ヒルギの上に大き目のカニがこちらの様子を伺っています。遠目からも目立つ派手な朱色の爪と朱色の目、そして目の下の隈取りが迫力あります。全体的に暗い色が多いマングローブ林でこんな派手な様相で大丈夫?と心配になります(笑)。干潮時は岩の下に潜んでいる事が多いクマドリオウギガニ(イソオウギガニ科)ですが、まさか満潮時に水上のヒルギの枝の上にいるとは思いませんでした。水位が上がるとともに餌となる他のカニを追いかけて上がって来たんでしょうか?他種のカニを食べちゃう怖いカニです。
別名にヤクジャマガニと言うのがありますが、これはかつて西表島・古見の「ヤクジャーマ節」という民謡の主人公がこのカニじゃないかと言われていたからです。しかしどうも違うらしい!?、と言う事で講談社の「日本産蟹類」図鑑(1976)がクマドリオウギガニと表記したのがきっかけで標準和名もそうなったようです。本当か!?