踊る小児科医のblog

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青森県の性感染症とエイズのホームページで強調されていないこと

2005年06月29日 | こども・小児科
久しぶりに県のホームページをアクセスしてみたら、

青森県"STOP STD"(ストップ・性感染症)ホームページ
http://www.pref.aomori.jp/std/
なるページが6月15日に開設されていました。

内容的には一般向けに必要な知識が一通り書かれているので、是非ご覧いただきたいと思います。

「STDと言えば聞こえのいいような錯覚をもちますが、気をつけないと恐ろしい病気です」
STDって聞こえがいいかな。知らない人が聞いたらそう感じる人もいるかもしれないけど、なんかヘン。

性感染症(STD)ってどんな病気なんだろう?のページに「エイズも性感染症(STD)の一種です」と書かれているのに、そのエイズに関しての記載がありません。おかしいなと思ってあちこちみてまわったら、

青森県 ” stop AIDS ” ホームページ
http://www.pref.aomori.jp/aids/
が、それよりも前の4月28日に開設されているということがわかりました。
いずれもメルマガなどには何も書かれていないし、全然知らんかったよ。
誰に知ってほしいのでしょうか。

http://www.pref.aomori.jp/aids/index6.htm
「保健所でのエイズ相談・検査は、匿名、無料で受けられます。エイズ検査を受けた方で、希望する場合には、性器クラミジア感染症、梅毒、肝炎の検査が匿名・無料で同時に受けることができます」
とのこと。

「エイズ相談、エイズ検査の実施状況」には平成11年度以降の相談件数と検査件数が書かれていますが、HIV陽性例数も書いてほしかった。

これまた探したところ、
http://www.pref.aomori.jp/aids/index4.htm を経由して、
http://www5.pref.aomori.jp/hoken/11548/cpub.html で、
「平成元年から平成16年までは1年間に0~5件の報告発生で推移していたところですが、平成17年では1月から3月までに既に5件の発生が報告されています」という深刻な増加傾向を知ることができます。

いろいろ開いていくうちに、肝腎なポイントがあまり強調されていないことに気づきました。

「性感染症(STD)は、早期発見・早期治療が大切です。「なんだかいつもと違うぞ」と感じたら、自分の症状を確認してください」と書かれているけど、問題は、エイズやクラミジアのように、感染していても何も症状がなくて、自分でも気づかないし疑いもしない、そしてお互いに感染を拡げあっているという事態であって、症状があるなら受診したり診断したりすることは難しくない。

「無症状なら治療しなくてもOKなの?」という項目には、「治療せずに放っておくと、重い症状を引き起こしたり、治療が困難になったりします」と書かれているけど、それももちろんあるけど、無症状で診察も治療もされずに世の中で感染源となって移しまくっている人がいっぱいいるということが、ほとんど強調されていない。

ちゃんと読んでいけば、無症状で経過して不妊になるとか一通りのことは書かれているのですが。。
これで最重要ポイントが伝わるかどうか、ちょっと不安。。