1月 21日

2024-01-21 06:16:40 | Weblog
                             冬の雨・寒の雨



          金沢に来て菓子買ふや冬の雨        細見綾子


          ほの白く鯉の背にじむ寒の雨        河原地英武


          江戸独楽の赤艶めけり冬の雨        福田邦子


          冬の雨白木艶めく大嘗宮          太田滋子


          入院の長びく知らせ冬の雨         長谷川郁代


          結びたるみくじに冬の雨伝ふ        関根切子




                



                



          帰る人泊つ人冬の雨の駅          稲畑汀子


          寒の雨リフト開きて乗り降りなし      岡本 眸


          奴隷小屋ありし大地に冬の雨        仙田洋子


          俥屋の使いはしりや冬の雨         星野立子


          湯ぼてりの人とゆきあふ寒の雨       桂 信子


          三越で番傘買ひぬ冬の雨          大場白水郎




                



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1月 20日

2024-01-20 06:12:35 | Weblog
                               大寒



             二十四節気のうち一つ・この頃が一年のうちで一番寒いといわれる、また期間を指す言葉でもあり節分
             (二月三日)までをいう
             しじみは一年中出回っていますが、旬は1~2月と8月で、1~2月は「寒しじみ」と呼ばれます。
             寒しじみは栄養豊富で、肝臓機能と歯や骨の強化、貧血予防等の効果があるそうです。また大寒の日に
             生まれた卵、通称「大寒卵」を食べると運気が上がると言われています。



                



          大寒や頭のかゆき中学生             沢木欣一


          大寒や指跡しかと血天井             国枝隆生


          大寒の空張りつめて音もなし           下里美恵子


          大寒や火伏札貼る消防車             関根切子


          大寒の陽を一身に慈母観音            武藤光晴


          大寒の帳場に匂ふ青畳              武田稜子




                



          大寒の入日野の池を見失ふ            水原秋櫻子


          大寒の鍋釜伏せて静かな夜            菖蒲あや


          大寒やなだれて胸にひゞく曲           石田波郷


          大寒や杜氏の白衣吊れる釘            辻 桃子


          大寒の明日へきちんと枕置く           岡本 眸


          大寒の一戸もかくれなき故郷           飯田龍太




                




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1月 19日

2024-01-19 06:02:08 | Weblog
                      早梅・冬の梅・梅早し・探梅・梅探る



          早梅やくちびる朱き童女仏            沢木欣一


          探梅や峠の茶屋は板戸閉づ            栗田やすし


          探梅行まぶしき湖につき当たる          下里美恵子


          早梅や土塁急なる城の跡             金田義子


          早梅の枝触れ合へる切通し            関根近子


          たもとほる土橋石橋梅探ぐる           ころころ





                



                



          早梅の発止発止と咲きにけり           福永耕二


          わが胸にすむ人ひとり冬の梅           久保田万太郎


          早梅し眠りて赤子昼湯浴ぶ            秋元不死男


          冬の梅つかはず古りしわが袱紗          能村登四郎


          探梅の墳の道またゆきどまり           小澤満佐子


          梅早き伊豆の出会ひを重ねたる          稲畑汀子




                



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1月 18日

2024-01-18 06:19:12 | Weblog
                     冬蝶・冬の蝶・凍蝶・蝶凍つる・越年蝶




          芥焼く煙のなかの冬の蝶          沢木欣一


          越冬の蝶の乱舞や御嶽口          栗田やすし


          地下壕を出れば真白き冬の蝶        斎藤真人


          六道の辻に冬蝶見失ふ           横井美音


          草の葉と一枚になり冬の蝶         中川幸子


          紙切れのごとき籬の冬の蝶         清水弓月




                



                



          旅立つや冬蝶たたす妻の影         秋元不死男


          アスファルトに死す冬の蝶乾ききり     大高 翔


          心臓を押さえた形に冬の蝶         宇多喜代子


          たかだかと冬蝶は日にくだけたる      夏井いつき


          凍蝶にかゞみ疲れて立上る         星野立子


          凍蝶の金箔褪せし日の光り         加藤三七子




                



