プラモデル、中でも特に艦船と飛行機に「張り線」は付き物です。
飛行機ではアンテナ線に複葉機や水上機の翼間/支柱間の張り線です。
この張り線の材料は様々ですが、どれも一長一短です。
一番よく使われるのが釣り用のナイロンテグスですが、色の問題と堅さの問題てイマイチです。
鮎釣り用のメタルテグスは色は良いのですが、扱いにくさで問題がありました。
伸ばしランナーは通常の接着剤が使えるという利点はありますが、何せ、均一の太さの伸ばしランナーを大量に作ること自体が至難の業です。
髪の毛と言う選択肢も捨てたものではありませんが、家族の顰蹙と湿気に対する問題がありました。
ここで救世主登場です!
メタルリギングでお馴染みの「モデルカステン」から出た「ストレッチリギング」という製品です。
太さは0.6号(0.13mm)と1.5号(0.2mm)の2種類です。
0.6号の方が1/48の飛行機のアンテナ線なんかにちょうど良いくらいの太さです。(0.13×48=6.24mm)
お値段は25m巻きで1800円程で、ちょっとお高目ですが、その価値はあります。
最大の特徴は、名前の通り「ストレッチ」、即ち、伸縮性があるということです。
しかも、ゴムひものような強い伸縮性ではなく、非常にソフトで、絶妙な伸縮性です。
ですから、無理にテンションを掛けなくても、ほんの少し、軽ぅーーく引っ張るだけで、弛むことなく、ピンと張れる訳です。
このお蔭で、アンテナ支柱なんかも、張り線のテンションに対してプラパーツの支柱では強度不足になるため、金属製に造り変えたりしていましたが、こうことも必要なくなるでしょう。
実はこの伸縮性が「引っ張る強さによって、太さが微妙に変わる」という、オマケの利点を生み出しています。
つまり、もう「少し細くしたいな」と思ったら、少し強めに引っ張れば良い訳です。
2番目の特徴は、非常に柔らかいということです。
同じ太さのナイロンテグスより、ずっと柔らかいので、根元部分の変なカーブや結び目の大きなダンゴができません。
3番目の特徴は、素材が樹脂なので、瞬間接着剤の「着き」が良いことです。
4番目の特徴は、色が真っ黒なことです。
ナイロンテグスのように、後から黒く塗るという手間が要りません。
最後に、ひとつだけ欠点があります。
それは、「艶々」しているということです。
どうしても気になる場合は、つや消し処理をする必要があります。
・・・ということで、色々書きましたが、要するに非常に優れもので、正に救世主です。
これからは、張り線が楽しくなりそうです。
最後につい最近完成したUボートの張り線に使った例を写真でご紹介します。
作業が捗るので、全部張るのに20分程で終わりました。
艦船模型用のメタルリギング0.15号(0.07mm)です。
あとはこれを張るだけの駆逐艦があるんですが、何故か止まっております(汗)
kurakinさんの記事が大変参考になりました。近々実践してみようと思います。
えぇ、メタルリギングではなくて、ストレッチリギングです。
メタルリギングは、以前から出ていて、鮎釣り用のメタルテグスと同じものです。
つまり、極細の金属製のロープみたいなものです。
質感は非常に良いですし、湿度等の影響も全くないのですが、独特の扱いにくさがあります。
今回新発売のストレッチリギングは、樹脂製で伸縮性のある全く新しいものです。
一度、お試しになってみられては・・・