Facebookに限定公開で書きかけたことをまとめ直してみます。
新型コロナウイルス感染症 *1において、「小児の重症化は稀で死亡はゼロに近い」と推測されますが、現時点では必要な情報が全く不足しています。
毎日のニュースのほとんどは役に立たない。
必要なのは、年齢性別の死亡者数、あるいは重症者数。
感染者数というのは氷山の一角なので、それを分母にした致死率(2%)は目安に過ぎません。
(実際の感染者はおそらく10倍くらい)
政府、中国政府、WHOは、そういった情報をリアルタイムに収集し、発信すべき。*3 →中国4万例のデータが発表されたので追記しました。
できれば、数十例、数百例の小児の実際の臨床経過と治療、転帰などのまとめが欲しい。*2
この状況で、参考にすべき最大の経験は、2003年のSARSです。
同じコロナウイルスで、今回の新型コロナがSARSの致死率を上回ることはないはずなので、SARSの時の疫学的情報を目安にして判断することが可能。
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重症急性呼吸器症候群(SARS)に関するQ&A
2)疫学・サーベイランス
http://idsc.nih.go.jp/disease/sars/QA/QAver2-01b.html
「小児は報告例も少ないのですが、死亡者も報告されていません。この理由については現在研究対象となっており、まだ解明されていません。」
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やはり、子どもの死亡例はなかった。
このQ&Aで言及されている
「SARSの疫学に関する合意文書」
http://idsc.nih.go.jp/disease/sars/update101who.pdf
の該当ページのスクリーンショットを2枚掲載しておきます。
表3 致死率
香港では0-29歳はn=0ですから、死亡者だけでなく感染者(患者)もゼロだった。
中国本土では、高齢者ほど致死率は高く、20-29歳では0.9%で、0-19歳の情報がないのは、死亡者はゼロで感染者も少なかったのだろうと推測されます。
調査を必要とする特別な対象人口
「小児のSARS」
子ども→大人 2例
子ども→子ども 報告なし
香港で8人の子どもが同級生に感染を伝播した事実は全くない
広州市でも学校での感染伝播の証拠は何も見つからなかった
これらのSARSにおける情報と、現在までに新型コロナで小児の重症例や死亡例が伝えられていないことを合わせて考えると、冒頭の「小児の重症化は稀で死亡はゼロに近い」という推測は相当に根拠があるものと考えられます。(その理由はわかりませんが)
なお、高山義浩氏(感染症専門医)が2月16日にFacebookで公開した「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の臨床像について…」というまとめが大変参考になるので紹介しておきます。
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=2695806897139467&id=100001305489071
「いまだ、世代別の疫学報告はありませんが、私個人のざっくりとした印象で言うと・・・、若者の重症化率と致命率は、統計的に見れば、ほぼゼロ%でしょう。」
「なお、風邪症状に過ぎないのに新型コロナかどうかを確認するためだけに、救急外来を受診することは避けてください。」
と、ほぼ同様の見立てをしています。
メディアでも「高齢者や基礎疾患のある人は重症化しやすい」ということは伝えられていますが、じゃあ若者や子どもはどの程度なのかということは全く伝えられていません。
少なくとも、基礎疾患のない子どもが感染することについて、過度に心配する必要はなさそうです。
おそらく、子どもは感染しないのではなく、感染しても発症しないか、普通の風邪の経過で治っているのだろうと推測しています。
この点について、中国(特に武漢)で家族が感染したり死亡したような子どもでの情報が求められます。
(以下、追記しました)
*1 メディアだけでなく医学系のページでも「新型コロナウイルス(COVID-19)」という誤用が後を絶ちません。
「COVID-19」は新型コロナウイルス感染症(病名)の略称で、ウイルス名は「SARS-CoV-2」。
エイズAIDS(病名)とHIV(ウイルス名)を混同するような初歩的なミスですが、明らかに「COVID-19」という酷い命名が原因です。
ちなみに、
SARS → SARS-CoV(SARSコロナウイルス)
MERS → MERS-CoV(MERSコロナウイルス)
COVID-19 → SARS-CoV-2
COVID-19というのは「coronavirus disease」つまり「コロナウイルス感染症」という一般的情報に19がついただけの名称ですから、現在の感染・流行状況とはギャップがありすぎます。
あるいは、メディアがウイルス名に「SARS」が入っていることを意図的に隠している可能性もあります。
ウイルス名と病名の法則で考えれば「SARS 2」とするか、明らかな発生源である武漢(Wuhan)をとって「WARS」とすべきでしょう。
*2 乳児9例の報告が14日付けでJAMAに掲載されましたが、全例で家族内感染があるものの、「ICU・人工呼吸器・重度の合併症」いずれもゼロであり、症例数は少ないものの貴重なデータと言えます。
Novel Coronavirus Infection in Hospitalized Infants Under 1 Year of Age in China
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2761659
*3 中国における72314例(確定44672例)のまとめが発表になりました。残念ながら10代で1例の死亡がありますが、全体の傾向はSARSと同様です。別にまとめる予定です。
China CDC Weekly COVID-19.pdf
https://www.docdroid.net/XyuMmdb/china-cdc-weekly-covid-19.pdf
