前号の後に、熊本で幼児が1名日本脳炎を発症しました。脳炎は感染者の100~1000人に1人ですから、周辺では相当数の方が感染していたはずです。
日本脳炎はヒトからヒトには感染しないので、麻疹のように高い接種率を維持して流行を防ぐのではなく、個人防衛が目的となります。また、青森県から一歩も外に出ないのであれば、感染する可能性はゼロに近いのも事実です。
昨年、日本脳炎の「積極的な勧奨が中止」の理由となった急性散在性脳脊髄炎(ADEM)という病気は、70―200万回接種に1回程度発生するとされていますが、因果関係の証明は困難で、ワクチンと関係なくマイコプラズマなどの感染症の後に発症する頻度を大きく上回るものではありません。けいれん、運動障害などの症状も回復することが多く、10%程度に後遺症を残すとされていましたが、1例の重症例がみられたため全国的に事実上ストップしています。
しかし、次のワクチンの見込みが立たない状態で自然感染も危惧され、西日本の一部の自治体では接種を勧めており、小児科学会でも接種再開への要望をだしています。現状でも八戸を含めた全ての自治体で同意書に署名していただければ希望者への接種は可能です。7歳半を過ぎてしまう子はご検討下さい。
(院内報 2006年11月号 追補)
日本脳炎はヒトからヒトには感染しないので、麻疹のように高い接種率を維持して流行を防ぐのではなく、個人防衛が目的となります。また、青森県から一歩も外に出ないのであれば、感染する可能性はゼロに近いのも事実です。
昨年、日本脳炎の「積極的な勧奨が中止」の理由となった急性散在性脳脊髄炎(ADEM)という病気は、70―200万回接種に1回程度発生するとされていますが、因果関係の証明は困難で、ワクチンと関係なくマイコプラズマなどの感染症の後に発症する頻度を大きく上回るものではありません。けいれん、運動障害などの症状も回復することが多く、10%程度に後遺症を残すとされていましたが、1例の重症例がみられたため全国的に事実上ストップしています。
しかし、次のワクチンの見込みが立たない状態で自然感染も危惧され、西日本の一部の自治体では接種を勧めており、小児科学会でも接種再開への要望をだしています。現状でも八戸を含めた全ての自治体で同意書に署名していただければ希望者への接種は可能です。7歳半を過ぎてしまう子はご検討下さい。
(院内報 2006年11月号 追補)