リタイア暮らしは風の吹くまま

働く奥さんからリタイアして、人生の新ステージで目指すは
遊びと学びがたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

死滅回遊という哀しい言葉

2017年09月24日 | 日々の風の吹くまま
9月23日(土曜日)。晴れのち曇り。朝ご飯を食べながら「今日はチオンが香港に帰る日だ
な」とiPodでメールをチェックしていたカレシが「もう少しアトランタにいることになったって」。
へえ、香港大学の指導教授に帰るように言われていたそうだけど、どうやって土壇場で変
更になったのかな。遠慮がちで声が小さかったチオンも英語に自信を持ってからは海外の
学会で堂々と研究発表したりするようになったので、「デスクをバンッ!」式に交渉したのか
な。別の大学に留学中の婚約者ケルヴィンはうれしいだろうね。(この2人、えらい嬶天下だ
けど・・・。)

土曜日の掃除が済んでさっぱりしたら、今日は「仕事モード」。最近この会社から来る仕事
は日本語訳が多いなあ。論文を読み書きする人なら参考にする英語の論文も読めるはず
だと思うんだけど、この頃はどうもそうは簡単に問屋が卸さないようで、さっぱりわからない
と匙を投げて日本語訳を依頼することになるらしい。最近はヘンな英語の文書が増えて来
たせいかな。英語が母語でない人が書いたものから自動翻訳を使ったんじゃないかと疑う
ようなものまで、中高大学と教科書で英語を勉強して来た人には読解不能な「変則英語」が
やたらと氾濫しているせいだろうな。なぜ元々は英語が母語じゃないワタシのところにそん
なのばっかりが回って来るのかはミステリーだけども。

元々は母語じゃないから英語が母語の人たちよりも変則的な英語を理解しやすいのかもし
れないけど、英語に訳す場合でも原稿の日本語文が今いちわからないことが普通にあるか
ら、言語に関わらず世界的に文章能力が低下しているということ(わからないのはワタシの
せいじゃないよってこと)なのかもしれないな。思考のデジタル化が進んで本来アナログなコ
ミュニケーションに影響が出て来ているのかもしれない。文字でも言葉でもコミュニケーショ
ンができなくなったら、人類はどうなっちゃうんだろう。絵文字で高度なレベルの意思の疎通
ができるのかな?

そんなことを考えながら「ヘンな英語」を読んでいて、ふと思い出したのが「死滅回遊」という
日本語の学術用語。海流に運ばれて本来の生息海域から遠く離れてしまった魚の群れが
戻ることもできずに生息条件の変化で死んでしまうことを言うんだけど、すごい悲哀に満ち
た言葉だと思うな。人間もうっかり世界の潮流に流されて「死滅回遊」に陥ることがないよう
にと祈るばかり・・・。