踊る小児科医のblog

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絶対に起きてはならないプールの事故が再び…

2006年08月02日 | こども・小児科
#下記の青森県教委の回答について重大な疑義が判明しました。項目をあらためて追求することにします。(2006/8/9)

昨年の夏休み前に、プールの排水口対策が徹底されているか青森県教委へ質問して、その回答をこのブログに
青森県内の学校プールの排水口はすべて安全です(2005年07月26日)
として掲載しました。再掲すると、

「排水口の蓋を固定していない学校が7校、吸い込み防止金具を設置していない学校が3校」あったが「平成17年6月までに、問題のあった学校すべてにおいて、蓋の固定や吸い込み防止金具を設置した、プールの使用そのものを停止した等、危険防止を図った」とのことでした。

その中で、私のコメントとして「それぞれの都道府県で100%の対策を徹底させれば、プールの排水口に吸い込まれるなどという恐ろしい事故をなくすことができる」と書きましたが、その恐ろしい事故がまたしても繰り返されてしまった…。

ニュースを見ていて、怒りがこみ上げてきました。
この種の事故は、100%施設管理側の責任であり、絶対に起きてはならないし、対策によって「全て」防げるはずです。
非常に簡単な対策を、全てのプールで実施する。
それだけのことが何故できないのか。
(できない施設は決して稼働させてはいけない)

また、今回明らかになったのは、対策をとっていると称している施設であっても、点検・運用のミスや人為的な改変によって、事故が起こりうる。
上記の「青森県内の…すべて安全です」宣言は、あくまでその時点での情報に過ぎないし、現に県教委では今回の事故を受けて、
プールの安全管理徹底を/県教委(2006年8月1日東奥日報)
との指示を出しています。

繰り返しますが、重大事故というのは「フェイルセーフ」の対策をとっているはずのところで、一つの歯車が欠けた時に対応の誤りや人為的な改変などがドミノ式に重なり合って起こる。
その背景に隠れているのは人命よりも経済性を優先させる社会。
(今回の管理会社下請けやパロマ湯沸かし器事故、エレベーターや回転扉など)
まったくいつものパターンです。
失われたこの子の命は、決して帰ってきてくれません。悲しくも受け入れがたい現実。

蛇足ですが、報道ステーションでプール管理者の対策の不備などを厳しく指摘していましたが、スポンサーは自社製品の使用によって毎年10万人以上の犠牲者を出し続けているJT。そして、報道ステーションではタバコの害やJTの反社会的・犯罪的な販売広告活動について報道することは決してありません。これも現実。