リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

リタイア暮らしに三連休は関係ないよ

2023年08月06日 | 日々の風の吹くまま
8月5日(土曜日)。⛅☀⛅。暑くなりそうな三連休初日。薄雲が広がりがちで、天気は下り坂みたいな予報が出ているけど、はて、当たるかな。大気の健康指数(AQHI)は低リスクの「2」のままなので助かるけど、このところ、晴れているのに東の地平線のあたりがかすんだままなのは、ここから400キロ東のオソイユースという町のそばで大きな森林火災が燃え続けているせいじゃないかな。この町はワインの山地で夏の行楽地でもあるんだけど、アメリカとの国境まで3キロ半と言う近さなもので、アメリカ側で発生した火災が国境を越えて燃え広がって来て。人口5500人の町には一時住民に避難命令が出ていた。風向きが変わって難を逃れたようだけど、新聞サイトにはこんなぞっとするような写真が載っていた。(昔、室蘭港でタンカーが炎上した時の夜空の色を思い出した。)



労使の団体交渉の行方が二転三転していた港湾の労働争議が解決したと言うニュース。去年から続いていた団体交渉がこじれて、組合が7月初めからストに入ってBC州の港湾荷役がマヒ状態になり、2週間ほどで政府が指名した調停員を入れてやっと暫定的合意に達したと思ったら、組合の指導部が「ノー」。あわやスト再開かというところで、事前通告がないストは違法と言われて、それじゃあと通告を出してスト突入は72時間後となったけど、組合が突然通告を撤回して、ほどなくして改めて使用者側と合意に達して、組合員に受入れを推奨したのに、投票結果は「ノー」。おいおいと思っていたら、わずか2日後に再々度合意ができて、労使双方とも受入れを推奨して、政府命令に従ってきのうまで組合員の投票があって、今度は75%が「イエス」。港湾争議は解決したってことだけど、今度は大打撃を受けた経済界から労働法改正への圧力がかかって、「お日様ぽかぽかの政治」を掲げて来たトルドー君は憲法で保障されている労働者のスト権の保護との板挟み。でも、協約は4年だから、港もしばらくは平和ってことか。やれやれ。

カレシの朝一のレッスンが終わるのを待って、ウォーキング。三連休の土曜日だからか、医療系のオフィスが全部閉まっているモールの2階は、ウォーキング中の2人以外はがらぁ~ん。ショッピングの人もあまりいない感じで、いつも賑わっているフードコートもがらぁ~ん。みんなどこかへ行ってしまったらしい。アメリカへ行くのに国境では最悪2時間待ちで、バンクーバー島へ行くにもフェリーは予約満杯だし、遠出しようにも飛行機代の高騰は家族連れの懐には痛いだろうな。いつから三連休は苦行の時になったんだろう。ワタシが子供の頃には夏休みには家族旅行なんて考えはなかったんじゃないかな。学校に行かないと言うだけで、毎日ごく普通に外で友だちと遊んで過ごしていたと思う。まだ「戦後」と言っていて、ジャルパック時代のもっと、もっと、もっと前の時代だったんだもの。週末はバンクーバーでのファーマーズマーケットにきのこや山菜の店を出しているマットも今週末は休みにしてファミリーサービス。みんなどこかよそに行って、マーケットの人出も少ないだろうから、ちょうど休み時かな。

ウォーキングから帰って来たら、玄関を解錠するのにセンサーがちゃんと作動したので、え、きのうのあれは何だったの。きのうは午後に買い物から帰って来たら、センサーにフォブを当ててもピッと鳴るだけでドアが解錠されなくてびっくり。先月から不具合が起きる時があると貼り紙がしてあったけど、今まで問題はなかったのにと内心ぼやきながら、張り紙の指示通りにマンション横の駐車場を通って「裏口」から入って来たけど、今日は何事もなかったようにちゃんと使えるんだから呆れる。こっちも不具合だったらお手上げだから、カレシに救助してもらえるように携帯を持って出た方がいいかな。でも、独り暮らしだったらそれもできないよねえ。早く修理してくれないと困る人が出て来るかも。エレベーターもたびたび故障するし、「大手開発業者が建てた高級マンション」という不動産屋の売り文句が泣くよね。でもまあ、「我が家」に入ってしまえば住めば都で、多少の不便は笑い飛ばせるからまだいい方なのかな。さて、夏休みの三連休でも我が家はいつもと同じ普通の土曜日。洗濯しようっと。