新型コロナウイルス感染症 *1において、「小児の重症化は稀で死亡はゼロに近い」と推測されますが、現時点では必要な情報が全く不足しています。
毎日のニュースのほとんどは役に立たない。
必要なのは、年齢性別の死亡者数、あるいは重症者数。
感染者数というのは氷山の一角なので、それを分母にした致死率(2%)は目安に過ぎません。
(実際の感染者はおそらく10倍くらい)
政府、中国政府、WHOは、そういった情報をリアルタイムに収集し、発信すべき。*3 →中国4万例のデータが発表されたので追記しました。
できれば、数十例、数百例の小児の実際の臨床経過と治療、転帰などのまとめが欲しい。*2
この状況で、参考にすべき最大の経験は、2003年のSARSです。
同じコロナウイルスで、今回の新型コロナがSARSの致死率を上回ることはないはずなので、SARSの時の疫学的情報を目安にして判断することが可能。
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重症急性呼吸器症候群(SARS)に関するQ&A
2)疫学・サーベイランス
http://idsc.nih.go.jp/disease/sars/QA/QAver2-01b.html
「小児は報告例も少ないのですが、死亡者も報告されていません。この理由については現在研究対象となっており、まだ解明されていません。」
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やはり、子どもの死亡例はなかった。
このQ&Aで言及されている
「SARSの疫学に関する合意文書」
http://idsc.nih.go.jp/disease/sars/update101who.pdf
の該当ページのスクリーンショットを2枚掲載しておきます。
表3 致死率
香港では0-29歳はn=0ですから、死亡者だけでなく感染者(患者)もゼロだった。
中国本土では、高齢者ほど致死率は高く、20-29歳では0.9%で、0-19歳の情報がないのは、死亡者はゼロで感染者も少なかったのだろうと推測されます。
調査を必要とする特別な対象人口
「小児のSARS」
子ども→大人 2例
子ども→子ども 報告なし
香港で8人の子どもが同級生に感染を伝播した事実は全くない
広州市でも学校での感染伝播の証拠は何も見つからなかった
これらのSARSにおける情報と、現在までに新型コロナで小児の重症例や死亡例が伝えられていないことを合わせて考えると、冒頭の「小児の重症化は稀で死亡はゼロに近い」という推測は相当に根拠があるものと考えられます。(その理由はわかりませんが)
なお、高山義浩氏(感染症専門医)が2月16日にFacebookで公開した「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の臨床像について…」というまとめが大変参考になるので紹介しておきます。
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=2695806897139467&id=100001305489071
「いまだ、世代別の疫学報告はありませんが、私個人のざっくりとした印象で言うと・・・、若者の重症化率と致命率は、統計的に見れば、ほぼゼロ%でしょう。」
「なお、風邪症状に過ぎないのに新型コロナかどうかを確認するためだけに、救急外来を受診することは避けてください。」
と、ほぼ同様の見立てをしています。
メディアでも「高齢者や基礎疾患のある人は重症化しやすい」ということは伝えられていますが、じゃあ若者や子どもはどの程度なのかということは全く伝えられていません。
少なくとも、基礎疾患のない子どもが感染することについて、過度に心配する必要はなさそうです。
おそらく、子どもは感染しないのではなく、感染しても発症しないか、普通の風邪の経過で治っているのだろうと推測しています。
この点について、中国(特に武漢)で家族が感染したり死亡したような子どもでの情報が求められます。
(以下、追記しました)
*1 メディアだけでなく医学系のページでも「新型コロナウイルス(COVID-19)」という誤用が後を絶ちません。
「COVID-19」は新型コロナウイルス感染症(病名)の略称で、ウイルス名は「SARS-CoV-2」。
エイズAIDS(病名)とHIV(ウイルス名)を混同するような初歩的なミスですが、明らかに「COVID-19」という酷い命名が原因です。
ちなみに、
SARS → SARS-CoV(SARSコロナウイルス)
MERS → MERS-CoV(MERSコロナウイルス)
COVID-19 → SARS-CoV-2
COVID-19というのは「coronavirus disease」つまり「コロナウイルス感染症」という一般的情報に19がついただけの名称ですから、現在の感染・流行状況とはギャップがありすぎます。
あるいは、メディアがウイルス名に「SARS」が入っていることを意図的に隠している可能性もあります。
ウイルス名と病名の法則で考えれば「SARS 2」とするか、明らかな発生源である武漢(Wuhan)をとって「WARS」とすべきでしょう。
*2 乳児9例の報告が14日付けでJAMAに掲載されましたが、全例で家族内感染があるものの、「ICU・人工呼吸器・重度の合併症」いずれもゼロであり、症例数は少ないものの貴重なデータと言えます。
Novel Coronavirus Infection in Hospitalized Infants Under 1 Year of Age in China
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2761659
*3 中国における72314例(確定44672例)のまとめが発表になりました。残念ながら10代で1例の死亡がありますが、全体の傾向はSARSと同様です。別にまとめる予定です。
China CDC Weekly COVID-19.pdf
https://www.docdroid.net/XyuMmdb/china-cdc-weekly-covid-19.pdf