まず最初に・・・
今日はかなり長文になります心してどうぞ(笑)
本日はお昼頃にもブログの更新をしていますもしよろしかったら
こちらもご覧ください。
N村さん28日の最終日にお越しになりますのでいくつかでも修理をしておかなければなりませんね。
この方がいらっしゃる時は手ぶらではいらっしゃらないので・・・(また修理希望の物を持ち込まれるという事ですよ)
現在お預かりしているのが4点です
まずは簡単な方から片付けちゃいましょう。
この日立の建設機械ですね。
このバケットをボディと同色にして欲しいという事ですね
マスキングして塗直しも考えましたが・・・やはり外した方が綺麗になります。
ピンを2本外せば良いのですが・・・良く見て外す必要が有るのです
このピンは向きが有るのですよね。
多分片側は差し込んであるシャフトに抜け止めの加工がして有りますから叩く方向が有るのです
下側に木片を当てておきましてポンチを使って叩きます。
木片を当てているのはアームの部分に余計な力を掛けない様にですね。
ダイキャストなので折れますと修復が出来ません。
2本のピンを抜いてバケットが外れました。
ピンを良く見ますと抜け止めの片側だけギザギザが切ってありますよね。
逆に抜くと抜けなくなってしまいますからね、ここは大事な所です。
オレンジで塗りますので一応下地がブラックでは発色が良くないでしょうね・・・と言う事でサフを塗っておきましょう。
これで下地の状態も確認出来ますので一石二鳥です。
オレンジ色を塗ってみました
このオレンジ色はN村さんから日立建機用の補修用スプレーをお預かりしていますのでそれで塗っています。
ミニカーの色とも全く色ズレが無いのでここは楽が出来ますね〜。
補修用の塗料は艶が少なめなので他の部分と揃える為にウレタンクリアーを塗っておきました。
これでボディと艶具合が揃うかな〜。
そして完成です・・・
(本当は塗装が乾くまでの時間とか合間に作業をしておりますので作業の順番は違います・・・ブログにした場合に一連の作業でご覧頂いた方が見やすいと判断して修理品ごとに書かせて頂いております。)
次はこちらです・・・Fordのピックアップトラック
何故かドアに傷が付いています
フロントのバンパーも1/3程折れてなくなっていますね〜。
バンパーの修理とドアのタッチアップの為に分解します
シャーシがプラスチックですしそんなに古いタイプのミニカーではないみたいですね。
古い物だとシャーシまでダイキャストなんですよね
無くなってしまったバンパーを作りましょう
プラスチック製なのですが接着剤で付けた位ではまたすぐに折れてしまうでしょうし・・・
バンパーですから強度も必要でしょう・・・(笑)
1.0mmの真鍮のピンを2本入れておきます
これくらい強度が有ればアメリカ的にバンパーを押して駐車しても壊れないでしょう。
無くなってしまった部分は反対側を計測しますと厚みが1.8mm程なので2.0mmのプラ板を切った物です。
少し大きめに切っておいて削り合わせるのです。
ついでに厚みも調整する事になります。
残っている反対側のバンパーを反転させる様な形状に削ります
このバンパー真っすぐじゃなくて少し後に斜めになっています・・・
真上から見た時に目立つので同じ様に斜めにしています。
継ぎ目は微妙な凹凸が出ます
またピンホールも出るかもしれませんのでグレージングパテを塗って整形ですね
パテが硬化するまでに色合わせをしておきます
と言うのもドアを塗らなければならないからです
白系の色は少し明るめにしておきます
と言うのも経験上(理由は知らないです)硬化した時に少し濃くなる傾向が有るからなんですね〜
使う塗料はウレタンカラーです
黄色とほんの僅か赤そして黒を使っています・・・比率は?です(笑)
何故ウレタンを使ったのか・・・
理由がこの画像にあるのですよ
このミニカー多分中国製じゃ無いかと表面が凸凹なんですよね
ドアだけツルッとした塗装になりますと結構目立ちます。
「ここだけ事故して直したな!?」って感じになってしまうので凸凹で塗らなければならないのです。
粘度の高いウレタン塗料で塗りますとなるべく同じ様な凸凹が再現出来る・・・かもしれないと思ったんですね。
いつもは綺麗に塗る事しか考えていないので少々難しい・・・。
ちょっと違いますね〜
凸凹が少し大きい・・・
結局この後塗料が乾いてからもう一度塗り直しました・・・結果まあまあかな〜と言うレベルに出来ました。
凹凸まで揃えるのはなかなか難しい・・・再塗装の時の工料を少し上げないといけませんね〜(笑)
バンパーのグレージングパテが硬化しましたので研磨して平面を出しました
そして今度はまたパテを盛ります
このバンパーですがパーティングライン(金型の合わせ目の部分で溝に樹脂が入り込んだ段差)を消してないままにメッキをかけていますが作リ直した部分にはパーティングラインがないのでパーティングラインも作って置きます
この様にマスキングテープを貼っておいてこの際の部分にもう一度パテを盛ります。
マスキングテープを貼る時に元々の方のバンパーを良く観察して上側が膨らんでいるのかそれとも下側が膨らんでいるのかよく観察しましょう。
パテを盛ったらマスキングテープはすぐに剥がします
パテが柔らかいうちに剥がさないとテープとパテの際の部分がガタガタになってしまいます、スムーズなラインが欲しければ硬化前に剥がします。
パテが硬化するまでにまた他の作業をしておきます
先ほど塗料を調色しましたのでボディのあちこちに有る傷をタッチアップしておきます
例えば荷台の縁の部分です・・・
黒く見えているのが剥げている部分ですね。
タッチアップしただけで傷が見えなくなりましたね〜
スッキリしました(笑)
パテが硬化しましたので研ぎます
研ぐ時もまたマスキングテープを貼ります
理由はこのパテの段差が無くなりますと意味が無いからなのです、この段がパーティングラインなのですからね。
下地になるウレタンクリアーを塗りました
このウレタンクリアーが完全に硬化するまでメッキ調の塗装は塗る事が出来ません・・・ここからは時間との勝負ですね。
トラックのドアを取付けました
ついでにドアハンドルにチープな感じにシルバーを塗装しています
最初からこんな感じになっていますから・・・その風合いを生かしてね。
ウレタンが完全に硬化しましたのでメッキ塗装をしましたが・・・う〜ん今一歩かな!?
