久々に新しいシステムを購入!
随分とネットワーク・オーディオしようか、PCオーディオにしようかと悩んでるが、やっぱりマニアとして、ソフト・ハード面とも弄り甲斐があるのはPCオーディオかな?
今回購入したのは、ESS社の最新DAC ES9018S(米国)とXMOS社のUSB Audio2.0 Reference Design(英国)チップを搭載した強力なDACである。
購入に至った経緯は、あるオーディオ雑誌の今月号を読んでいたら、高級DAC、アンプ、SACD/CDプレーヤーには、このES9018Sが使われているではないか。
製品の特徴には、「評価の高いESS社のES9018を搭載」とか「DACには最新世代32bit型を採用」とか謳っている。そこら中の高級製品に紹介されている。XMOSの存在は、以前から知っていたが、ES9018は初めて目にした。
これは良さそうだと、さっそくWebで調査開始!。なにやらジッター低減回路もついて、かなり評判が良さそうだ。
内部ブロック図。この様な簡単なものしか公開されていない。出力は8ch。
このDACチップを使って自作までしているつわ者も居る。
私は自作するほど時間と根気が無い。しかし、直接DACとかアンプやCDPを買うのでは高いし、面白く無い。
と言うことで、いつも通り、eBayで手頃なものが無いか調査。
有りました!。Kitや完成品。その中で目を引いたのが、XMOSとES9018の最強の組み合わせ、トランスもデジタル、アナログ独立、使っている部品(Vishay、WIMAなど)も良さそう、しかもこの値段。$450。一般的に、このES9018を搭載したDAC製品は10万円オーバーだが、この価格で買えるならお得。買って試すには手頃で良い。
しかし、送料が高い。$50?。 見ると出品者は私と同じ地域に住んでるので、直接引き取りが出来ないか問い合わせ。答えは、直接工場にコンタクトしたら、もっと安く買えるという親切な回答。連絡先も教えてくれた。
結局、そこから直接購入した。送料は無料。
しかも、eBayに載せているのは、DSD対応とは書いていないが、DSD対応も出来る様になったので、そのVersionを送るという事だ。Lucky!
まずは、製品の紹介。
~~~~製品仕様~~~~
Features:
1. Update version ESS Technology Sabre Reference 32bit ES9018 dac chip
2. Two sealed high grade transformer deployed, one for digital, another for analog circuit.
3. XMOS 32bit USB receiver chip which is best performance asynchronous USB audio solution.
4. Discrete transistor based balanced analog output stage for extended dynamic and analog sound
5. Precision 100 steps digital volume control; from 0db to 99db attenuation, 1db per step
6. Vishay round SMD precision resistors and carefully chosen parts for best sound performance.
7. Professional circuit layout to get best circuit stability and great performance.
8. Aluminum housing, hair skin surface procession.
9. Digital Input: balanced Spdif AES/EBU port, RCA, Toslink Optical input and USB
10. Analog Output: balanced analog output via XLR port, single ended output via RCA port.
11. Dimension: 190 x 70 x 313 mm (W x H x D)
12. Both 110/120v and 220/240v version supported.
Digital Input Format Support:
Coaxial: 44.1、48、88.2、96、176.4、192 kHz
optical: 44.1、48、88.2、96、176.4、192 kHz
AES/EBU: 44.1、48、88.2、96、176.4、192 kHz
USB : 44.1、48、88.2、96、176.4、192、352.8、384 kHz
Analog Output:
RCA Output :2.5 Vrms @0dBFS
XLR Output :5 Vrms @0dBFS
Frequency :20-20K Hz +/-0.15dB
同梱として、XMOS USB Audio Driverが入っていた。
~~~~製品内部写真~~~~
○正面
ロックされていないと、この様になる。
ロックされると、こう。
○内部
厚手のアルミでしっかりした造り。
電源周り。形の良いトランスが2個。アナログ部とデジタル部独立。
斜めから。オーディオ用電解コンデンサを使用。
これがXMOS。
お馴染みのアルテラ(ALTERA) FPGA。
クロック群。
そして、これが噂のES9018S。現在、DACの最高峰と言われている。6,000円/個くらい?
アンプ回路周辺。WIMA、Vishayが使われている。スケルトン抵抗も。
入力部。USD、SPDIF、AES。デジタルノイズの廻り込みを防止するためにPulse Transが使われている。
この小さなICは何だろう?
