リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

東京の最後の日の出発間際にロックされたクレジットカード

2024年10月15日 | 日々の風の吹くまま
10月13日(日曜日)。☀。感謝祭の連休中日は秋らしい天気。どうやら2人とも普通の時間に寝て、ほぼ普通の時間に目覚めるようになった。ワタシはやることが多くてバタバタしているうちに旅の疲れからさっさと回復したけど、カレシはまだ完全に回復していないらしい。(こういうところが年の差なのかな。)留守の間にシーラが隅々まできれいにしてくれたので、いつもの掃除は不要と言うことにして、今日は洗濯だけ。船の上で2回(無料)、東京のホテルで1回(有料)ランドリーサービスを利用したので、持ち帰った汚れ物はそれほど多くないから洗濯機を回すのは1回で十分。

洗濯を始めたところで、出かける前に衣替えをして、冬の部屋着のデニムのスカートやジーンズのウェストバンドの硬い端に当たっておなかの辺りに穴が開いてしまった七分袖のTシャツのほとんどを捨てたのを思い出して、補充しておかなければとランズエンドのオンラインカタログを物色。サイズXS(日本だとSらしい)で腕が短めなので七分袖となるとあまり選択肢がないけど、これはというのを色違いで4枚選んで注文したら、ええ?いつも使っているクレジットカードが通らない。(別のカードを使えと言って来る。)東京で空港まで行くのにウーバーを呼ぼうとした時もクレジットカードが通らないから支払い方法を変えろと言われたな。帰って来てすぐに支払いをした時は何の問題もなかったのになあ。急ぐから一応アマゾンで似たようなシャツを見つけて(ランズエンドよりずっと安い)注文したけど、どうなってんの、ワタシのクレジットカード。盗難に遭ってないし、限度を超えていないし、支払期限を超過したわけでもないから、どうも銀行が怪しい。そこで口座がロックされる原因をいろいろググってみたら、やっぱり。外国の通貨などを含めて怪しいと思われるチャージがあったときに、銀行は転ばぬ先の何とかで口座をロックすることがある、と。まさに東京に着くまでは毎月のArts Clubの自動請求以外は休止状態だったのが、急に連日のごとく日本円のチャージが上がって来るようになって、「ん?怪しいぞ」ってことになったんだろうな。詐欺や盗難によるクレジットカードの悪用を防ぐためだけど、東京から帰って来る10日の朝はちゃんと使えていたのが、夜になって空港への足が必要というタイミングでロックされたわけで、どうしよぉ、どうしよぉと慌てさせられちゃったよ、もう。

まあ、被害を未然に防ぐための方策だし、カードの所有者が外国旅行中なんて知る由もないし、ひと言注意してくれればと言っても、東京では別のSIMカードを使っていたので、銀行に登録してある携帯番号にアラートを送っても届くわけがないから、責めるわけには行かないな。ここは何よりも先にアマゾンが発送する前にロックを解除してもらわないとね。ということで、銀行のクレジットカード部門の番号に電話をしたら、「ただいま混んでおります」だって。順番が来たら電話してもらう手もあるけど、辛抱強くホールドした方が確実そうだと、眠くなりそうなBGMを聞きながら待つこと40分。やっとつながって、事情を説明したら「損失防止の担当者に回しますね」。少しして電話に出た早口のお兄ちゃんにウーバーの請求は正当なものであること、3週間のクルーズの後でしばらく東京に滞在していて、ウーバーを利用したことなどを説明したら、「ああ、そういうことだったんですね」と、あっさりロックを解除。使えるんですね?と念を押したら、「Yes, it’s good to go」。大丈夫ですよ、か。やれやれ。

まあ、「この次は海外に行くことを事前に知らせておいてください」と言われてあっさり解決したので文句はないけど、1時間近くもかかってしまって、安心したせいで食欲がわいて来たのか、ランチの時間には腹ぺこもいいところ。うん、今日はおうちラーメンということにして、豚骨ブロス100%でミニワンタンとヤマブシタケとシャンテレルを煮て、いつもよりちょっとコクのあるスープ。ゆで上がったラーメンを入れて、ほんっとにおいしかった義弟のラーメンをほんのちょっぴりまねて、リック先生の奥さんからのお
みやげの佐賀海苔を1枚。卵もメンマもチャーシューもないけど、少しは味がアップしたかな。まつたけラーメンと言うのは聞いたことがないけど、作ってみたらどうかな。




目が回りそうな目薬と目が丸くなるようなグルメきのこ

2024年10月14日 | 日々の風の吹くまま
10月12日(土曜日)。☀。目が覚めたら、カレシが早起きして、リビングのソファに寝っ転がってスマホをいじっている。早いねえと言ったら、「3週間後にはまた時計の針を変えるから、いまのままで不都合なしさ」とカレシ。あ、11月3日夏時間から冬(標準)時間に戻るんだった。夏時間こと「日照節約時間」を通年の標準時にするという話は何年も前からあって、BC州はすでに立法措置で整えているのに、アメリカ側の同じ時間帯の州(ワシントン、オレゴン、カリフォルニア)はまだ連邦議会の承認待ちなもので、まだ年2回の時差ぼけ騒動。そろそろいい加減何とかしてもらいたいんだけど、あちらの政治情勢はそれどころじゃないし・・・。

カレシが何だかサラダ熱に取りつかれているようで、きのう買い忘れた野菜があるということで、午後早々に処方薬を取りに行くワタシにくっついてスーパーへ。レモンとアヴォカドとピーマンとひよこ豆の缶詰を買って、ワタシは2本の目薬を受け取って、は、2日連続の買い物。月曜日が感謝祭で今日はその三連休の初日だからか、スーパーの棚が何となくスカスカしている感じだけど、必要品は揃ったからいいかな。もらってきた目薬は2本あって、手術の2日前(つまり水曜日)からA(抗生物質)とBを1日4回、手術後はAが1週間だけ1日4回ずつで、Bはまず2週間は1日4回、その後1週間は1日3回、さらに1週間は1日2回、次の1週間は1日1回という長丁場。それが順調に行ったら左目の手術の予定が決まるのかな。両方が済んだら新しい処方箋をもらって、遠くを見るための眼鏡とサングラスを作る予定。マイナス10Dの最強度近視がどれだけ改善されるか興味津々だけど、東京の大先生は60代で入れた眼内レンズが曇って来ているとおっしゃっていたなあ。白内障の手術は2度はできないんだって。まあ、70代後半なら一生ものだろうな。



