生涯何度目かの落語教育委員会を聴きに亀有へ出かける。携帯電話のマナーを呼びかけるコントで始まる会で、開口一番の力量が白日の下に晒される残酷な会である。なぜなら、コントはあの3人がやるのである。面白くないわけがないのである。しかも、三人会で客は彼等をお目当てに来ている。ウケないわけがないのである。その余韻が冷めやらぬうちに開口一番の登場だ。登場する本人にしてみれば普段経験することのない異様な雰囲気のなかで高座に上がることになるのである。なかにはそういうところでも飄々と自分のペースを守る人もいたが、たいがいは本人の妙な緊張と客席の弛緩とのギャップが歳末助け合いにも似た白けた温かさを生み出す、これまた他にあまり例のない落語会になるのである。
ところで今日の会だが、「転宅」と「鹿政談」は家に帰ってからDVDとYouTubeで他の噺家のものを聴き直した。喜多八の会には行きたいと思っているのだが、この人の会は平日夜が多くてなかなか出かけられない。落語教育委員会は来月25日のよみうりホールの会を自分のなかの最終回にしようと思う。
本日の演目
「近日息子」 古今亭志ん松
「転宅」 柳家喬太郎
(仲入り)
「明烏」 柳家喜多八
「鹿政談」三遊亭歌武蔵
開演 14:00頃 終演 16:00頃
会場 かめありリリアホール