出力部。BalanceとUnbalance。どの様な接続になっているかは、後で調べる必要あり。
但し、出力5Vrmsとなっているので、正規のUnbalanceなんだろう。
○背面。電源電圧の切り替えは、内部のスイッチで行う。
~~~~音質評価~~~~
1.SPDIF入力(Coaxial/Optical)
CDPやBDP、TV、AppleTVから入れてみた。
CDPは、44.1KHzのまま。アップサンプリングはされない。
普段はCDPでSRC 192KHz/24bitにアップサンプリングされた音を聴いているので、音の広がりが何か物足り無い。
AV系のBDP、TV、AppleTVは48KHz。今までのDAC Zeroよりは、ちょっと良い感じ。
2.USB
PCでいつも通り、foobar2000を使って192KHzにアップサンプリングしてDACに入れた。DACの表示も192KHz。
良い、なかなか良い。非常にクリアーで卒のない音。音の密度、情報量も多い。
でも、私のCDPからの直接出力のほうが、まだ勝っているな。
3.AES
まだ、試していない。
何やらWebの書き込みに依るとI2Sを直接入れると音が格段に良くなるらしい。
4.Unbalance出力
プリアンプが対応していないので試すことが出来ない。
また、このES9018にはデジタルフィルターを持っていて、"None","Sharp","Low"と切り替えられるが、Lowのほうが、フィルター効果が大きい(深い)らしい。私は"Low"にして使っている。
★いよいよ、ココからが本命!!!
~~~foobar2000を使ってDSDを試す~~~
foobar2000でDSD出力するのに、四苦八苦して、結局1日費やした。苦労したので設定方法を備忘録して残しておく。
○foobar2000にDSD用Componetsをインストールする。
0.その前に、ASIOを使うために
ASIO4ALLから"foo_output_asio"をインストールしておく必要がある。まだの場合はこちら↓。
http://www.asio4all.com/
1.3rd Party siteからfoo_input_sacd-0.6.5.zipをダウンロード。 こちら↓。
http://sourceforge.net/projects/sacddecoder/files/foo_input_sacd/
このzip fileを解凍して、その中の"ASIOProxyInstall.exe"を実行する。
foo_input_sacd
foo_dsd_asio
をインストールする。
2.Prefernces>Componentsのところで、install...のボタンを押して、"foo_out_asio","foo_input_sacd"をインストールする。
"foo_input_sacd"は、"foo_input_sacd-0.6.5.zip"を解凍した中にある。
3.Prefernces>Playback>output>ASIO Visual DevicesでASIO Driverで"foo_dsd_asio"をダブルクリック。
小さいウインドウが開く。
"Configure"ボタンを押す。すると下のウインドウが開く。
ここで、ASIO DriverはDAC指定のUSB Driverを選択。今回の場合、"TUSB ASIO Driver"を選択。
PCMtoDSD Method--ここは、PCMをDSDに変換する場合、SDM A~Dを選ぶ。SMDの選択によって若干音が変わるみたい。デジタルフィルタ?。(FP32)の意味は分らないが、32bit PC用?
尚、DSDネイティブ再生の場合は、"None"にする。
ここはDSD64で2.8MHz、DSD128で5.6MHz再生となる。が、私のテストでは、DSD128では"Buffer Length"を30,000msにしても「ブツブツ」ノイズが入った。PCの能力の問題か?
4.Prefernces>Tools>SACDを開き、"ASIO Driver Mode"を"DSD"にする。
"PCM Samplerate"はPCMに合わせ"44100"にしておいた。
5.Prefernces>Playback>outputでDeviceは"ASIO:foo_dsd_asio"を選択。
6.注意:
foobar2000標準の"Resampler"は"44100"に設定か使わない様にしておく。
Resamplerで例えば192000とかに設定しておくと、PCM→DSD変換が行われない。無音状態。
ここまでやって、やっと設定完了。PCM→DSD変換再生の準備が出来たことになる。
~~~いよいよ、音だし!!! ~~~
お待ちかね。いよいよ音だし。
まず、設定どおりにDSD出力されていることを確認。
う~ん、なるほど。DSD2.8MHzの音の印象は、PCMとは別世界のようだ。
音が前後上下左右とスピーカーの周り一帯に広がり、音空間が広く立体的。音質もデジタルっぽいトゲトゲしさがなく、角が取れて、凄くスムースな音だ。いつまでも聴いていても疲れない。もっと聴きたい。それにこの音は真空管にピッタリだ。まさに、アナログレコードを真空管アンプで再生する行為に近いのではないかなと思う。
最初、設定を見つけ出すのにかなり時間を費やしたが、出てきた音はその甲斐があった。
これをDSDネイティブ再生すると、どんな世界が待っているのだろう。いずれテストしてみたい。
いや~、デジタル技術は進歩している。 とうとうこんな時代が来たかと思わせる。
でも、目指す世界は、扱いやすいメディアやシステムで、如何に元のアナログの音に近づけるかには変わりないですね。
それに、Foobar2000もまだまだ奥が深い。
PS.
DSD再生が終わると、こうなるのは何故?だろう。176.4KHzって?
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(2015年8月10日追記)
この度、「DAC ES9018」のカテゴリーを新設しました。
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