熊本熊的日常

日常生活についての雑記

住んでいる家

2014年09月12日 | Weblog

パリから戻ったとき、団地の自分の住戸に着いてとてもほっとした。旅行から自宅に帰ってほっとしたという感覚はあまり経験したことがなっかったような気がする。毎日の生活のなかでも、住まいのある団地の敷地に入るとなんとなく空気が変わるように感じられるのである。おそらく個別具体的な要因があるわけではないだろう。団地の敷地は緑が多い。建屋の高さは5階建で、竣工から50年近くを経て成長した木々と建物の高さとのバランスが視覚に好印象を与えているということもあるかもしれない。土と緑が多いことで不快な雑音などが吸収されているということもあるだろう。古い団地というのは、エレベーターが無いとか設備が貧弱であるとか、主に物理的な面での短所を指摘されることが多いのだが、そういうものが生活にとってどれほど重要なのかということは考えてみる価値があるのではないか。適度に身体に負荷があるくらいが生き物としての生活には自然だと思うし、そもそも生活の満足度は物の有無だけで計れるものではあるまい。そこそこに生活環境が整っていることも大事だが、生活にまつわる人間関係が円満でなければ、どれほど理想的な住環境に暮らしていても快適には感じられないだろう。