FBを見ていたらきのこ屋のマットがバンクーバー菌類学協会の啓蒙イベントの様子を投稿していて、うは、きのこをどっさり並べて、たくさんの人に囲まれて忙しそう。きのうテキストしたときは「帰りに寄るね」としか言っていなかったので、こんなイベントで売っていたら、今が旬のマツタケが帰るまでに売り切れてしまうんじゃないかと心配になって、上等のが残っていればいいけどぉとテキストしたら、「大丈夫だよ」。ああ、よかった。イベントは午後5時までだそうだから、我が家に寄り道してくれるのは6時近いかな。安心して、午後はラップトップのファイルや写真を整理してデスクトップに移す作業。ちょっと見には簡単なんだけど、キーボードの配列が微妙に違うおかげで間違ってばかり。旅行の間1ヵ月間ずっとラップトップを使っていたせいで、指がそっちの方のキーに慣れてしまって自然に動くから困ってしまう。何よりも厄介なのは普段使っている削除キーがデスクトップではテンキーの一番下にあるけど、テンキーがないラップトップでは右隅のバックスペースキーの上で、デスクトップでは(テンキーの)右上隅はページアップとページダウンキーがあるもので、文字を消すつもりなのにいきなりページが上下してしまう。で、ラップトップのタッチスクリーンにも慣れてしまったせいで、ついデスクトップでも画面をなぞってしまうんだけど、もちろん何にも起きないので、あ、またやっちゃった。イライラしてくたびれるなあ・・・。

マットが「着いたよ」とテキストしてくれたのは6時10分前。さっそくおみやげの招き猫のマグネットとバスケットを掴んで降りて行って、玄関前でお久しぶりぃ。売り切れるかと思ってたと言ったら、「いつもよりたくさん持って行ったから大丈夫だった」。さっそくきのこの入ったバスケットを歩道に並べてもらって、カリフラワーきのこ(ハナビラタケ)、ヤマブキタケ、シャンテレル、アーモンドきのこ(ニセモリノカサ)と袋に詰めて行って、最後にお目当てのマツタケを傘の開いていない小さめのを選り出して袋いっぱい。カリフラワーきのこはなるほどカリフラワーに似ているし、アーモンドきのこはアガリクスの一種でヒメマツタケとも呼ばれるらしく、ほのかにアーモンド菓子のマジパンの匂いがする。うれしいなあ。月曜日は感謝祭だから、さっそくレシピを検索しまくってご馳走に花を添えなくちゃ。楽しみ、楽しみ・・・。


右側~マツタケ 中央~カリフラワーきのこ(上)、ヤマブキタケ(下) 左側~シャンテレル(上)、アーモンドきのこ(下)


長い旅の後はやることがたくさんありすぎて

2024年10月14日 | 日々の風の吹くまま
10月11日(金曜日)。🌥🌤。目が覚めたらほぼ6時。カレシが抜き足差し足で圧縮袋に入れたままだった自分の衣類を整理している様子。何でも5時過ぎには目が覚めて、眠れなかったので起きてしまったんだそうな。あ、そうとワタシはもうひと眠りして7時に起床。うっ、何か寒いなあ。でも、我が家のベッドは寝心地が良かったな。東京のホテルのベッドはコチコチに硬くて、2人とも毎朝起きると背中や腰が痛かったな。お気に入りのホテルだっただけに2人のがっかり度は高かった。まあ、コロナ時代を含めて6年も経っているわけだから、前と同じを期待する方が無理なんだろうけど、ベッドなどは消耗品に近いものだろうに・・・。


日の出前・・・

冷蔵庫がシーラが買っておいてくれた牛乳と卵以外は何にも野菜の類がないので、まずは2人でスーパーへ。せっかく航海中に回復しつつあったたワタシの右肩はスーツケースを引っ張っているうちにまた痛むようになったので、悪化させないためにもカレシが一緒に買い物に来てトロリーを引っ張ってくれると大助かり。カレシがメインのサラダを作るというので、剥きエビを300グラム買って、残りを使うためにジャンバラヤライスのキットも買って、カレシはサラダ用の野菜をどっさり、ワタシはアップルソース用のりんごや万能ねぎやアスパラガスなどを買って来て、冷蔵庫がいっぱいになっておうち食堂の再開の準備が完了。(ついでに冷蔵庫のドアも新しいマグネットが5個加わって満艦飾の観・・・。)


右側が太平洋地域で左側が大西洋地域

フリーザーのドアにも・・・

留守中に来た郵便物(チラシの類はシーラが処分)を整理していて、フレーザー保健局からと眼科からの封筒を見つけて開けてみたら、保健局のは来週の白内障の手術に関する指示で、眼科からは手術の前後に使用する目薬の処方箋と手順の説明と指示。目薬は手術の2日前から使用開始と言うことなので、午後にまたスーパーの薬局に処方箋を持って行って、ついでに角の銀行のビルにある選挙委員会のオフィスに寄って、州選挙の投票日が手術の翌日なのでと、郵便投票のパッケージを請求。年配のおばちゃんが有権者票を見ながら生年月日を確認して、投票用紙を印刷して、それを隠すスリーブAと投票者が投票用紙を封印してサインをする封筒Bと郵送用の封筒Cをまとめて封筒に入れて、もう一度同じ手順を繰り返して2人分のパッケージを作ってくれた。その間、次々と人が入って来て、事前投票の担当者の質問に答えて宣誓して投票していたけど、けっこう若い人が多かったのには感心。

今日のやることリストが一応片付いたので、後はオフィスに陣取ってクレジットカードの支払いなどの事務処理。ホテルなどの公共の場のWiFiは安全ではないので、銀行のサイトだけはオフリミットにしていて、口座の数字を見るのは1ヵ月ぶり。当座預金やクレジットカードには不審なチャージが何もなかったのでひと安心。日常の家計費以外に使っている(ワタシ名義の)クレジットカードの期限が2日後なので、だいたい同じ期限のアメリカドルのカードと併せてささっと支払いを済ませて、下の方に出て来る投資口座の方へスクロールしたら、うはぁ~っ。何だ、これ。わずか1ヵ月の間にすごい増え方。まあ、ダウ平均が高値更新とメディアが騒いでいたから上がっているという期待はあったけど、それをはるかに超える上がりっぷり。ワタシの老後の虎の子なんか、個人年金の引き出しを始めた時点の残高よりずっと多くなってるじゃないの。子供がいないワタシはビル・パーキンスの『Die With Zero』に感化されて、せっせと楽しいこと、幸せを感じることに使ってがんばっているんだけど、ポートフォリオマネジャーのトニーががんばってくれちゃうと、ゼロに向かって減るどころか増えてしまうじゃないの。やれやれ、良きにつけ悪しきにつけ、お金ってのはなかなかひと筋縄では行かないものなんだな。はあ・・・。


旅の終わり~1日のうちにきのうと今日がある日

2024年10月14日 | 日々の風の吹くまま
10月10日(木曜日)。☁(東京)。あぁ~あ、とうとう帰る日が来ちゃった。家を出たのが9月11日だったから、もう丸々1ヵ月。長かったのか、短かったのか。これだけ長いこと日常を離れていたのは新婚以来かな。私たちの年になると、たぶんちょっと長かったかもしれない。最後のスターバックスの朝ご飯を食べて、最後の荷物の点検。友だちから(どれも平べったい)記念品をもらっちゃって、アラスカや北海道、東北、東京で買ったおみやげもあって、全部詰められるかどう心配したけど、小さい方のワタシのスーツケースを拡張して、何とかめでたく完結。帰国便にチェックインして、搭乗券をメモリスティックにコピーして(ホテルではやってくれないので)1階のセブンイレブンで印刷。料金は100円。これで準備完了。

