踊る小児科医のblog

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インフルエンザの予防接種のご案内 2006-2007年版

2006年08月30日 | こども・小児科
 今年も冬の流行に備えて10月中旬からインフルエンザの予防接種を実施します。例年通り、小児には2回の接種が勧められています。

 インフルエンザは感染力が非常に強く合併症も多い感染症で、毎年のように小児の脳炎・脳症などによる死亡例が報告されています。
 最近の海外におけるSARSや鳥インフルエンザの流行、今年の不規則なインフルエンザの流行などもふまえて、インフルエンザの予防接種を皆さんにお勧めしております。
 SARSや鳥インフルエンザと普通のインフルエンザを症状だけで区別することはできず、インフルエンザの診断キットも100%の精度ではありません。また、SARSや鳥インフルエンザのワクチンはまだ開発中の段階です。
 私たちにできる対策は、個人防衛としてのインフルエンザの予防接種を進めることであり、WHOや厚生労働省でもハイリスク者を中心に多くの人への接種を呼びかけています。
 インフルエンザの予防接種は感染したときに発症を防ぐ効果は高くありませんが、入院や死亡などの重篤な合併症を減らすことが知られています。
 当院では今シーズンも昨年と同じ本数を確保してありますが、念のため早めの予約をお願いします。

 接種する場合は、なるべく年内に2回目が終わるようにスケジュールを組みましょう。流行が始まってから接種しても効果はあまり期待できません。

☆ なお、高齢者は公費(一部負担あり)で接種できますが、残念ながら子どもには補助はありません ☆

【1】任意接種 = 全額自費 … 0歳~64歳

● どんな人が接種した方がいいのか?

○ 生後6か月未満:積極的に接種を勧めているわけではなく、接種すれば抗体は上昇することがわかってきましたが、効果が十分確かめられているわけではありません。本人ではなく家族が予防接種を受ける方が防御効果は高いものと思われます。

○ 生後6か月以降:保育園に行っている子やハイリスク児を中心に、特別な問題がない限りどなたでも接種できます。
特に接種が勧められる方は、
・心臓病、腎臓病、呼吸器の病気(喘息を含む)などの慢性の病気がある方
・乳幼児および高齢者、家族に乳幼児や高齢者がいる方
・教師・保育士、医療・福祉関係者、警察・消防・自衛隊関係者など、流行時に社会的影響の大きい立場にある方

● 方法
・1歳未満:0.1ml 皮下注射 × 2回 (****円/回)☆
・1~5歳:0.2ml 皮下注射 × 2回 (****円/回)☆
・6~12歳 :0.3ml 皮下注射 × 2回 (****円/回)☆
・13~64歳:0.5ml 皮下注射 × 1回または2回 (****円/回)☆

(価格は案内パンフレットやHPには掲載しておりますが、ブログ版では省略させていただきます)

※2回接種する場合の接種間隔は1~4週間ですが、可能なら4週間あけて下さい。

☆ 同時接種割引について
 なるべく多くの方が受けやすくするために、2人以上の方が同時に接種する場合、それぞれの料金から500円ずつ割り引いております。一緒に予約して同じ日に接種していただければ、ご家族だけでなく、イトコやお友達同士でも構いません。

 なお、任意接種の料金は病院によって異なります(地域で価格を統一すると独禁法違反になります)。また「料金=ワクチンの価格」ではありません。コンビニでお菓子を売っているのとは違いますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

【2】予防接種法による高齢者への接種 … 10月~12月(予定)

● 対象
・65歳以上の方(希望者)
・60~64歳で、心臓、腎臓、呼吸器、HIVにより免疫機能に障害を有する方

● 方法
・0.5ml 皮下注射 × 1回(ウイルスの型に大きな変異がある場合は2回)

● 料金
・八戸市:自己負担は1,000円(残りは自治体から補助が出ます)

※慢性の病気で通院したり薬をのんでいる方は、かかりつけの内科医でご相談下さい。

くば小児科クリニック TEL 0178-32-1198