自分がどんな家に住みたいか、ということについてはあまり考えたことがない。街を歩いていて惹かれる家というものに出会わない所為もあるだろうし、生来の貧乏暮らしで家というものをリアルに考える習慣がないという所為もあるだろう。5月にこのブログに書いた遠山邸はよく出来ていると思うし、こういうところなら暮らしてみてもいいとは思うが、現実味がない。駒場の民藝館別館になっている柳邸は窮屈な感じがする。写真で見ただけなのだが芹沢介が蒲田で暮らしていた家には興味がある。もとは宮城県の農家の板倉だった建物を移築して改造したのだそうだ。板倉なので直方体の至って単純な形状で、一階は土間と20畳の板の間、二階は10畳二間の和室だそうだ。間取りが素直で健康な暮らしができそうな気がする。そういえば白洲次郎・正子が暮らしたという武相荘も良い雰囲気だった。昔の農家のような間取りに無駄のない家というのが私は好きらしい。