それにしても、コロナ前に2回連泊して気に入っていたこのホテル、いつの間にかかなり質が低下したという気がするな。まず、チェックインの時に宿泊料の全額前払いを要求されたし、部屋の設備は旧式化していたし、ロビーにあったバーが日中だけのカフェになっていたし、ダイニングルームは料金を部屋に付けさせてくれなかったし、19階にあったちょっといい和食レストランは騒々しいイベントまがいのスシと鉄板焼きレストランと入れ替わっていたし、その奥に新しくできたバーは無知も甚だしい若いお兄ちゃんが取り仕切っていたし、ロビーには(中国人を含む)外国人観光客が溢れていたし(私たちもその2人ではあるんだけど)。

チェックアウトは11時で、20階のフロントに降りて、ランドリーサービスの6640円を現金で払って、カードキーを返却(このあたりはアメリカやヨーロッパとは違うな。)ホテルの正面玄関がある1階に降りてからウーバーコールして、無事に妹宅に到着。義弟が作ってくれた北海道ラーメンは絶妙な味でおいしかった。午後いっぱいはたっぷりおしゃべりをして、そろそろと言う時間にウーバーを呼ぼうとしたら「クレジットカード拒否」。ええ?と思いつつ現金払いにしようとしたら「現金払いは不可」。何だ、これ。何度やっても同じで、要するに「ノー」ってことじゃないの。すったもんだの末に義弟が車で駅まで連れて行って(個人)タクシーを捕まえてくれたので助かったけど、羽田に近くなって今度は大渋滞。それでも早めに出たので余裕でターミナルに着いて、荷物を預けて、セキュリティを通って、ラウンジ入って軽食。



離陸は午後9時55分の定刻だったけど、搭乗の際に(搭乗券だけでいいはずなのに)ワタシの後ろにいたカレシ「だけ」止められてパスポートを見せろと来た。何だ、これ。最後の最後に「ん?」なハプニングが続いたけど、これも異国の旅の空ならではのこと・・・。








10月10日(木曜日)。⛅🌤(バンクーバー)。飛行中は無料のWiFiがあったし、半分はシートをフラットにして寝ていたので、それほど疲れた感じもなく、午後2時5分、バンクーバー国際空港に着陸。客室乗務員のねちっこいくらいの慇懃さに少々閉口していたせいか、飛行機を降りたとたんに我が家に帰って来たっという安堵感が湧いて来て、やっぱり日本は遊びに行くところで、ワタシの居場所はカナダなんだと実感。到着が40分も早かったんだけど、(飛行中にSIMカードを入れ替えておいたので)Blacklaneから「迎えの車が待っている」というメールが来て、ドライバーからも「到着ロビーで待っています」というテキスト。(Blacklaneはフライトの到着情報をモニターしている。)日本人のドライバー氏とおしゃべりをしながら、無事に我が家に到着。これで1ヵ月に及んだバケーションもジ・エンド。シーラがキーを返しに来て、紅茶を入れておしゃべり。食べ疲れの晩ご飯はオムレツとブリオシュのトーストで済ませて、とりあえず スーツケースの中身を全部出して、後はあした・・・。




旅の空から~アヴァンギャルドの能楽を鑑賞

2024年10月13日 | 日々の風の吹くまま
10月9日(水曜日)。🌧☁🌥。朝一番にリック先生から「今日は電車で行くので、ランチをするレストランまでウーバーでおいで」。行く先のレストランのリンクを見たら、あら、赤坂の全席が数寄屋造りの完全個室の会席レストランで、住所は永田町。へえ、接待、会食、宴会などに使えるということだけど、永田町とか赤坂とか霞が関がすぐ近いとか、誰が誰を接待するのか好奇心をくすぐられる感じ。でも、学者のリック先生と奥さんとのランチなら、少しはくだけた感じかも。だったら、政治家や高級官僚とはあまり縁がないか・・・。

ウーバーを呼んで行った先はビルの地下階に降りて行ったところ。リック先生夫妻が先に来ていて、ビールが来るまでの間おしゃべり。見回すと(行儀悪いかな?)、たしかに和室として作られたという感じで、「窓」の外に和風庭園風の一角とでもいうような風情のある装飾が設えてあって、テーブルの上には呼び鈴のスイッチ。場違いかもしれないけど、雅叙園の個室と比べると全体として気取りがないという感じかな。食事もランチタイムだからかお盆に総まとめ。功?なり名を成したえらい政治家先生はきっとこういうところには来ないだろうな。来るとしたら、まだ「パイプ」が太くない駆け出しとか・・・。




次はゲーテ・インスティテュートでの前衛劇。第1部は能楽師梅若猶彦作の「イタリアン レストラン」という前衛劇で、次いでリック先生と親しいアメリカ人の日本文学研究者バイチマン先生が作曲家の佐藤聡明氏と対談し、第2部は佐藤氏の作品を背景にして梅若氏作・演出による前衛能楽「松風」。能や歌舞伎にはあまり縁がなかった(というか、あまり関心がなかった)けど、翻訳脚本で主要キャスト以外に仮面の利用を考えていたので、ちょうどいい機会。開演を待っている間にバイチマン先生に会えて、わっ、何てすてきなおばさまなんだろう。何とも不思議な、それでいて何かがピンと来る『イタリアン レストラン』の後で、バイチマン先生と佐藤聡明氏の「音」についての話で、「音は無から生まれる」と言う言葉にいたく共鳴。無から生まれて無に帰る。そうだなあ、人間は生きているから音を作れるということだな。佐藤氏はさらに「大きな音は人間の耳には届かない」という老子の言葉を引用して、音とは何であるかをずっとずっと宇宙の果てにまで広げて見せてくれて、「宇宙ではどんなに大きな音でも伝達物質がなければ伝わらないのです」と解説。なるほど。ワタシが20台の頃に(縁談をはぐらかそうと)夜な夜な天体望遠鏡をのぞいていて、ふと、遠い、遠い大宇宙のどこかに特等席があったら衝突する銀河や超新星のスペクタクルを見物したいと思ったもんだけど、そう、空気のない宇宙ではどんな轟音も遠くへは伝わらないんだ。何だか意味深だなあ・・・。

前衛能楽と銘打った「松風」は行平は伝統の能装束だけど、松風はふわふわの白いドレス。無言でスローモーションの動きは初めは違和感があったけど、物語の中へ入って行くにつれて一挙手一投足が凝縮されて感情が鋭く伝わって来るようになって、そっか、生身の人間の顔を能面で隠し、動作を緩慢にすることによる緊張感で渦巻く感情を強調しているんだな。ふわふわドレスの動きも楚々とした松風が心を病んだ女になって行く感情の起伏の激しさを表していたと思う。観ているワタシもだんだんに緊張して、目が釘付けになってしまったもの。いやぁ、すごく衝動的だった。ホテルに戻って来て、ふと遠くを見やったら、雲がほんのりと虹色になっていて、へえ、東京でも虹が出るんだ。明日は晴れるかな。さて、全日程を終えたところで、荷造りを始めなくちゃ。増えた荷物、大丈夫かな。ま、晩ご飯を食べてからってことで・・・。


見えるような見えないような・・・虹



これが勘定?

