はしり梅雨

2006-05-18 21:05:51 | Weblog
     青梅 (赤塚植物園)

 毎年の事ながら梅雨の前のこの時期はお天気が落ち着かない。
 梅雨になれば諦めてそれなりに外出も仕事も出来るのに。
 「雨に歌えば」なんて気分になれない。
 古来から日本人は「雨」をいろいろな表現で詠って楽しんでいる。

 さみだれのあまだればかり浮御堂   阿波野青畝
 雨脚のみな消えてゐる花大根     小林健水
 御降りや声はなやぎて巫女溜り    辻本しのぶ
 借景の山に日の射す片時雨      塚本武史
 小糠雨芝生を濡らす針供養      小暮信泉
 五月雨や鉄の匂ひの歩道橋      下山宏子
 木曾ぶりの軒灯濡らす小夜時雨    栗原政子
 山雨来ておはぐろ蜻蛉見失ふ     東海林高絵
 春雷の華やぎ慈雨を残し去り     国安こぎみ
 山の音山に返へしぬ時雨くる     戸島とし子
 現世は篠つく雨や花御堂       西井静子
 秋霖の草に来てゐる闇のあり     吉原有司
 鷹白し春の驟雨の過ぐるまで     進藤一考 


**昭和59年6月赤馬句会報**

    六月の空を映して暗き湖    湯浅辰巳
    六月の勝鬨橋の虹割れる    田中茶能行
    釣り人の景に加はるはたた神  大政我人
    張り板にみなれしきぬや更衣  冬木一幸
    ばらの香を入れて久しき針仕事 田中ツル
    供華一花泰山木を得てうれし  尾畑ちよ 
    雨雲がさらに荷となり麦車   宇佐美寛歩
    裏木戸は開かずの錠や著莪の花 谷矢須子
    郭公に勇気づけらる野良仕事  田中雅子
    万緑に睦む馬上の軍神     宇佐美野仏
      
コメント (2)
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