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1月 17日

2024-01-17 06:30:43 | Weblog
                   紙漉・寒漉・楮(三椏)蒸す・楮晒す・紙漉女




                



          紙漉くや小学校と谷距て          沢木欣一


          峡晴れて楮選る水かがやけり        栗田やすし


          寒漉きの紙の白さを眩しめり        宇野美智子


          松枯れの薪どんとくべ楮蒸す        中斎ゆうこ


          桶の湯に手を温めては紙漉けり       山崎文江


          粗壁に水陽炎や楮選る           都合ナルミ




                



                



          百漉けば百の祈りや紙漉女         林 翔


          漉く紙のまだ紙でなく水でなく       正木ゆう子 


          紙漉の裾より寒さひろがりぬ        石田あき子


          妊りて紙漉く乳房冷々と          井筒紀久枝


          火の神の棚に湯気上げ楮蒸す        皆川盤水


          大いなる日めくり紙漉女の上に       辻 桃子




                



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1月 16日

2024-01-16 05:56:11 | Weblog
                          寒月・月冴ゆる・冬の月



             寒月 厳寒の空にさえざえとある月 俳句的には
             「寒中(二十四節気の小寒(1月6日)から立春(2月4日)までの期間)」の月のことを詠みます




                



          寒月が鵜川の底の石照らす         栗田やすし


          祭壇のごとき山嶺月冴ゆる         河原地英武


          ジャズ聴いて寒月白く更けゆけり      矢野孝子


          寒月や起重機腕を上げしまま        関根切子


          冬の月大利根川は黒き帯          武藤光晴


          月冴ゆるばかり保線の事故調査       橋本ジュン




                



          寒月にそそり立ち折れ波頭         星野立子
      

          冬の月黒き木仏木に戻り          宇多喜代子


          同じ湯にしづみて寒の月明り        飯田龍太


          長安の糸より細き冬の月          有馬朗人


          寒月に大いに怒る轍あり          秋元不死男


          これやこの冬三日月の鋭きひかり      久保田万太郎




                



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1月 15日

2024-01-15 06:04:57 | Weblog
                       女正月・小正月・望正月・十五日正月



             1月1日の大正月に対して,1月15日を中心にした数日をいい農耕に関する様々な予祝・年占(としうら)
             の行事や,鳥追い・どんど焼き・なまはげなどの行事が行われる。二番正月
             小豆の入った粥に餅を入れて食べる小豆粥(あずきがゆ)は、僅かな小正月の習慣の名残です




                  



          夜をこめて大根を煮る小正月        細見綾子


          地下街にシャネルの匂ひ女正月       河原地英武


          真つ白に百合根を煮上げ女正月       矢野孝子


          舌を出す地蔵おはせり小正月        長谷川郁代


          古里の土間でこぼこや女正月        伊藤範子


          持ち寄りて漬け物旨し女正月        松原 香




                  



          売薬の風船つけり女正月          沢木欣一


          女正月和服まとはぬこと久し        横山房子


          湯上がりの爪の手入や小正月        鈴木真砂女


          悪口もおのろけのうち女正月        深沢暁子


          豆源の豆菓子ありて小正月         鈴木しげを


          鍋に火を入れて人待つ女正月        古舘曹人




                  



             なまはげ
             秋田県男鹿半島の各地で12月31日(もとは旧正月15日)の夜行われる行事。大きな包丁を下げた鬼が
             家々を訪れ,なまけ者をこらしめる。大声で子どもをおどすが,家の主人は正装して迎え,酒食
             などのもてなしをする。祝福をもたらす神が春の初めに来訪するという信仰から生じた行事とされる
             小正月の訪問者



          厚き手を膝になまはげ畏まる        長江克江


          なまはげの雄叫び上ぐる表木戸       近藤めぐみ


          なまはげの面ずり上げてビール呑む     益田しげる


          海吠えを真似てなまはげ来りけり      木内彰志


          なまぬるき夜風なまはげ去りしあと     大畑善昭


          なまはげを襖のかげで見る子かな      中村苑子




                  