旅の空から~雨の谷中界隈で道に迷ってばかり

2024年10月13日 | 日々の風の吹くまま
10月8日(火曜日)。🌧。朝から雨と風!スターバックスに朝ご飯を買いに出たけど、私たちはアウトドア用の雨具をがっちり着込んでいるのに、みんないつもの通りの通勤着。新宿駅界隈はいつも風が強い(らしい)のに、これに本降りの雨が加わったらバンクーバーでは強風大雨警報が出るレベルだけど、そういう気配がまったくないからすごい。慣れているのかな。



今日は友だちと会う予定が入っていないので、観光客に徹して東京を「探検」する日。先日リック先生夫妻と歩いて興味を引かれた谷中界隈をゆっくり見てみようということになっていて、言い出しっぺのカレシが事前に調べておいた寺巡りを決行。山手線で日暮里駅まで行って、観光地図をゲットして、駅の外に出て、さてどっちの方向?雨の日は太陽が見えないから東西南北がわからないから、名前のない道路が入り組んでいるところでは観光のつもりが迷いっ放しの冒険になってしまう。そういうのもそれなりにおもしろいんだけど、谷中ではのっけから墓地の中に入ってしまって、最初の訪問先だった天王寺を見つけるのにひと苦労。駅から徒歩2分のはずがいったいどれだけかかったことやら。行ってみたらみたで、何やらイベントがあるらしく雨の中でテントを張る作業中。銅造の仏様の写真を撮って、ちょっと境内を歩いておしまい。次の寺はカレシのプランによると「浄名院」というところだったけど、地図を見ながらだったのに逆方向に歩いてしまったらしく、一条寺の前に出て、そのまま(地図にはない)寺が密集している感じの区域をうろうろ。






雨は予報通りに小降りになってくれないもので、濡れた手で地図を出して広げるたびに濡れるから、しまいに上半分がちぎれ、そのうちに折り目が破れ、最後には感応寺というところで完全にぼろぼろ。あまり役に立たなかった地図だけど、なくなると完全に迷子なわけで、諦めて帰ろうと駅を目指そうにもどっちがどっちなんだか皆目わからない始末。カレシが足の指が痛いと言い出したので、不忍通りというメジャー的な道路に出たのを幸い、ちょうど交差点で止まったタクシーを捕まえて、ホテルへ。ところがちょっと年配のタクシーの運転手は「新宿駅南口の高層ビルのホテル」と言ってもよくわからないようで、あれこれ説明した挙句「あ、バスタの近くですか。あそこは止まれないんですよ」。いや、代々木駅の方に曲がればバスやタクシーが止まる正面玄関があるの。「あ、踏切のあるあたりですか」。そう、踏切の少し手前のJR東の本社のビルがあるところ。まあ、何とかホテルの玄関まで行けたけど、危うく通り過ぎるところ。ウーバーだったらカーナビでちゃんと行き着けるのになあ。





というわけで、墓地とお寺だらけの谷中界隈で迷いに迷うなんて何の因縁だろうなあなんてぶつぶつ言いながら、何とかホテルに帰って来てひと息入れたところで、カレシがランチはラーメンがいいというので、また濡れたままの雨具を着込んで、新宿駅西口の地下街をうろうろした挙句に(小田急の?)地下街でやっとラーメン屋を見つけたんだけど、どうやら大阪から進出した店のようで、麺は良かったけどスープの味が薄くて何か今ひとつ満足感が不足。東京ラーメンを食べたかったのになあ。雨の中を狭い道路を迷子になりながら歩き回り過ぎて疲れ果てた2人はホテルに戻ってしばし昼寝。カレシに言わせると「今日の写真の傑作は雨でボロボロになった地図」。まあ、見知らぬ土地への旅にはハプニングがつきものだから、何かしらユーモアを見いだせたらめっけものかな。夕方には雨もいくらか小降りになったので、長いバケーションでの食べ疲れもあることだしと、高島屋のデパ地下へ。途中で自転車に固定してあったらしい傘がおもしろいことになっていて、そっか、今日は荒れ模様だったんだ・・・。







旅の空から~雅叙園での会席ランチと百段階段見学

2024年10月12日 | 日々の風の吹くまま
10月7日(月曜日)。⛅。今日はまた暑くなるような予報。東京も暑くなったり涼しくなったりの落ち着かない天気らしい。今日も元同業で翻訳会議で一緒に遊んでいたナオちゃんとランチなので、朝ご飯はごくあっさり。会席は量が少ないから朝ご飯はしっかり食べた方がいいよと言われたけど、2人共ウェストの辺りを触ってみては太ったなあと嘆いているところで、スターバックスのコーヒーとホットドッグ?で十分。ほんと、次のクルーズと前後のバケーション(16日+1週間?)までわずか5ヵ月なんで、帰ったらすぐにダイエットを始めないと・・・。


タクシーに乗るマナー

友だちがホテルに来たのは10時半だったので、すぐに玄関に降りてウーバーを呼んで出発。ドライバーは若い女性で、バンクーバー圏ではウーバーもタクシーも未だかって女性ドライバーに会ったことがないので、へえ、日本では女性もタクシーを運転するんだなあと感心。バンクーバーよりも進んでいるじゃないの。雅叙園ホテルに着いて、まず豪勢な雰囲気に度肝を抜かれて、予約が11時半だったので、有名な百段階段の見学は後に回して、まずはランチ。なおちゃんと相談してホテル内の渡風亭という会席レストランに個室を取ってあったので、落ち着いておしゃべりできそう。何か「離れ」という感じの本格的な「和室」で、テーブルが掘りごたつ式なので正座ができないカレシもワタシも安心。(カレシの方は元々からしてそんな習慣はないし、ワタシは幼い時から父が脚の発達に悪いからと正座させなかったので座れない。)






ランチはまず日本酒を選んで、冷たいので乾杯。「御献立」が置いてあったけどよくわからない。そのうちに食事が運ばれて来て、見ただけでもあまりの優雅さに手を付けるのがもったいないくらいなのに、それもお上品な味で、一品ずつしっかり味わいながら食べ進めて、最後に出てきたご飯は松茸ご飯。ほんのりふわっと松茸の香りがする、これまた上品なご飯で、帰ったら松茸シーズンだから、こんなご飯が炊けないかしらなんて考えながら食べ切って、デザートまで進むのに時間が経つのも忘れていたくらい。すっかりいい気持になって、(ちょうど月をモチーフにしたイベントをやっている)百段階段の見学へ。広々としたロビーを歩いて受付に行ったら、「ギャラリーホールへはエレベーターでどうぞ」。はあ、エレベーターって、それらしいドアがないけど…と思ったら、展示パネルかと思った豪華絢爛なのがそのエレベーターのドア。それが開いて一歩中に入ったら壁も天井も一面の螺鈿細工でまたまた仰天。煌びやかというのはこういうものかと感心することしきり。



これがエレベーター?!

