名古屋のヤマザキマザック美術館(地下鉄・新栄町下車)で開催中の「浅井忠と近代デザイン展」を見てきました。
浅井忠(あさい・ちゅう 1856-1907)は、黒田清輝と並んで日本の西洋絵画を牽引し、とりわけ水彩画は先駆者と言える人。水彩画を学ぶ身としては見逃せない、と出掛けました。展覧会は2月17日まで。
展覧会のパンフレットなどによれば、浅井はわが国最初の美術教育機関である工部美術学校で学び、1889年には明治美術会を設立。油彩や水彩で風景画を中心に描き、後進の指導に当たったとされています。
1900年から2年間はヨーロッパで開花した新芸術運動であるアールヌーボー最盛期のフランスへ留学。パリ万博の「展示物監察官」として出展作を観察する一方で、絵画だけでなく陶芸や漆芸のデザインをも身に付けました。
今回展の会場には、パリ郊外のフォンテーヌブローの森や近くのグレーで描いた油彩・水彩の風景画が陳列されています。
僕はナマで見るのは初めての作品が多く、サイズは大きくありませんが神経の行き届いた柔らかで細やかな筆使いと色使いに釘付け。会得できるかどうかはともかく、今後の創作のヒントをいくつかもらいました。
他にもアールヌーボー作家であるロートレックのポスターやミュシャの絵画、浅井のデザインした図案を施した陶器や漆器も並んでいます。
※絵のなどの写真は展覧会用パンフレットからです。
浅井忠の図案による漆器