踊る小児科医のblog

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八戸の中学生の65%は喫煙家庭で育ってきた~アンケート調査より

2005年09月21日 | 禁煙・防煙
● 八戸の中学生の65%は喫煙家庭で育ってきた

 今年から数校ずつ、八戸市の中学校で全学年の喫煙率と家族や友人などの喫煙環境についてアンケート調査を実施しています。その結果については現在検討中なのですが、非常に興味深い、そして深刻なデータが判明してきています。その一部を、何回かに分けてご紹介したいと思います。

喫煙経験率(%)(これまで1本でもタバコを吸ったことがある子の割合)

   1年 2年 3年 合計
男子 7.2 13.4 10.7 10.5
女子 4.7 6.6  8.9  6.7
合計 5.9 9.8  9.9  8.6

 全体で1割弱の喫煙経験率で、過去の全国サンプル調査より低い値なのですが、中1の6%に喫煙経験があるということは重視すべきです。

家族の喫煙

 家族の中に喫煙者がいる生徒は全体の65.4%で、その内訳は、父51.4%、母22.4%、祖父9.3%、祖母2.9%、兄6.2%、姉3.3%、その他1.5%となっています。そして、喫煙家族のいない生徒の喫煙経験率が4.4%であるのに対し、喫煙家族のいる生徒では10.7%と大きな差がみられました。

 さらに、家族の誰が喫煙するかによる生徒の喫煙経験率の違いと、喫煙経験者の中で女子が占める割合を調べると、驚くべきデータが判明しました。

喫煙家族 喫煙経験率 女子の割合(%)
  なし  4.4    21.7
  あり  10.7   43.8

  父   9.0    40.6
  母   17.0   56.1

  父+母 14.2   56.7
  父のみ 7.0    28.2
  母のみ 21.8   55.6

  祖父  11.5   31.3
  祖母  22.7   40.4

  兄   20.4   52.6
  姉   24.5   58.3

 つまり、
 1) 父の喫煙よりも母の喫煙の方が子どもがタバコを吸い始める率が高い、
 2) 両親が二人とも吸うよりも母だけが吸う方が喫煙経験率が高い、
 3) 父母<祖父母<兄姉の順で喫煙経験率が高い、そして、
 4) 父より母、祖父より祖母、兄より姉が吸うと女子の割合が高くなっているのです。

 初回喫煙年齢、友人の影響、朝食との関係などについては来月号で。
(集計作業中のため禁無断転載)

(院内報9月号より)