百段階段はまあ普通の階段に見えるけど、天井はずらりと日本画の装飾。上を見上げていたら階段で躓くんじゃないかなあ。そしてどの部屋も壁も天井も装飾、装飾、装飾。いかにも金に糸目を付けなかったという感じだけど、ワタシだったらそこで寝る気はしないな。食事だって何だか落ち着かな気分になりそう。そもそも鑑賞しようにも早々に首が痛くなってしまうもの。そこがワタシがフツーの庶民だという証しなんだろうけど、悪いけど何となく成金趣味というか、ランチの料理の上品さと対極の美感覚だなという印象で、ま、opulence(豪奢とか奢侈とか)という言葉がぴったり。でも、途中の部屋をのぞきながら100段(実際は99段)を登り詰めて、(靴を脱いでいるので)特にカレシが足を滑らせないかと冷や冷やしながら下まで降りて来て、玄関ホールに戻る途中で有名なトイレをちょっと「見学」して、え、これがトイレ?と究極のびっくり仰天。うん、連れて来てもらってほんとによかった!







百段階段と部屋の装飾


これが有名?なトイレ


旅の空から~師匠と仰ぐ先生との再会

2024年10月08日 | 日々の風の吹くまま
10月6日(日曜日)。☁。ゆうべは早寝したので早々と目が覚めるかと思ったら、そうでもない7時。スターバックスの朝ご飯の後は、洗濯物を仕分け。ビーズで模様を縁取りしたTシャツがあって、糸が切れたりしてあちこちでビーズが落ちてしまっているので、ほつれた糸をむしってビーズを取り除いてから、フロントにランドリーサービスお願いの電話。(午前10時までに出すと同日午後6時には戻って来る。)ほどなくしてハウスキーピングのおばさんが来てぎゅっと詰めた袋を受け取ってくれて、朝一番の仕事はおわり。あとは遅れている写真をダウンロードして、各日のファイルにまとめて、これも遅れているブログの内容を忘れないようにメモだけ書いて、まあちょっとだけ追いついたかな。旅に出ると、その日その日のことを書き残そうと思っても、つい後れを取ってしまうんだよね。

午後1時に大先生がいらして、1階下の和食レストランへ。メニューはコース料理しかないというので、一番「軽い」ものを選んだけど、なんかすごいボリュームという印象。(ほんと、6年も来ないでいたら、東京のレストランの食事が大盛りも大盛りになっていてびっくりするやら、へきえきするやらで。それと関係があるのかどうか知らないけど、男女ともボリュームのある人も増えたような感じがする。)米寿が間近の先生は「歩くのが遅くなった」とおっしゃるものの、心配したよりもずっとお元気で、押しかけ弟子がお呼びたてして申し訳ありませんと頭を下げたら、「弟子はいいよ。先生なんて呼ばないでよ」。はあ。でも、カナダの演劇界のレジェンドであるビルに紹介された、カナダ演劇の翻訳の第一人者でカナダ政府から勲章を授与された先生を名前でお呼びするのは恐れ多くて、震えが来そうで、先生、それはダメです。

テーブルについて、先生が「重くなるけど」とワタシが最初に訳して送った『The Piano Teacher』の原稿に先生がメモやコメントを書き込んだものをくださって、青い付箋の数の多さに、そこまでじっくり読んでくださったんだと感謝感激。先生からメールでいただいたコメントをベースに改稿に改稿を重ねてレビューをお願いした最終稿については「あれは直さなくてもいいよ。よくできている」とおっしゃっていただいて、天にも昇る気持ち。さらには以前に先生の翻訳作品を制作、上演したグループを紹介してくださって、「こっちからも話をしておくから、連絡してみなさい」。うわぁ、どうしよぉ~。ぎぎっとちょっとだけ開いたドアを押してみなさいとおっしゃってる。はい、先生にArts Clubに大口の寄付をしている手前、Arts Clubに売り込むのはサポーターの地位を利用するようで気が引けると言ったら、「利用していいんだよ。利用しなさい」。う~ん、そうあっさりおっしゃられても・・・。

選んだレストランは若い人たちがバースデイパーティをやっていて少々騒々しかったし、料理は多すぎて最後のコースまで食べきれなかったけど、先生から日本の演劇界のしくみや現状をうかがって、ワタシからはArts Clubの現状をお話しして、日本の作品の英訳にも力を入れるべきというアドバイスをいただいて、ワタシには山ほど学ばせていただいた至福のひととき。先生の後継者になれるかどうかはこれからの頑張り次第であり、ワタシという部外者的な存在の押しかけ弟子に目をかけてくださる先生のご厚意をむだにしないように、たすきをかけ直さなくてはという心境になって、お帰りになる先生を見送ったのだった。がんばります、先生。それまでお元気で!


旅の空から~新しいカメラを(2台)買って友だちとランチ

2024年10月07日 | 日々の風の吹くまま
10月5日(土曜日)。🌧。朝から雨っぽいなあ。秋雨前線とか言うのかな。今の時期なら雨が降れば暑くなくていいかな。今日は現役時代の世紀が変わってからの一番のお得意さんだったリック先生と奥さんとのランチ。奥さんの新しいスキーを取りに行ってからホテルに来るというので、スターバックスからテイクアウトした朝ご飯を食べてのんびり。

朝ご飯を注文するのに店員の質問を理解しかねていたら(ワタシの耳には若い女性が何か口いっぱいに頬張っているようなもごもごと話す日本語はまるでどこかの外国語に聞こえる)、小さなキカイを操作して見せてくれたのが質問の通訳。それを見たカレシがそのポータブル翻訳機が欲しいと言い出して、ワタシも長年愛用して来たキャノンのIXY630が古くなって買い替えようと思っていたので、まだ昼までには時間があるからとヨドバシカメラへ。翻訳機の方はググって目を付けた機種がなかったのであっさり断念して、ヨドバシのカメラ館へ。デジカメの種類が多すぎて見つけるのに手間取ったけど、おお、IXY650がある。デザインは細かいところがほんのちょっと変わっているだけで、基本的には古い型と同じで、バッテリも同じだそうだから、改めて予備のバッテリを買わずに済むのはうれしいね。即刻買う気になったところで、カレシが「オレも同じのが欲しい。今のSLRは扱いにくいから、2つ買えるなら小さいのも欲しい」。カレシの手指には小さ過ぎるんじゃないかという気もしたけど、ワタシはシルバー、カレシは黒と2台のIXY650を(めんどうな免税なしで)ゲットして意気揚々とホテルへ帰館・・・。


キャノンIXYの昔(上)と今(下)

リック先生夫妻がホテルの玄関に着いたので、ホテルで借りた傘を持って1階へ。行った先は先生が出資ているというクラフトビールのレストラン。シカゴ式ピッツァとビールで、ここでもしっかりとおしゃべり。中学生だった頃から知っているお嬢さんはアメリカの大学を出て競馬や馬術の馬の管理をキャリアにして、オリンピック選手に付いてドイツで仕事をしていた時に知り合ったドイツ人と結婚して、今は夫婦で日本でサラブレッドの輸入や管理の会社を作って大忙しというからすごい。(ファッションモデルをしていたときは竹久夢二が描いた女性を思わせる美人だったな。)つくばからそう遠くないところに住んでいるそうで、先生は「孫」の知らせを心待ちにしているらしかった。うん、父親というのは娘がかわいくてしかたがないんだよなあ・・・。




