万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

尖閣諸島国有化の裏に中国の対日3条件はあるのか

2012年09月05日 15時45分17秒 | アジア
野田政権は三面楚歌・二股方式…中国で一斉批判(読売新聞) - goo ニュース
 東京都が購入計画を進めてきた尖閣諸島は、ここにきて、国有化の方向に急速に向かっているようです。地権者の合意の有無については、情報が錯綜しているようですが(石原知事は否定…)、政府が国有化に動いた背景に、”対日3条件”が隠れているとしますと、事態は、より深刻なのではないかと思うのです。

 先日、中国側からの情報として、尖閣諸島を現状維持のままにする条件として、中国政府は、日本国政府に対して(1)上陸させない(2)調査しない(3)開発しないの”3ない条件”を要求することが内部決定されたとする報道が流されました。野田首相の親書が渡されたのは、時系列的にはこの報道の後のことですが、正式に中国側から3条件が示されたのか、そして、親書には、その返答が含まれていたのか、ということについては、真相は闇の中です。実際に、その後に東京都が調査船を派遣した際には、中国側は、”二股方式”と非難しています。この表現には、日本政府は、”調査しないと約束したのにも拘わらず、都が調査をするのはけしからん”というニュアンスが感じられます。つまり、中国側の要望とは、尖閣諸島を日本国政府の所有とすることで、日本国側に、この3条件を、確実に守らせることにあるのかもしれないのです。

 野田首相が、尖閣諸島国有化を急ぐ理由が、ここにあるとしますと、野田政権は、まさに、売国政権となります。”現状維持3条件”を受託すると言うことは、前近代的な砲艦外交に逆戻りすることであり、武力による威嚇に屈することでもあるのですから。国民の疑惑を払拭するためにも、政府は、国有化の裏に”現状維持3条件”があるか否かを、国民に説明すべきと思うのです。

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コメント (2)
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