政府が主催している産業競争力会議が検討しているとされる解雇特区。反対の声が強いにもかかわらず、専門職や外国人雇用3割以上など、かなり適用対象を絞ったものの、政府の設置方針には変わりはないようです。
ところで、解雇特区、イメージとしては地域限定のように思われますが、事実上、全国レベルに拡大してしまうのではないかと思うのです。最初にこの案を目にしたときは、解雇が容易となるため、解雇特区が生活保護費が歳出の大半を占める”大阪市化”するのではないかと懸念したのですが、仮に、政府が、特区に所在地を置く会社に対して、特別法の適用を認めるとするならば、被雇用者が働く場は、特区内に置かれるとは限りません。解雇特区に本店や持ち株会社の住所地を移す、あるいは、子会社などを設立すれば、全国どこにでも、営業所、工場、研究所…を設けることができるからです。悪質な場合には、特区に、便宜上の登記だけする企業も出現するかもしれません。解雇特区の影響は、特区以外の地方自治体も及ぶのです。否、解雇特区に選定された地方自治体は、特区の恩恵で得た収益の一部を法人税として受け取りますが、他の地方自治体は、解雇に伴って増加する社会保障の費の負担ばかりを押し付けられることにもなりかねないのです。
経済とは広域的な活動ですので、解雇特区という名で適用地域を限定したとしても、結局、企業の組織ネットワークを通して全国に広がってしまいます。新自由主義=自由放任主義的な発想に基づく解雇特区については、再度、マイナス面を含めて再検討するべきではないかと思うのです。
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経済とは広域的な活動ですので、解雇特区という名で適用地域を限定したとしても、結局、企業の組織ネットワークを通して全国に広がってしまいます。新自由主義=自由放任主義的な発想に基づく解雇特区については、再度、マイナス面を含めて再検討するべきではないかと思うのです。
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