レストランを出るのが遅くて、上野の博物館の閉館時間に間に合わなかったので、代わって谷中の界隈を散歩。お寺の多いとことで、たぬき像がたくさんあるお寺では、托鉢姿のたぬき像が持っていた鉢の中にそっと100円玉を置いてきちゃった。(たぬきにお賽銭を上げてもいいのかな?)途中で小さいけどビール好きには人気らしい出来立てのBuzzed Lambというブルワリーの直営店に入って、二階に上がってまたビール。面白い名前のビールばかりだったけど、おいしかった。暗くなる頃、奥さんが運転する車でホテルまで送ってもらって、ビール三昧の土曜日は晩ご飯も食べずに早寝して終わり・・・。








旅の空から~ふるさとを共にする親友と再会

2024年10月07日 | 日々の風の吹くまま
10月4日(金曜日)。☁。目が覚めたら6時近く。少しは普通の目覚めに戻って来たのかな。それよりもゆうべは少し遅かったし、遊び疲れていたからかな。焼き鳥屋は若い人たちに人気がある店だそうで、グループを取り仕切るビルが顔を利かせて予約を取ってくれたらしい。メンバーはほとんどがもう70代か80代で、いろんな理由や目的で日本に来て日本人と結婚したり、アメリカなどで知り合った日本人と結婚して日本に来た外国人で、何かの拍子で翻訳を始めてフリーの翻訳者になった人たち。比較的若い人たちはワタシとは初対面だけど、シニア組はかって所属する翻訳協会が主催する国際翻訳会議で飲んで騒いだ仲。ビールや焼酎を注文して、焼き鳥がテーブルに並ぶ頃には、喧々諤々の会話が沸き起こって、天井を揺るがすほどの大騒音。いや、楽しかった。

今日は釧路の出身で小学校時代から知っていたけど、中学校では同級生だったおリョウとさいたま市で会う約束。今でも長距離でつるんでいる仲間のうちで唯一東京の女子大に進学した人で、服飾品の輸入業を営んでいた夫氏と今年結婚50年。中学生でもう気っ風のいい姉御肌だった人。なつかしいねえ。大きなランチになりそうなので、朝ご飯はスターバックスのコーヒーとパン。おリョウが「新宿まで迎えに行くから南口で待っていて」というので、出口がたくさんあるけど、どれ?と返したら、「それじゃあショウナンシンジュクラインでサイタマシントシン駅に来れば出口はひとつだけだから、そこで11時に待ってるわ」。え、新都心?それで駅の出口がひとつだけ?でも、ショウナンシンジュクラインって聞いたことがないなあ。新宿駅から乗るんだろうけど、すぐにわかるかなあ。やっぱり何時にという制約があるときはウーバーだなあ。でも、埼玉まで行けるのかな。で、ウーバーのアプリ荷役の名前を入れたら、あら、行けるじゃないの。よし、こっちのほうが楽ちん・・・。

さいたま新都心駅でウーバータクシーを降りたのは約1時間後。モダンな駅があって、何か野心的な都市再開発が進んでいるところらしい。駅に上がって改札口の辺りでおリョウと夫氏とばったり再会。そのままランチに行ってひとしきりおしゃべり満開。ウーバーで来た話をしたら、「電車の方が早いのに」。そりゃそうだろうけど、お上りさんツーリストとしては、新宿駅で人ごみにもまれながらホームを探したりする暇を考えると十分に元が取れるのよね。(日本の人には、単に「ウーバー」というと出前サービスのウーバーイーツのことを指すらしい。)たっぷりおしゃべりして、帰りはさいたま新都心駅から新宿まで電車。まあ、東京の電車網の便利さが世界で比類のないことは確かなんだけど、外国人ツーリストにはその機動性について行けないところがある。目まぐるしすぎるというのかな。

またビールとおいしいランチでおなか一杯になって帰って来て、夜はもうあっさり簡単にデパ地下のテイクアウト。ここが新宿駅周辺のいいところで、適当に選んだ小さなおかず数品とビール。なぜかやたらとあちこちで赤いライトが点滅している東京の夜景を見ながら、けっこういい気分。遊ぶのに忙しすぎて「旅行記」がなかなか追いつかないけど、ま、旅の空の下の毎日は非日常だから・・・。


Sticking out like a sore thumb(悪目立ち)?


旅の空から~東京でもウーバーが使えた

2024年10月06日 | 日々の風の吹くまま
10月3日(木曜日)。☁🌧。いまだに5時すぎには目が覚めてしまう。何とかうとうとし直して起床は6時すぎ。今日の予定は夜なので、日中は「自主行動」といったところ。今日の朝ご飯はカレシが生野菜を食べたいというので、ホテルのレストランのモーニングバフェ。おひとり様3800円だけど、選択肢は今一つというところかな。和食もあったけど、焼き魚とか煮物とか漬物とか、あとはご飯に味噌汁。食べるのが目玉のクルーズ船と違って、普通のホテルだから当たり前かな。(だから朝食込みで予約しないわけだけど。)まずはオレンジジュースを取って来て、本番はカレシは山盛りの野菜、ワタシはベーコンとソーセージと(ちょっぴり「?」な)スクランブルエッグで、あとは2人ともクロワッサン1個とコーヒーという、(値段を見なければ)まあまあの朝ご飯。

カレシがなぜか急に奮起して?日本語を覚えたいと言い出して、テキストや参考書について調べてたようなので、それではとタイムスクエアの紀伊国屋書店へ。と張り切って出かけたのはいいけど、昔は紀伊国屋の玄関があったところにはニトリとかいうおしゃれっぽい店が入っていて、あれれ。本屋は6階だけになってしまったようで、じゃあ、どうやって入るのか。高島屋から入れるんだろうけど、連絡通路は何やら工事中の模様でもしかしたら閉鎖中かも。とかなんとか思案投げ首でうろうろした挙句、ニトリに入って、エスカレーターを見つけたら6階へは10時半まで止まっているようで、1階に戻ってエレベーターを見つけて乗ってみたら、6階のボタンには「ふた」がしてあって、10時30分から。そ、営業は10時30分からってことね。はい、あと10分ね。その辺をうろうろして、10時半に入り直したら、はい、営業中。日本語学習のコーナーを見つけて、目をつけていた日本語検定試験の本を見つけて、N4とN3とN2の単語の参考書をお買い上げ。はて、やる気満々だけど、続くかなあ。

