5月 21日

2011-05-20 23:50:00 | Weblog
            ( 京鹿子 )

京鹿子阿騎野の山の雨上り           国枝隆生


落人の裔の藁屋の京鹿子            佐藤至朗


京鹿子活けて銀座の鳩居堂           立脇操


日が差せば命のいろに京鹿子          小松崎爽青





京鹿子にとても似ていますがこちらは 下野草(しもつけ)

下野草雲の中よりリフト現る          加藤耕子


駒ヶ根や下野草の紅烟る            原口洋子


病院の味みなうすししもつけ草         阿部みどり女



    夫婦鹿や毛に毛が揃うて毛むづかし

この句の作者は誰だとおもいますか?
実は芭蕉の句です。初期の「貝にほひ」「虚栗」あたりではこんな駄洒落とか
利口とかの句を詠んでをりました。まさに談林の影響を受けていたと思われます
「この道に古人なし」これは芭蕉の有名な言葉としてあります
「古人の跡を求めず,古人の求めたるところを求めよ」という言葉です
古人の跡を求めれば類想類句の山となります、古人の求めたるところは
きっと詩歌の単純な美だったのかも知れません。
と書いたこの文章も多くは「俳句のこころ」(阿波野青畝)の受け売りですが・・・
先人の俳話を実証してゆくのも実作者の楽しみのひとつとしています



 伊吹嶺5月号 遠峰集より 


日脚伸ぶ病状互ひに語り合ひ
病棟の屋上庭園蔦芽吹く
香り濃し封書で届く梅一枝
花ミモザそよぐ下道退院す
姉よりの退院祝ひの菜飯かな         谷口千賀子



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5月 20日

2011-05-20 00:09:20 | Weblog
            ( 十薬・どくだみ )

借りている駐車場の裏の叢にどくだみが咲き出しました 初夏から梅雨へ確かな季節の
移ろいを感じる頃です
来る22日は栗田やすし先生の「流燈会われも流るる舟にゐて」の句碑除幕式、ころころも
出席いたします 初めての体験にいまから少し興奮気味です



十薬の匂ひに慣れて島の道           稲畑汀子


うしろ手を解き十薬に親しみぬ         岡本眸


陽かげれば十薬の白光り出す          市野沢弘子


十薬の花咲きたてや草の中           星野立子




八重どくだみ

どくだみを引けば艮薄曇り            蓬田紀枝子


どくだみを日影に干して母のこと         寺田順子



 伊吹嶺5月号 遠峰集より 


春宵や身に馴染みたる伊予絣
早春の水に晒せり幟旗
底冷えの部屋の長押に火縄銃
遮断機を潜りて行けり恋の猫
みちのくのこけし工房目貼剥ぐ         伊藤旅遊






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