フィリップのためなら…

ジム・キャリーのフィルモグラフィは１９８３年からありますが、「ペギー・スーの結婚」（８６）「ボクの彼女は地球人」「ダーティハリー５」（８８）などのチョイ役の後、「エース・ベンチュラ」（９４）のペット探偵で主演デビュー。

「マスク」（９４）のスタンリーや「バットマン フォーエヴァー」（９５）のリドラーなど、順調に飛ばします。オスカーはまだだけど、「トゥルーマン・ショー」（９８）「マン・オン・ザ・ムーン」（９９）で、ゴールデングルーブ賞男優賞受賞。

アニメの声優や脚本、製作などもこなすすごい人。コメディ、ドラマ、ロマンス、ＳＦ、ホラー、サスペンス、いろんなジャンルもＯＫですが、まだやっていない役がありました。うふふ、ゲイ。しかも実話の映画化というから、興味津津。

「フィリップ、きみを愛してる！」（０９）スティーヴ・マクヴィカーの原作を映画化したのは、「バッドサンタ」（０３）の脚本家ジョン・レクアとグレン・フィカーラ、初監督です。大事故で死にかけたスティーヴン（キャリー）は、なんとＩＱ１６９。

生き延びた彼は、『人生に嘘をつかず、好きなことをして生きる！』と誓い、詐欺師家業を始めます。ところが保険金詐欺で捕まり、刑務所に入ることに。そこで出会った運命の人！それが、フィリップ・モリス（ユアン・マクレガー）。

出所したスティーヴンは、一目惚れしたフィリップに内緒で詐欺を繰り返し、念願の２人きりセレブ生活をスタート。それもつかの間、詐欺がバレてまたまた投獄されてしまいます。離ればなれになったフィリップに会いたい！

彼は刑務所を抜け出しますが、自分も騙されていたと知ったフィリップは、彼に会おうとしません。なんとか『愛してる』と伝えたい…。そんな一途な想いをフィリップは、わかってくれるのでしょか？

とにかく驚くのはこれが実話だということ。『愛してる』と一言伝えるために繰り返す、詐欺と脱獄。合計で懲役１６７年を言い渡され、今現在もテキサスの刑務所に収監されている天才詐欺師スティーヴン・ラッセル。

共演のレスリー・マンは、「セブンティーン・アゲイン」（０９）でザック・エフロン扮する１７歳になってしまったマイクの妻スカーレット役。ベン・ステイラー監督「ケーブル・ガイ」（９６）で、キャリーとは共演済みです。

髪型が気になるジム・キャリーの天才詐欺師と、ブロンドが美しいユアンを見に出かけましょ。