今夜みんなが集まる焼き鳥屋は、最寄りの駅が「都立大学」で、駅から柿の木坂という道路を歩いて数分。というと便利がよさそうなんだけど、どうもJRの駅ではなさそうで、おまけに新宿からは途中で乗り換えがあるようだから、なじみのない私鉄の電車の時間を調べなければならないし、雨が降っているし、どうしたもんかなあ。タクシーで行こうかな。でも、それだと外に出てタクシーを探さなきゃならないし、タクシー不足という話も聞いているから、すぐに捕まるかどうかわからないし、ウーバーが使えたらいいんだけど、日本では限定的で評判はあまりよくないと聞いているし、どうしよう、どうしよう。考えた末に、ものは試しと携帯に入れてあるウーバーのアプリをタップしてみたら、あら、普通に開いて「Where to?」(どこまで?)。試しに行く先のレストランの名前をローマ字で打ち込んだら、あは、ローマ字でリストが出て来て、住所がKakinokizakaになっている店をタップしたら、現在地(ピックアップポイント)がホテル(ビル内にある会社)で、行先はレストランと表示。(表示された地図には黄色のタクシーが新宿駅に折り重なっている愉快なイメージが・・・。)

現在地を確認したら、ちゃんと近くにいる車と見積り料金と推定到着時刻と車の到着までの時間(分単位)が表示されて、あとは車を選んでOKするだけ。なぁ~んだ、確定料金を表示しないだけで、ちゃんと普通のウーバーじゃないの。料金は降りた時点でタクシーメーターの金額を請求するということで、カナダのように初めから金額を確定することはできないんだろうな。まあ、請求はいつもの通りワタシのクレジットカードに乗るから、為替レートでカナダドル同等額になる料金分の日本円を持って帰ればいいわけで、ウーバーを使えるというのはうれしい発見。これならホテルの正面玄関で待っていれば車の方から来てくれて、行先の玄関前でおろしてくれるから、雨の日には超便利。さっそく行く先への推定到着時間からコールする時間を割り出して、出かける支度をして、6時ちょっと過ぎにホテルの正面玄関まで降りて行って、ウーバーコール。車を選んで確認したら、運転手の名前(ファーストだけ)と車種とプレートのナンバーが表示されて、到着まで5分。地図が表示されて、車が刻々と近づいて来る様子がわかるのもカナダと同じで、「到着しました」という表示とともにタクシーが到着して、運転手が名前を聞く代わりに「ウーバーですね」。はいっ、よろしく。つまるところ、微妙な違いはあっても、いつも使っているアプリで東京でも普通にウーバーを使えるってことじゃないの。何だって物は試しで実際に試してみるもんだな。じゃあ、これから焼き鳥パーティに行って来よ。


旅の空から~東京はびっくり玉手箱でござる

2024年10月06日 | 日々の風の吹くまま
10月2日(水曜日)。🌤。まだ目覚めは5時で、カーテンの隙間から入って来る朝陽がまぶしい。。今日は暑くなるらしい。湿度も高いようで、船から持って来た電話番号リストの紙が、きのうまではぱりぱりしていて普通の感触だったのに、何となく湿っぽい手触りでびっくり。それ以上にびっくりしたのが、まだ船に乗っているように体がゆらゆらと揺れること。ぐらっと来たときは思わず地震かと思ってしまったけど、座っていても身体か建物かのどっちかがゆっくりと揺れている気がする。まあ、ほぼ3週間も船に揺られていたせいだろうと思うけど、ときどきよろめいてしまうから、やたらと階段や段差がある感じの東京では足元に気を付けないと危ないな。



東京の朝の始まりはお気に入りのベーカリーでしっかり朝ご飯。ベーコン、目玉焼き、ソーセージ、サラダ、トースト、コーヒーのセットにオレンジジュースを添えて、2人分でざっと4500円。いちいち円とドルを換算するのがめんどうで、カナダではいくらするとか比べることはしないから、高いのか安いのかはわからない(国が違うんだから比べてもしょうがない)けど、トーストの厚さを見ると、ああ、これが日本の(洋風)朝ご飯という感じがする。まあ、東京はこと食べることに関しては楽しいところだと思う。特に「デパ地下」というところは食いしん坊の天国みたいなもので、サザンテラスから線路を渡れば高島屋のデパ地下があるし、夜には上の階にレストラン街?があって、今日はどこで食べたらいいのかと迷うんじゃなくて、あまりにもより取り見取りすぎて何を食べようかと迷ってしまう。まあ、それも観光旅行の楽しみのひとつなんだけど。



ということで、ランチは高島屋のデパ地下。エスカレーターで降りて行ったところが、紀伊国屋スーパーの入口だったようで、キノコのセールはいろんなキノコが山盛りだし、果物の売り場もミカンやリンゴが山盛り。その中にひときわ目立っていたのが三角と四角の縞もようの不思議な果物。近寄ってよぉ~く見たら、なんとどっちもスイカ!あのぉ、日本のスイカって丸くて大きいはずじゃないの?でも、このへんてこな果物はどっちもスイカで、値札には「四角スイカ」、「ピラミッドすいか」と書いてある。(その上には折に入った「ゴジラのたまご」があって、これは昔ながらのアメリカ風のすいかの形かな。)四角いスイカというのは聞いたことがあったけど、ピラミッド型なんて、いったい誰の発想なんだろうな。果物売り場にあるんだから食べられるんだろうけど、おいしいのかな。ピラミッド型なんか1個10万円もするのに、おいしくなかったら残念どころじゃないだろうにね。いや、東京(というより日本)はびっくり玉手箱もいいところ。目をまん丸くしながら紀伊国屋を「見学」して、いよいよ「デパ地下」めぐり。ここもありとあらゆる食べ物がてんこ盛りという感じで、私たちの目はまん丸。結局、ランチは寿司とキリンビールのテイクアウトにしたけど、それはそれで日本に来たなあというおいしさだった。






午後は東京にいる間に会う約束をしている友だちとスケジュールの相談。あしたの夜は前から現役時代に翻訳会議で飲んで騒いでいた仲間との焼き鳥パーティで、それ以外はオープンのままで来たんだけど、(日本語入力ができないので)ローマ字書きのテキストメールと電話のやり取りで、火曜日を除いて連日予定が入って、何やら忙しい東京滞在の観。夜は高島屋の上でイタリアンの晩ご飯の後、久しくご無沙汰のマティニを求めて、むかし定宿にしていた京王プラザのメインバーまで遠出。京都で作られたクラフトジンのマティニがめっちゃおいしくて、まだバーで飲むには早い時間だったおかげで、バーテンダー氏が日本のクラフトジンをずらりとカウンターに並べてくれて、けっこう奥の深いジン談義。うん、「カワイイ」の追求に余念のない(ように見える)東京でも、まだこういう大人っぽい時間を過ごせるところがまだあったんだ。これはうれしい玉手箱・・・。




旅の空から~東京に上陸(台風じゃなくて私たちのこと)

