今月17日に、国連安保理の非常任理事国に選出されたサウジアラビア。初選出にも拘わらず、サウジアラビアは、非常任理事国の席に座ることを辞退したと報じられています。
辞退の直接的な背景は、対立関係にあるシリアに対する安保理の対応の甘さへのようですが、安保理が、必ずしも全世界の諸国に対して公平ではなく、安保理の仕組みには欠陥があるとするサウジアラビアの主張にも、一理があります。国連は、普遍性を掲げながら、その実、大国の利害関係に翻弄され、社会的分野では、国際共産主義といった特定のイデオロギーに染まってきたことは、紛れもない事実であるからです。ところが、国連が設立されてから68年余りが経過しながら、一度たりとも、国連憲章が改正されたことがありません。誰もが、国連に内在する欠陥が分かっていながら、それをなかなか改めることができなかったのです。自己改革できない組織は、しばしば、現実とのギャップに苦しんだり、時代に取り残されてゆくものです。
今回、サウジアラビアは、非常任理事国を辞退するという形で、国連の仕組みに対して異議を唱えました。現在の国連を絶対視する立場からは、国連の普遍性を損ねる、あるいは、国際協調を乱す行為として非難されるのでしょうが、欠陥を抱えたまま、騙し騙し組織を運営するよりも、一度、根本的な見直しを図った方が、将来の人類のためにはなります。国連が、国連改革を活発に議論する場となるとき、その時こそ、国連が公平性を取り戻し、全ての諸国の安全と国際社会の平和のための組織へと脱皮する出発点となると思うのです。
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辞退の直接的な背景は、対立関係にあるシリアに対する安保理の対応の甘さへのようですが、安保理が、必ずしも全世界の諸国に対して公平ではなく、安保理の仕組みには欠陥があるとするサウジアラビアの主張にも、一理があります。国連は、普遍性を掲げながら、その実、大国の利害関係に翻弄され、社会的分野では、国際共産主義といった特定のイデオロギーに染まってきたことは、紛れもない事実であるからです。ところが、国連が設立されてから68年余りが経過しながら、一度たりとも、国連憲章が改正されたことがありません。誰もが、国連に内在する欠陥が分かっていながら、それをなかなか改めることができなかったのです。自己改革できない組織は、しばしば、現実とのギャップに苦しんだり、時代に取り残されてゆくものです。
今回、サウジアラビアは、非常任理事国を辞退するという形で、国連の仕組みに対して異議を唱えました。現在の国連を絶対視する立場からは、国連の普遍性を損ねる、あるいは、国際協調を乱す行為として非難されるのでしょうが、欠陥を抱えたまま、騙し騙し組織を運営するよりも、一度、根本的な見直しを図った方が、将来の人類のためにはなります。国連が、国連改革を活発に議論する場となるとき、その時こそ、国連が公平性を取り戻し、全ての諸国の安全と国際社会の平和のための組織へと脱皮する出発点となると思うのです。
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