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1月 14日

2024-01-14 06:26:29 | Weblog
                              寒九の水



             寒中の水は薬になると言い、寒に入って九日目の水を寒九の水、ことさら服薬に効果が有ると言います



          寒の水念ずるやうにのみにけり       細見綾子


          旅三日終へて寒九の水旨し         都合ナルミ


          指で溶く絵の具の皿に寒の水        鈴木紀代


          甲板を洗ふ寒九の海の水          中野一灯


          供へ餅寒九の水に沈めたり         関根近子


          寒九の水甕の目高に注ぎやる        武藤光晴




                  



                  



          花絶えし壺拭き浄む寒の水         林 翔


          のんですぐ背骨つらぬく寒の水       角川春樹


          包丁の先より垂るる寒の水         加藤耕子


          寒の水ごくごく飲んで畑に去る       飯田龍太

    
          寒の水不動明王浴び給ふ          小川千代


          含嗽して舌の根甘し寒の水         石塚友二




                  



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1月 13日

2024-01-13 06:18:18 | Weblog
                            冬苺・寒苺



             本州関東以西から九州に分布するバラ科の常緑つる性低木で
             果実が冬に熟すため、冬の木苺という意味でその名が付けられました




                  



          山歯朶に添へたる赤き冬苺         細見綾子


          春雷句碑蔓ごと供ふ冬苺          栗田やすし


          裏山に轟く沢や冬苺            矢野愛乃


          シャンパンに沈めて赫き冬苺        高柳杜士


          冬苺一粒づつに日のぬくみ         牧 啓子


          いつまでも白き便箋冬苺          渡辺慢房




                 



          波荒れてゆらぐ利島や冬苺         水原秋櫻子


          寒いちご親子四人の匙の音         福永みち子


          冬苺つまむ小さき指ゑくぼ         中村ふみ


          日の力落ちし小藪に冬いちご        神田 岩魚


          思ひつつ草にかがめば寒苺         杉田久女


          冬苺引けば枯山やや動く          野沢節子




                  


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1月 12日

2024-01-12 06:33:56 | Weblog
                            鰤・寒鰤・鰤揚げ場



             最近では「夏が旬」とうたうブリのブランドも登場しているが、天然の大物、ブリが美味しくなる
             旬の時期はたっぷりと脂を蓄え南下する12月~2月の冬が旬。 この時期のものは「寒ブリ」と呼ばれ
             非常に人気が高い。 この時期は主に日本海側で沢山穫れ、太平洋側では少し遅れ2~3月に多く
             水揚げされる。
             能登半島地震の被害が大きい富山県氷見市の氷見魚市場で5日朝、1日遅れとなる「初競り」があり
             ブランド魚「ひみ寒ぶり」が約1800本水揚げされました
             




                  



          鰤あげ場提灯をどる男の肩         細見綾子


          水槽にゐて寒鰤のあらはなり        栗田やすし


          寒鰤や北陸日和はやくづれ         石原筑波


          三尺の鰤熨斗つけて売られをり       市原美幸


          寒鰤を捌き汐の香広ごれり         武藤光晴


          目玉まで食べ尽したり寒の鰤        篠田法子




                  



          寒鰤や飛騨を越え来し塩こぼす       中澤康人


          酒すすむ氷見の寒鰤刺身かな        山口耕堂


          寒鰤に一句授る魚市場           鈴木真砂女


          日の柱立つ寒鰤の定置網          神蔵 器


          二三言言ひて寒鰤置いてゆく        能村登四郎


          糶落ちし寒鰤を引く手際かな        新鞍かほる




                  



          舌先にさぐる小骨や鰤大根         中野一灯


          風音の雨に変はりし鰤大根         梅田 葵


          鰤大根沖まで晴れて日本海         梶山千鶴子


          文芸とは飲むことなりし鰤大根       鈴木鷹夫


          鍋蓋に湯気ついてくる鰤大根        後閑達雄




                  



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