2024年10月05日 | 日々の風の吹くまま
10月1日(火曜日)。🌤。早起きしたら、水平線に陸地の影。東京湾を航行中ということで、いよいよ2週間半の長い船旅の終点、東京に上陸。チェックアウトは8時で、ホテルに行く車が来るのは8時45分なので、(バフェに飽きてきていたこともあるけど)バタバタと忙しいからと朝食は抜き。ベランダに立っていたら、高いタワーが見えてきて、ズームインしたら羽田空港の管制塔。近づくにつれて次々と飛行機が飛び立って急上昇したり、船の上を飛んで行ったり。最後の点検をして7時半過ぎには4階デッキのロビーに降りたら、東京国際クルーズターミナルという大きな建物のバルコニーでにぎやかな和太鼓の演奏。へえ、東京でもクルーズ船の歓迎をやるんだね。出口にはすでに長い行列ができていて、外ではタラップを設置する作業。






キーカードをタップするのもこれが最後で、並んでいるスタッフにまたどこかで会いましょうねとあいさつを交わして下船。ターミナルに入ったら、スーツケースをピックアップして、税関を通ってロビーに出たら、私たちの名前を書いた札を持った女性が近づいてきて、「お迎えの車が来ていますのでどうぞ」。ええ?まだ8時半なのに、早いなあ。スタッフに誘導されてターミナルの外に出ると、ほんと、黒ピカのSUVが先頭にいて、運転手が荷物を積み込んでくれて、私たちは車に。乗るときに足をかけるところにしっかりとMercedes Benzと書いてあって、へえ、さすが。運転手が「○○交通の○○です」と英語で自己紹介。そっか、Blacklaneもウーバーと同じライドシェアビジネスだから日本のタクシー会社と提携しなければ営業できないんだろうな。クルーズターミナルからビッグサイトや東京タワーを眺めながら、新宿駅南口に近いホテルまですいすい。

チェックインは午後2時ということで、荷物を保管してもらって預かり証をもらって、ベーカリーでコーヒーとなんか野球のグラブみたいなでっかいデーニッシュ。駅でスイカにお金を足して、新小岩まで。妹夫婦が車で駅まで迎えに来てくれて、6年ぶりの再会。互いに年を取ったなあという気がしないでもないけど、家について5月に他界した末っ子の骨壺に焼香して、手を合わせて、会いに来たよ。納骨先がまだ決まっていないということで、毎日いつも座っていた椅子に置いて、仮の仏壇を設えているということだった。ランチの後で銀行のキャッシュカードを受け取って、チェックインのために新宿へ。




今回はてっぺんの35階の部屋で、遠くにスカイツリーが見え、下ではひっきりなしに電車(これを眺めるのが好き)。さっそく外に出て、お金を引き出しに銀行に行ったら、えええ?前回(といっても6年前)にはあった銀行の支店がなくなっているじゃないの。ググってみたら駅の反対側に支店があるようなので、そっちへ向かったけど、地図を見てもわからないし、高層ビルばかりで目当てになるビジネスや看板が見つからない。京王プラザホテルで教えてもらったコンビニに行って、そこのATMを使ってみたけど、認証と残高照会はできるのにエラーが出てお金が出て来ない。やっぱり銀行を探してそこのATMを使わなくちゃとさらに1時間以上も新宿界隈をうろうろ。日が暮れて来たのであきらめてホテルに戻って、フロントで聞いたら「新宿駅の中にATMがあります。南口の改札を通ってすぐです」。ええ?エキナカのATMねえ。とにかくご飯を食べる資金がいるから、とんぼ返りで駅に駆けつけて、ラッシュでごった返している中を改札を通ってきょろきょろしていたら、あった、JRE銀行のViewなんとかいうATMが。コンビニより信頼できそうなので、今度はキーを一つ一つ慎重に押して操作したら、あは、お金が出て来たじゃないの。やれやれ。たぶんコンビニでは操作を間違ったんだろうな。だって、ATMの仕様がぜぇ~んぜん違うんだもん。それでも無事にお金を引き出せたので、ホテルに戻って宿泊料金を前払いして、とんぼ返りで高島屋に行って、ちょっといい天ぷら屋でバケーションPart2の開始に祝杯。それにしても、みずほ銀行、どうしたんだろうなあ・・・。


旅の空から~船旅の最後は台風情報を見ながらの1日

2024年10月04日 | 日々の風の吹くまま
9月30日(月曜日)。☁⛅🌤。またもや5時起き。もう時間を変えなくてもよくなって4日目だというのに。まあ、このまま早起きの習慣がついたらめっけものだけど。あしたはいよいよ長い船旅の終点の東京。妹から台風が来ているというメールが来て、あらら。台風17号で明日の午後あたりに関東地方に接近しそうだという予報。知らないよぉ。今夜は大揺れかなあ・・・。

とにかく、幸いにも今日は終日航海なので、バタバタせずにゆっくり船を降りる準備ができそう。クルーズ船はホテルが客ごと移動するものなので、2週間、3週間という連泊になるわけで、ある程度の日常性を保つために初日からスーツケースの中身が全部出してしまう。それで、あしたは下船というときになると荷造りが出発前と同じくらいの大汗をかく仕事になる。Silverseaのような徹底した上げ膳据え膳のクルーズだと、荷物を船室からターミナルまで運んでくれるので、「午後11時までに船室の外に出しておくように」というお達しが来るから、朝に使うものだけを残して荷造りする必要があるんだけど、空港に直行する場合は機内に持ち込めるものとそうでないものも仕分けしなければならないから厄介。まあ、遊び過ぎたツケが回って来たようなもんかな。まずはカレシの衣類を全部ベッドの上に積み上げて、種類ごとに仕分けして、それぞれの山を圧縮袋に収納してから、ジグソーパズルよろしくスーツケースに詰めるんだけど、カレシはいつも「念のため」のものが多いもので、どうしてもぎちぎち。





片やワタシはわりとミニマリストなので、仕分けも圧縮処理も詰め込みもいたってシンプル。フォーマルナイトがなければかさばるジャケットやドレスや靴は不要だから、荷造りはもっと楽なんだけど、Silverseaはまだ数日ごとにフォーマルな装いを要求される夜があるので、荷物はパンパン。それでも、今回はドレスコードが大幅に緩められていて、午後6時以降は船室の外ではジーンズ、ショーツ、サンダルなどの着用が禁止される「Elegant casual」という基本ルールに、かなりの間隔を置いて「Formal optional」という、ジャケットやネクタイを着用してもよい日を設けた形になっていて、ちょっとびっくり。遊園地かラスベガスを乗せたような大型クルーズ船に流れる若い世代の客を呼び込もうという狙いなんだろうけど、堅苦しさをなくしたのはいいことで、次のクルーズでは荷物が少し軽くなると期待できそうだな。





船の上での最後の夕食はS.A.L.T Kitchenで「関東風」のなんちゃら和食風。ワタシはちょっとン?なけんちん汁の前菜にメインは深川めしで、最初の「九州風」、次の「関西風」のメインがどっちも「何これ?」的な感じだったのに対して、深川めしはアサリがたっぷり乗っていたし、出汁もちょうどいい味わいでおいしかった。荷造りが終わって、名前と東京での行き先を書いた黄色のタグをつけたスーツケース2個を廊下に出したら、あとはのんびり。台風は減速したようで、私たちと鉢合わせする恐れはなくなったもよう。空アラスカ湾、ベーリング海、太平洋を航海して来た船旅も最後の夜・・・