もう一度やり直しましょう・・・回り道ですね。
そしてやり直して組立てて・・・時間はかかりましたが何とか完成!!
次はブリキのキャデラックです
補修塗装がご依頼なのですが・・・分解したタイミングでキャンセルの電話が入りました(笑)
コクピットの中にこんな綿ゴミが丸まって入っていましたこの何十年もの間に溜まったゴミなんでしょうね〜せっかく分解したので掃除だけして再組立てをしておきました。
まだ終わらないですよ〜
次ですがオートアートのメルセデスベンツ280SEですね
このミニカーは随分前に
(2016年12月頃のブログに書かれていますね)塗り直した事が有ります。
今回は全塗装ではなく一部部分の手直しという事です。
と言うのも・・・ルーフのマルーンの部分の塗装が割れているのです。
写真に写してもよくわからないのですが・・・
前回の塗り替えの時の個体ではこんな割れは無かったのでこの個体独特の物ではないかと思われます。
補修の方法を考えます
一番簡単なのは上にウレタンクリアーを塗って研ぐという方法ですが・・・
まずはテストします水に中性洗剤を入れた物を少し作りましてボディの上に乗せてみますこれで亀裂が見えなくなればクリアーコートで押さえ込めるのです
が・・・見えますね。
と言うのもこのミニカーの塗装はホワイトのボディカラーを塗ってその上にマルーンを塗っています
ホワイトの塗料は割れていませんのでこのマルーンが何らかの理由で割れているという事・・・つまり割れた部分に下地のホワイトが見えている可能性が高いという事ですね。
この時点でルーフの塗り替えが決定です(費用にして1.3〜1.5万円位かな〜)
まずさいしょに行なうのが屋根の塗料を調色します
削ってなくなってしまったら作れませんからね〜(笑)
下の塗料の質がよくわからないのでこれはラッカー塗料にしています。
全体にペーパーをかけて出来るだけマルーンの塗色を落とします
削ったらその削りカスはいきなりマルーンだったのでクリアーは塗られていないみたいですね。
削ってゆくと亀裂が下まで届いている部分はほんの僅かですね〜。(削った部分の写真を撮り忘れていました)
次に調色した塗料を塗りました。
そして乾燥機の中で乾燥させて十分乾きましたからウレタンクリアーを塗りました。
これで亀裂が出なければ大丈夫と思いますが・・・硬化するまではわかりません。
一度硬化すればウレタンは強いですから大丈夫と思います。
ウレタンクリアーが硬化しましたので2000番のペーパーで研ぎました
クリアーを研いでいますからその削りカスは白いものになります
最終的に8000番のペーパーで研いでここまで艶が回復して居ます・・・
まあツヤツヤとは決して言えませんが・・・
最終的にはコンパウンドを使ってピカピカに磨きます
3Mのウルトラフィニッシュで磨きますとこんなに綺麗になります
ルーフの塗装はこれで完成ですね
・・・しかしながら完全に完成とは言えないのですよね
旋盤でまた訳のわからない部品を削って居ますね
実はこれってラジエターのキャップの上についているスリーポインテドスターのエンブレムを作っているのですよね
実はこの部品が無くなっているんですよ。
フライスと割り出し円テーブルを使って削っています三分割して削って居ます
削った部品からさらにヤスリで整形します
バフをかけてピカピカに磨きます
次に周囲の丸い枠を旋盤で削ります
枠だけを見ますとこんな感じです
外径は4.9mm内径が4.5mmですね〜
中央のスリーポイントとリングをハンダつけします
最低限のハンダでハンダ付けをしますのでなかなか難しいですよ。
最終的に取り付けの足をはんだつけします
当然ながら取り付けの足がないとつけられないのですよね。
まあグリルのシンボルも普通ならエッチングで正確に作るのですが
エッチングでは断面の三角形は再現できないのですよね〜
手作りでいい加減な形状のものが良いのかすっきりしているけど立体感のないものが良いのか・・・
まあ個人の自由ですからね〜
一応この部品を取り付けておきます
明日で実店舗の方は今年の営業を終了します
まあ毎日仕事には出て居ますし普段と同じく製作もブログの更新もする予定です
最後まできちんと頑張らないとね〜
やっている価値がないのですよね