首相の「妥協せず」発言、経団連会長が批判(読売新聞) - goo ニュース
中国側の常軌を逸した反日運動に慄いたのか、経団連の米倉会長も、日本維新の会の橋下氏も、尖閣諸島の共同管理案を提唱し始めました。この提案、国際法秩序を崩壊させかねない、極めて危険な提案なのではないかと思うのです。
国境線の法的保障が如何に重要であるかは、もし、これが失われたとしたら、全世界は、全ての境界線を失い、”切り取りご免”の”戦国時代”に突入することからも、容易に想像することができます。国境線がないのですから、力のある国が、無制限に自らの領域を拡大しても無問題なのです。しかしながら、これでは、戦争が常態化し、人類は滅亡しかねませんので、人類は、(1)二国間の合意によって領土画定条約を結ぶ(2)国際条約によって特定の国の領域を定める(多国間の講和条約…)(3)無主地などの取得手続きを定める(4)民族自決の原則により特定の民族の居住地を領域として認める・・・といった法的なアプローチで、国境線の安定化を図ってきました。こうした歴史的プロセスを経て、国際紛争も制度的に司法解決することができるようになったのです。それでは、この流れの中に尖閣諸島問題を当て嵌めてみますと、どうなるのでしょうか。尖閣諸島は、無人島でしたので、日本国は、1895年に(3)の近代国際法の先占の手続きを経て尖閣諸島を領有するに至りました。この際、周辺諸国から何らの異議申し立てもなく、平穏無事に実効支配が続き、75年の歳月が流れたのです。近代国際法においては、こうした事実があれば、日本国の尖閣諸島の領有権は当然に確立されたものと見なされます。ところが、中国と台湾は、68年代に石油資源の埋蔵が報告された途端に、突如として、領有権の主張を始めます。もし、国際法において、中国や台湾が、日本国の先占と実効支配を否定するならば、日本側の主張を覆すような証拠や根拠が必要です。しかしながら、中国や台湾には、自らの主張を立証するためにICJに提訴するどころか、武力による威嚇や暴力に訴えてでも、(3)を強引に否定して(1)に持ち込み、日本国に領土、あるいは、資源に関する主権的な権利を割譲させようとしているのです(この行為も国際法違反…)。仮に、中国や台湾の行動が容認されるとしますと、国際法において領有権が既に確立している地域であっても、安心してはいられません。他の諸国が領有権を主張さえすれば、その地域は容易に”交渉対象”に転じてしまうのですから。世界諸国の境界線は、時代によって激しく変化していますので、過去の関連事実を持ち出せば、領有権の主張は、比較的簡単にできることなのです。
現在、尖閣諸島等の共同管理案を提案している人々は、二国間の任意の妥協こそが、問題解決の近道であると信じているのでしょう。しかしながら、脅しを背景とした安易な妥協と譲歩は、歴史の教訓が示すように、より重要なもの、すなわち、法秩序による安定の土台を根底から掘り崩すことになります。日本国政府は、国際社会における暴力の効力を否定するためにも、あくまでも、国際法秩序の擁護者として行動し、全世界の国境を不安定化するような、悪しき前例を造ってはならないと思うのです。
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国境線の法的保障が如何に重要であるかは、もし、これが失われたとしたら、全世界は、全ての境界線を失い、”切り取りご免”の”戦国時代”に突入することからも、容易に想像することができます。国境線がないのですから、力のある国が、無制限に自らの領域を拡大しても無問題なのです。しかしながら、これでは、戦争が常態化し、人類は滅亡しかねませんので、人類は、(1)二国間の合意によって領土画定条約を結ぶ(2)国際条約によって特定の国の領域を定める(多国間の講和条約…)(3)無主地などの取得手続きを定める(4)民族自決の原則により特定の民族の居住地を領域として認める・・・といった法的なアプローチで、国境線の安定化を図ってきました。こうした歴史的プロセスを経て、国際紛争も制度的に司法解決することができるようになったのです。それでは、この流れの中に尖閣諸島問題を当て嵌めてみますと、どうなるのでしょうか。尖閣諸島は、無人島でしたので、日本国は、1895年に(3)の近代国際法の先占の手続きを経て尖閣諸島を領有するに至りました。この際、周辺諸国から何らの異議申し立てもなく、平穏無事に実効支配が続き、75年の歳月が流れたのです。近代国際法においては、こうした事実があれば、日本国の尖閣諸島の領有権は当然に確立されたものと見なされます。ところが、中国と台湾は、68年代に石油資源の埋蔵が報告された途端に、突如として、領有権の主張を始めます。もし、国際法において、中国や台湾が、日本国の先占と実効支配を否定するならば、日本側の主張を覆すような証拠や根拠が必要です。しかしながら、中国や台湾には、自らの主張を立証するためにICJに提訴するどころか、武力による威嚇や暴力に訴えてでも、(3)を強引に否定して(1)に持ち込み、日本国に領土、あるいは、資源に関する主権的な権利を割譲させようとしているのです(この行為も国際法違反…)。仮に、中国や台湾の行動が容認されるとしますと、国際法において領有権が既に確立している地域であっても、安心してはいられません。他の諸国が領有権を主張さえすれば、その地域は容易に”交渉対象”に転じてしまうのですから。世界諸国の境界線は、時代によって激しく変化していますので、過去の関連事実を持ち出せば、領有権の主張は、比較的簡単にできることなのです。
現在、尖閣諸島等の共同管理案を提案している人々は、二国間の任意の妥協こそが、問題解決の近道であると信じているのでしょう。しかしながら、脅しを背景とした安易な妥協と譲歩は、歴史の教訓が示すように、より重要なもの、すなわち、法秩序による安定の土台を根底から掘り崩すことになります。日本国政府は、国際社会における暴力の効力を否定するためにも、あくまでも、国際法秩序の擁護者として行動し、全世界の国境を不安定化するような、悪しき前例を造ってはならないと思うのです。
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