演劇ファンの芝居批評会

2023年08月06日 | 日々の風の吹くまま
8月4日(金曜日)。☀。三連休の前日。子供たちの夏休みの間に家族でどこかへ行ける三連休を作るための、「BCデイ」という目的不明の三連休。どっと人が動き始める日で、国境では三連休じゃないアメリカに遊びに行く車の列が、今日の午後にはもう待ち時間1時間半。暑い中を、いくつもあるゲートのレーンに車ごと並んで、1台が通過するごとに少し前進。そんなのを1時間半もやってたら、どれだけのガソリンを燃やすことやら。でも、窓から見えるガソリンスタンドでは、きのうはリットル200円以上していたのが、今日は193円。ま、ガソリン代の上がり下がりは、いくつものゲームを同時にやっているようなもので、結局は運しだいというところだけど。

きのうのPlay Clubは楽しかったな。今回はシーズン最後の4作(『Rubaboo』、『The Legend of Georgia McBride』、『Beautiful』、『Million Dollar Quartet』 )で、2作はまだ上演中。そのうち、カナダの先住民とヨーロッパ人の混血民族であるメティスの文化を歌でつづった『Rubaboo』は、メディアの評は良かったけど、クラブのメンバーからは厳しい評が続出。どうやら元々学校などでメティスの伝統と文化を教える目的で制作されたものをベースとしてるらしくて、「プロバガンダ臭が強くて、演劇としてのおもしろ味がないために、記憶に残らなかった」と言うのがにわか評論家たちの結論。ワタシもタイトルの「Rubaboo」(メティスのごった煮料理)の意味合いを今いち理解しきれなくて、思い出せるのは何度か繰り返された「世界はあまりにも大きくて初めも終わりもわからない輪である」というメティスの世界観のようなせりふだけ。これはワタシの宇宙観に通じるところがあったから理屈抜きで記憶に残ったんだと思う。

後の3作のうち、最後2作の『Beautiful』はソングライターのキャロル・キングの若き頃を描いた伝記的なミュージカルで、『Million Dollar Quarter』も、「1956年12月4日、サン・レコードのスタジオで偶然顔を合わせたエルヴィス・プレスリー、カール・パーキンス、ジェリー・リー・ルイス、ジョニー・キャッシュの4人のスターがジャム・セッションをやった」という実話をベースにした、いわゆる「ジュークボックス・ミュージカル」なので、あっさり全員一致で星5つ。特に後者はArts Clubで数年前に上演したのを新しいキャストで再演したもので、前回はストーリー性を重視していたのが、今回は音楽に軸を移して、ロックンロールのコンサートのように仕立てていたので、まだ生まれてもいなかった若い世代の観客も熱狂するほどのエネルギーが溢れていて、今シーズン最大のヒット作だった」という点でみんなの意見が一致。

ワタシが4作中で一番好きだった『The Legend of Georgia McBride』は、フロリダの観光地のしがないキャバレーでエルヴィスのものまねをやっていたケイシーがオーナーがドラァグショーに替えることにしたために失業し、家に帰ると妻に妊娠を告げられ、大家からは追い立てられて万事休すという始まりで、オーナーに頼み込んでバーで働かせてもらっていたら、ドラァグクィーンのひとりが酔いつぶれて出演不能になり、代役として無理やり衣装を着せられてステージに押し出され、思いがけず人気者になってしまうと言う話。普通の男だったケイシーが二流ながらプライドのあるドラァグクィーンたちとの交流を通じて、自分のことや、夫婦愛、人間愛を学びながら、パフォーマンスアーティストとしての才能を開花させ、最初は嫌悪感を隠せなかった妻の尊敬を取り戻す過程を描いていて、ジーパンにTシャツ姿で楽屋に入って来たあまり冴えない若者ケイシーが、メイク係がメイクアップをしている間にハイヒールを履き、かつらをかぶり、パッド入りのブラジャーをつけ、キラキラのドレスを着て、妖艶な「ジョージア」に早変わりするシーンは強烈に印象的。(ケイシーを演じた役者は初めてのドラァグクィーン役だったそう。)観る人を笑わせ、ほろりとさせながら、「人間」の奥の深さを垣間見せてくれる心やさしい作品で、全員一致で☆☆☆☆☆。うん、演劇はほんとに奥が深い・・・。