないので、お盆明けまで待つことに。
その間、他の改造に手をつけることにします。他にやる事はまだ沢山有ります。